どうも、安藤忠雄好きのヨメに洗脳されつつある、マクリン( @Maku_ring)です。
建築家の安藤忠雄がライフワークとしている、アートと共存する島、直島のプロジェクト。
直島は世界でも数少ない「現代アート・建築を身近に感じながら滞在できる島」として知られています。
ヨメは何度か直島へ行っており僕は今回が初めて。高松港からフェリーで行きました(往復990円)。
世界的にめずらしい、アート作品が点在する島ということもあって、日本人よりも外国人が圧倒的に多いのが印象的でした。
人々の生活空間に作品たちが違和感なく溶け込んでいるのはなんとも不思議であり、他にはない魅力でもありました。
このたび我々は、ヨメ長年の願望でもあった、安藤忠雄設計の『ベネッセハウス オーバル』に泊まりました。
今回の直島旅行を味わい尽くせたのはこのホテルのおかげと言い切れるくらい、魅力的な宿泊施設でした。
そんなわけで本記事は「直島を堪能するなら『ベネッセハウス オーバル』に絶対宿泊すべき6つの理由」について書きました。
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ベネッセハウスオーバルに宿泊すべき6つの理由
『ベネッセハウス オーバル』は、進研ゼミでも有名なベネッセが経営する、”滞在型”美術館『ベネッセハウス ミュージアム』の宿泊専用棟です。オーバルはミュージアムの3年後、1995年に開館しました。
ベネッセハウスはいずれも安藤忠雄により設計されています。
2006年には海辺の宿泊専用棟として『パーク』『ビーチ』が開館しました。
オーバルはこれらベネッセハウスの中でも部屋数6(ツイン4部屋、スイート2部屋)と極端に少なく、さらに人気の高さも手伝って、予約のかなり取りづらい宿泊施設として知られています。
それでは「直島を堪能するなら『ベネッセハウス オーバル』に絶対宿泊すべき6つの理由」を紹介していきます。
1. 施設自体が唯一無二の建築物
『ベネッセハウス オーバル』は安藤忠雄が紙ナプキンに書きなぐった、楕円形(オーバル)のデザインに端を発する、丘の上の宿泊施設です。こちら自体がもはや唯一無二の建築物とも呼べる見事な造形美を誇ります。
楕円の内側には同じく楕円の水盤があり、それを取り囲むように宿泊部屋が並べられています。
自然の力では絶対にできない形状、すなわち幾何学の構造物ともいえるオーバルですが、その外側には壮大な海景が臨めます。この見事な眺望も、直島の宿泊施設では最も高い位置にあるオーバルの特権なのですが、自然と幾何学のコントラストで異世界が創り出されることを、安藤忠雄は意図していました。
屋上に至る階段部分は、草木が生え込んでジブリ感たっぷり。まさに自然風景の中に幾何学の構造物が溶け込んで、ひとつのアート空間が作られているといえるでしょう。
屋根部分は屋上庭園になっています。ここから見渡せる自然風景も絶品で、朝起きたら散歩がてら登ってみることをおすすめします。
2. 快適な部屋空間
『ベネッセハウス オーバル』のツインルームは、ベネッセハウスのツインで最も広い30平米の部屋となっています。
各部屋のベッドサイドにはアート作品が飾られており、僕たちの泊まった部屋にはリチャード・ロング「無題」が展示されていました。
枕元には電源コンセントが付いているという、かゆいところに手が届いた設計です。
ベッドと反対側の壁際にはソファ、その隣には空気清浄機が置かれています。
その手前には化粧台。上にはなんと、BOSEのオーディオコンポが置かれていました。
クローゼットはしっかり入る大容量タイプで、金庫も置かれています。
クローゼット棚には、無料のウェルカムドリンクとコーヒーキットがあります。
入口横の扉を開けると、洗面台とトイレです。左側は浴室。
