軽量で持ち運びもしやすく、処理速度や静穏性にも優れているSSDは近年、利用者が増加しています。
しかし、使用中に突然「SSDが認識しない」といった症状が発生することがあるのです。
ではこのようなトラブルに見舞われたときにはどうすれば良いのでしょうか?
今回はSSDが認識しないときの原因や対処法・注意点について解説します。
タップできるもくじ
SSDとは?
SSDとは、USBメモリやスマートフォンにも使用されている、フラッシュメモリを用いた記憶装置のことです。
大容量の記憶媒体としてはHDDが主流でしたが、近年ではSSDの大容量化にともない、普及が広がりつつあります。
しかし、SSDはHDDとは異なり、データを保存する構造が複雑であるため、PCになにか問題が発生した際に「データを復旧することが難しい」という特徴があることを覚えておきましょう。
SSDが認識しないときの症状
SSDが認識しないときは、下記のような症状が表れることがあります。
SSDが起動しない
電源を入れてもSSDが認識しない場合、電力供給が不足しているケースとSSD本体が故障しているケースが考えらえます。
電力供給が不足しているときは電源ケーブルを外し、接続しなおしましょう。
再接続してもSSDが認識しないのであれば、USBポートやケーブルが断線している可能性があります。
また、SSD本体が故障しているときは、SSDが寿命を迎えて劣化していると考えられます。
この場合、個人で修復することはできないため、専門業者に相談するようにしましょう。
フォルダやファイルが開けない
ファイルやフォルダが開けず「フォーマットしてください」「アクセスできません」などのエラーメッセージが表示されることがあります。
この場合、ファイルシステムが破損している、もしくはSSDが物理的に破損している可能性が高いです。
個人で対応するとSSDが完全に壊れてデータが取り出せないということにもなりかねないため、専門業者に相談するようにしましょう。
SSDが認識しない原因
SSDが認識しない原因は主に2つあります。
論理障害
論理障害とは、SSDのデータやシステムファイルが破損することによって生じるデータ障害のことです。
データの読み込み中に強制終了したり、誤操作によってデータを破損したりすることで発生します。
論理障害が疑われる場合は、下記のような症状が発生することがあるため確認してみましょう。
- フォーマットを要求される
- OSが起動しない/フリーズする
- ブルースクリーンが表示される
- 勝手にファイル名が書き換わる
- ファイルやフォルダが開けない
軽度の論理障害は個人で復元できることもあるのですが、重度の場合は復元が難しく、データが消失してしまうことがあります。
そのため、データを確実に取り出したいのであれば、データ復旧専門業者へ相談しましょう。
物理障害
物理障害とは、SSDやそれらを構成している部品が、熱劣化や経年劣化、衝撃などによって物理的に破損していることを指します。
経年劣化や物理的破損が原因でSSDが認識しなくなる可能性があります。
物理障害が疑われる場合は、下記のような症状が発生することがあるため確認してみましょう。
- カチカチ、カタカタという異音がする
- PCが認識しない
- 読み書きできない
- 異臭がする
- フォーマットを促される
物理障害は専門業者でも対応するのが難しく、復旧難易度が高いと言われています。
そのため、個人での復旧は極めて困難であり、最悪の場合データが全て消えてしまう可能性も考えられるのです。
したがって、物理障害が疑われる場合はデータ専門復旧業者へ依頼することをおすすめします。
SSDが認識されているか確認する方法
SSDが認識されているかどうかを確認するための方法は次のとおりです。
デバイスマネージャの確認
Windowsを使用している場合、デバイスマネージャを開きます。
デバイスマネージャーとは、Windowsオペレーティングシステムに搭載されているツールです。
デバイスマネージャーを使用すると、パソコンに接続されているハードウェアの状態を確認したり、設定を変更したりすることができます。
BIOS/UEFI設定の確認
BIOS(Basic Input/Output System)とは、パソコンの起動時にハードウェアを初期化し、システムソフトウェアを起動するためのソフトウェアです。
なお、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)とは、BIOSの後継規格です。
BIOS/UEFI設定では、SSDが正常に認識されているかを確認、ないし設定することができます。
ディスク管理ツールの使用
Windowsにおけるディスク管理ツールは、パソコンに接続されているストレージデバイスの管理を行うためのツールです。
Windowsでは、ディスク管理ツールを使用してSSDが認識されているかどうかを確認できます。
コマンドプロンプトの使用
コマンドプロンプトでSSDが認識されているか確認するには、次の手順を実行します。
もしSSDが認識されていない場合は、接続やケーブルの問題、ドライバの不足、BIOS/UEFI設定の問題などを確認する必要があります。
SSDが認識しないときの注意点
SSDが認識しないときの注意点は主に4つあります。
フォーマットしない
SSDに不具合が発生した際、フォーマットしてしまうと、内部のデータが全て削除されてしまいます。
フォーマットを促す文面が表示されても指示には従わないようにしましょう。
フォーマットしたい場合はバックアップをしっかり取る必要があります。
通電しない
SSDが認識しないときに通電し続けてしまうと、データの上書きが行われて状況が悪化する可能性があります。
また、データの破損につながる恐れもあるため、通電をすることは控えて下さい。
SSDが認識されないときは、機器の電源を切って電源コードを抜いておきましょう。
OSを再インストールしない
データのバックアップが取れていない、もしくはバックアップが十分に完了していない状態でOSを再インストールしてしまうと、保存されていたデータが全て消えてしまいます。
SSDが認識しないからといって、慌てて再インストールしないようにしましょう。
万が一、OSを再インストールしてデータが消えてしまったとしても、データ復旧業者であれば、復旧できる可能性があります。
復元ソフトを使用しない
安易に市販の復元ソフトを使用しないようにしましょう。
個人で復元ソフト使用してもその成功率はあまり高くありません。
また、一度復元ソフトで失敗してしまうと、専門業者でデータを復旧しようとしても復旧が難しくなってしまうリスクもあるのです。
そのため、SSDが認識しない場合、個人で復元するのは控えましょう。
SSDが認識しないときの対処法
SSDが認識しないときの対処法について下記の4パターンに分けて紹介します。
SSDが起動しない場合
SSDが認識しない場合、まずは電源まわりを確認してみることが有効です。
例えば、USBケーブルが緩んでいたり、抜けていたりするとSSDに電力が上手く供給されません。
また、パソコンからの電力供給が不足していることもあります。
PCに繋いでも認識しない場合
PCに繋いでも認識しないのであれば、下記のような方法を試してみましょう。
BIOS設定を確認する
BIOSとは、パソコンの土台部分であるマザーボードに備わっているもので、OSが起動する前に、キーボードやマウス、パソコンの頭脳部分などの制御・管理を行うものです。
パソコンの起動時、BIOSはWindowsよりも先に読み込まれますが、設定やハードウェアの構成を変更すると、BIOSに問題が発生し、通常通りに起動しなくなってしまうのです。
そのため、SSDが認識しない際には、この設定を確認すると解決できる可能性があります。
BIOS設定でSSDが認識されているか確認する手順は以下のとおりです。
OSの再インストールを試す手順は次のとおりです。
以上の手順に従って、BIOS設定でSSDが認識されているかどうかを確認することができます。
デバイスドライバを更新する
デバイスドライバとはSSDなどのパソコンの周辺機器をOSによって制御する役割を担っているものです。
古いデバイスドライバを使用している場合、SSDのドライバが適切に表示されなくなることがあるため、更新することで、SSDが認識できるようになる可能性があります。
デバイスドライバを更新する手順は次のとおりです。
もし、Windowsがデバイスのドライバーを検索できなかった場合は、デバイスメーカーのウェブサイトからドライバーをダウンロードしてインストールしてください。
更新プログラムをアンインストールする
直近にインストールしたソフトウェアなど、起動の支障となるようなものをアンインストールしましょう。
そうすることでSSDが認識しない要因を排除することができます。
OSのアップデートに問題が生じている場合は更新プログラムの削除も有効な手段と言えるでしょう。
自動修復機能を実行する
接続しているドライブが認識されない場合、Windowsの自動修復機能を実行する手順は次のとおりです。
自動修復機能は一般的な問題の解決に役立つことがありますが、必ずしもすべての問題を解決するわけではありません。
もし自動修復が問題を解決しない場合、他のトラブルシューティング手法や専門家のサポートを検討することをおすすめします。
また、データのバックアップが重要な場合は、データ復旧の専門家に相談することも考慮してください。
SSDを別のポートに接続する
ポートに接続されたケーブルやポート自体に問題がある場合、SSDが正しく認識されない可能性があります。
別のポートに接続することで、問題がケーブルやポートにあるのか、それともSSD自体にあるのかを切り分けることができます。
SSDを別のPCに接続する
別のPCにSSDを接続することで、特定のPCの問題か、それともSSD自体の問題かを判断できます。
もし別のPCでSSDが正常に認識される場合、初期のPCの設定やドライバの問題が考えられます。
一方、別のPCでもSSDが認識されない場合は、SSD自体の問題が考えられます。
システム復元を実行する
システム復元とは、あらかじめ作成してあるポイントへシステムの状態を戻すことができる機能です。
例えば、新たなソフトをPCにインストールした後、何らかの問題が発生した場合、システム復元を実行することで、ソフトをインストールする前の状態にPCを戻すことができるのです。
しかし、このシステム復元を実行すると、バックアップを取った時点である「復元ポイント」以降のデータは完全に削除されてしまうので注意しましょう。
万が一、システム復元を実行してデータが削除された場合でも、データ専門復旧業者であれば、データを取り戻すことができる可能性があります。
SSDを認識するが起動しない
SSDが認識されているが、起動しない場合は、次の手順を実行してください。
OSの再インストールを試す
OSの再インストールを試す手順は次のとおりです。
SSDが故障している可能性があるため専門業者に相談
もし手順1で問題が解決しない場合、SSD自体が故障している可能性があります。
この場合は、データ復旧やSSDの修理/交換の専門知識と経験を持つ専門業者に相談し、適切な対処方法を提案してもらうことが重要です。