洗面台はDURAVIT(デュラビット)製のもの。著名なデザイナーを起用し、美しく洗練されたデザインで知られる、ドイツの由緒正しい老舗ブランドです。
バスタブも充分なサイズ感でした。
さすがベネッセハウス、アメニティも抜かりありません。
シャンプー・コンディショナー・ボディーソープは、海外セレブ御用達ブランド『THANN(タン)
バルコニーから眺める雄大な景色は最高でした。これだけでもオーバルにして良かったと思える贅沢空間。
夜中部屋に戻ってきたら、素敵な夜食が届いていました。こういう心遣いは嬉しいものです。
3. 宿泊者専用バーがある
オーバルにはなんと、宿泊者だけの専用バー『Oval Bar』があります。
いざ開店。入り口横に飾られていたのがこちら。
他にも2点の作品が展示されていて、心地よいアート空間が出来上がっていました。
- (左)リチャード・ロング「エイヴォン川のマッド・ドローイング」 1989年
- (右)ルイーズ・ニーベルソン「マダム・エディスⅧ」 1968年
お酒の種類も豊富で、立派なバーカウンターも備えていました。
席数はそれほど多くありませんが、最大でも6部屋分の宿泊者しか入らない空間なので、ゆったりすごすことができました。
Oval Barはそのまま朝食会場の場所でもあります。
シンプルな内容ではありますが、宿泊代に朝食が含まれています。
4. 宿泊者限定のギャラリーツアー
『ベネッセハウス ミュージアム』は、名前がミュージアムとなっているとおり、多数の現代アート作品が展示されています。
ベネッセハウス宿泊者であれば、ベネッセのスタッフが館内の主要な作品群を説明してくれるギャラリーツアーが無料で楽しめるようになっています。
ベネッセのスタッフ、猪原さんの説明が大変面白く、ついつい聞き入ってしまいました。
屋外には杉本博司の作品『タイム・エクスポーズド』がありました。この作品は水平線を撮影した14枚の写真を並べたものです。
そう言って猪原さんが指差したのは、崖にぶら下がっている豆粒みたいな大きさの写真でした。
このように裏話も交えながら各作品について丁寧に解説してくれたので、僕みたいな初心者でも現代アートを楽しむことができました。他にもたくさん面白い作品があったので、いくつかご紹介。
須田悦弘『雑草』
緻密に彫られた木の彫刻で、コンクリートのすき間から生える雑草を表現した、だまし絵のような作品です。
柳幸典『ザ・ワールド・フラッグ・アントファーム1990』
砂で作った沢山の国旗にアリを放って本物の巣を作り、国旗の中にヒビを表現していました。写真を撮れないのが残念でありますが、視覚的にも実に面白い作品です。
ジョナサン・ボロフスキー『3人のおしゃべりする人』
館内にボイスが響くため、ひときわ目立つ作品です。3人の男性木像が異なるテンポで「chat, chat……」と呟いており、1人はまっすぐに話しかけており、別の1人は腰をかがめているように語りかけています。
最終的に3人は「Ah〜Ah〜Ah〜Ah〜」と合唱するのですが、これがまた不気味でクセになる不思議なメロディーなのです。
ふだんは午後6時でスイッチが切れて音声は止まるそうですが、この日はなぜか一晩中鳴り響いていましたw
柳幸典『バンザイ・コーナー1996』
同じポーズのウルトラマン・塩ビ人形が何十体も鏡に向かって、扇型(1/4円)びっしりに並んだだけの作品。始めはユーモラスな作品と思いきや、実はそうでもありませんでした。
- ウルトラマン人形の群れを上から眺めると旭日旗に見える
- 3/4円は鏡に写ったニセモノである
- 同じポーズを取ったウルトラマン人形が並んでいる様子は、ステレオタイプな正義感とも捉えられる
以上の点から「軍国主義への批判」と受け取れる作品でもあるのです。
5. 限定のお土産ショップ
パークとミュージアムには、限定のお土産ショップがあります。
直島といえばやっぱり草間彌生グッズ。ベネッセハウスショップオリジナルかつ、直島限定のグッズを多数取り扱っています。