SSDのデータ復旧は一般的に困難とされていますが、たとえばデータの専門復旧業者であれば、データを取り戻すことができる可能性があります。
フォルダやファイルが開けない場合
フォルダやファイルが開けない場合は下記のような対処法があります。
S.M.A.R.T.のステータスを確認
SSDでファイルが開けない場合、S.M.A.R.T.のステータスを確認してください。
S.M.A.R.T.のステータスが異常になっている場合は、SSDが故障している可能性があるため、専門業者に相談してください。
S.M.A.R.T.のステータスを確認する手順は以下のとおりです。
OSの修復ツールを使用する
PCには何かしらのトラブルが発生した場合、自動修復するツールが備わっています。
使用しているPCがWindowsであれば「エラーチェック」、Macであればユーティリティの「First Aid」を試してみましょう。
上記の方法を試してもSSDが認識できない場合は、自己修復は難しいと考えられるため、専門業者に相談しましょう。
フォーマットする
PCがSSDを換装した直後であれば、互換性の問題により正しく認識できないことがあります。
この場合、症状を改善するためにフォーマットを実行することが有効です。
しかし、フォーマットを行うことで、保存されているデータは消えてしまうため注意しましょう。
万が一、システム復元を実行してデータが削除された場合でも、データ専門復旧業者であれば、データを取り戻すことができる可能性があります。
再起動する
SSDが認識せず、ファイルやフォルダが開けないときは、再起動をしてメモリの設定異常を解消することで、症状が改善することがあります。
しかし、再起動しようとしても、すぐに起動・認識できなくなる場合は深刻な問題が発生していると考えられます。
むやみに復旧しようとするとデータが消失してしまう可能性があるため、専門業者に相談しましょう。
データ復旧専門業者に依頼する
確実にデータを取り出したいと考えているのであれば、専門業者に依頼することをおすすめします。
SSDが認識しない原因が「物理故障であるのか」あるいは「論理故障であるのか」ということを見分けるのは非常に困難です。
無理やり自力で解決しようとすると、最悪の場合データが取り出せなくなってしまうリスクがあります。
技術力の高い専門業者は設備や実績が豊富であり、安全かつスピーディーに復旧することができるため、大切なデータを預ける上で安心できます。
おすすめのデータ復旧業者:デジタルデータリカバリー
専門のデータ復旧業者は国内に100社以上存在しています。
本章では、中でも選りすぐりの1社を紹介します。
選定基準は以下のとおりです。
- クリーンルームなどの設備が整っているか
- セキュリティ管理が徹底されているか
- 高い技術力・実績があるか
それでは、くわしく見ていきましょう。
デジタルデータリカバリー
デジタルデータリカバリーは、14年連続国内売上No.1の国内最大級のデータ復旧・復元業者です。
復旧率も95.2%と業界最高水準をほこり、外付けHDDの復旧実績も多数あるため、技術力は申し分ないといえます。
また、復旧スピードも非常に速く、最短当日かつ約80%が48時間以内に復旧されるというのも大きな魅力です。
相談・見積もりも無料で行えるため、まずは最大手のデジタルデータリカバリーへ相談するのがよいでしょう。
SNS上でも、実際に利用して復旧できたユーザーの声が多く、信頼できるサービスであることが分かります。
復旧依頼をしていたHDDデータを受け取りに行きまして、
無事復旧されたデータを受け取る事が出来ました。
ダメだった場合はアレやコレや入れ直す手間で休日いくつ潰れんのさってトコでしたので助かりました。
デジタルデータリカバリー様ありがとうございました。
— ヤマモト (@yamamoto16) May 30, 2020
デジタルデータリカバリー(@DDR_Japan)さんにお願いして突然壊れたUSB内のデータ復旧してもらいました…………!!!!
おかえり原稿…………!!!!
(原稿は今書いてるやつなので写せないけど ※写ってるのはセリフ起こししたやつと前作の原稿) pic.twitter.com/she69CT2Zc
— みー。*あいくるし。@7/7新刊 (@youme_neko) April 23, 2020
デジタルデータリカバリーさん(@DDR_Japan )に10年以上のデータ復旧してもらえたよ😂大切な思い出だったので嬉しい! pic.twitter.com/d03MMf9Ddx
— もか/うた@一週間分のリプしてる (@tarotantora2) April 8, 2020
対応もとても丁寧で、もしまたピンチが訪れたらこちらのデジタルデータリカバリーを利用したい。https://t.co/VdIxFRJC4R
…じゃなくて、ちゃんと細めにバックアップとってピンチが訪れないようにしたい。
— 今井大輔「パッカ」1巻発売中 (@dice_k_imai) March 6, 2020
まとめ
本記事はSSDが認識しないときの原因や対処法・注意点について解説しました。
SSDが認識しないからといって、通電したりOSを再インストールしたりすると、トラブルが悪化する可能性があるため控えましょう。
また、SSDが認識しない原因については論理障害と物理障害がありますが、原因を見分けるのはプロでさえも難しいと言われています。
正しく原因を特定できないと、適切に対処することができず、最悪の場合データが全て消えてしまうといった事態になりかねません。
データを確実に取り出したい場合は、データ専門復旧業者に相談してみて下さい。
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