どれも草間彌生ファンならば物欲直撃のものだらけ。あまりに欲しすぎて、手にとっては戻すを繰り返していましたw
もちろん草間彌生だけではありません。人気文房具メーカーのnombre(ノンブル)とベネッセハウスがコラボした、直島オリジナルステーショナリーも置いていました。
猫好きならば間違いなくツボの文具ばかりで、ほんわかしたイラストがかわいいです。
『自分スイッチ』なんていう、シュールで面白い商品もありました。
我々が最後まで購入を悩んでいたのは、草間彌生の『かぼちゃのオブジェ(直島限定バージョン)』です。なんと19,440円もします。
ずっしりとした重みもあり、本物と同じ素材・形でできている点も、ファンなら垂涎モノのポイントです。
6. 宿泊者専用の無料バス
直島は『地中美術館』や『李禹煥美術館』など、ベネッセハウス以外も見どころの多すぎるアート島です。
これらのスポットを効率良く回るには移動手段が重要。レンタサイクルもアリですが坂道が多く、なかなか大変です。
そこでおすすめするのがバス。ベネッセハウスにはなんと宿泊客専用の無料バスがあるのです。
パークやミュージアムといった宿泊先はもちろん、先ほどの地中美術館や李禹煥美術館まで回ってくれる、利便性の高いバスなのです。
しかもわりとこまめな間隔で走っています。
草間彌生デザインの直島町営バスもあり、外観だけはこちらの方がかわいいです。
しかし、有料(100円)で停留所も多く、さらに途中の『つつじ荘
ベネッセハウス オーバル宿泊時の注意点
ここまで紹介しましたとおり、直島を味わい尽くすならばベネッセハウス オーバルの宿泊を全力でおすすめするのですが、2つだけ注意点があります。
1. ロープウェイ移動がある
パーク・ミュージアム・オーバルはそれぞれ、こちらの地図にある位置関係です。
パークとミュージアムは宿泊者専用バスでダイレクトに到着するのですが、オーバルだけはミュージアムからもうひとつ、移動手段が必要なのです。
移動時間は約4分でミュージアム オーバル間を無人運転してくれます。
入り口に停まっている場合はそのまま乗ればよいですが、いない場合はコールボタンで呼び出す必要があります。
停留地点にいないことも多いので、時間に余裕を持って出発しましょう。
2. 宿泊料金が高い
これだけのサービスが付いているのだから、予想どおりだとは思いますが。そもそもベネッセハウスの宿泊料金自体が高いですが、オーバルはその中でもひときわ高いです。
- パーク:27,000円(通常シーズン)/32,000円(ハイシーズン)
- ミュージアム:37,000円(通常シーズン)/42,000円(ハイシーズン)
- オーバル:45,000円(通常シーズン)/50,000円(ハイシーズン)
そこで2泊以上する方におすすめなのが、1泊だけベネッセハウスに泊まって他の日はそれ以外の島宿に泊まることです。
以上2点がオーバルに泊まる際の注意点です。
ですが、これらが気にならないくらい素敵な宿泊施設です。直島に行かれる際はぜひベネッセハウスの素晴らしさを体感してみましょう。
ベネッセハウス オーバル│まとめ
本記事で紹介しましたとおり、ベネッセハウス オーバルは以下6つの理由から、直島を味わい尽くす上で欠かせないホテルです。
- 宿泊施設自体が唯一無二の建造物である
- 部屋が快適で使い勝手が良い
- 宿泊者だけの専用バーがある
- 宿泊者限定のギャラリーツアーがある
- ベネッセハウス限定のショップがある
- 宿泊者専用の無料バスがある
ちょっとお高いですが、間違いなくそれ以上の価値があります。素敵な旅の思い出になるでしょう。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。
参考 オーバル宿泊予約ベネッセアートサイト直島