AirPods ProとSONY WF-1000XM3で、高級イヤホンの欲求が止まらないマクリン( @Maku_ring)です。
両者ともにノイズキャンセリング機能に特徴のあるイヤホンですが、ノイキャンといえばこのメーカーも外せません。
そう、Panasonicです。
懐かしのオーディオ機器向けブランドであるTechnicsの名前を冠し、初の完全ワイヤレスイヤホン「Technics EAH-AZ70W」で市場に殴り込みをかけてきました。
初めての製品というのは、往々にして作り込みに甘さが出るもの。
ところがTechnics EAH-AZ70Wは違いました。
デザイン面の美しさや触れてすぐに分かる高級感はもちろん、日本人好みの音設計やノイキャン性能の高さ、それから専用アプリの作り込みまで、後発だからこそ実直に作り上げたイヤホンでした。
そんなわけで本記事は「【Technics EAH-AZ70Wレビュー】初の完全ワイヤレスイヤホンにして円熟した完成度…!」について書いていきます。
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Technics EAH-AZ70Wの外観とその特徴をレビュー
Technics EAH-AZ70Wは生活防水仕様(IPX4)の完全ワイヤレスイヤホンです。
シルバーとブラックの2色を取り揃えており、いずれもクセのない使いやすいカラーです。
イヤホンの重量は約13gであり、ワイヤレスとしては平均的な重さ。
控えめでクールなTechnicsのロゴが目を引き、ゴロンとしたフォルムはビー玉くらいの大きさ。
ヘアライン加工が施されたロゴ部分はタッチセンサーとなっています。
ケース天面もヘアライン加工であり、ブランドとしての統一感があるのがいい感じです。
ケースのボディ全体がアルミニウム製のプレートに覆われており、ワイヤレスイヤホン随一の高級感をたたえています。
ケースの大きさは約78 x 38 x 38mmであり、AirPods ProとSONY WF-1000XM3のちょうど中間くらい(小さくはないが携帯性には困らない)。
ケースの背面には本体充電用のUSBタイプC(USB-C)が付き、Micro USBのように差す方向を気にしなくていいのは使いやすいです。
ケース前面にはLEDが付き、フタを開けると3段階のLED点灯でケースのバッテリー残量が分かります。
同梱品は本体とUSB-Cケーブル(約50cm)、イヤーピース(S/M/L/XL)です。
バッテリー性能もかなり頑張っている
Technics EAH-AZ70Wは、バッテリー性能もすぐれています。
イヤホンだけで最大6.5時間(ノイキャンOFFは最大7.5時間)、ケースふくめ最大19.5時間(ノイキャンOFFは最大22.5時間)使用でき、SONY WF-1000XM3同等の長時間モデルです。
さらに15分充電で70分再生可能(ノイキャンOFF時は80分)の急速充電もサポートし、急なときも安心。
左右独立受信方式で音声のずれを軽減
Technics EAH-AZ70Wの特筆すべき特徴として、左右独立受信方式に対応していることが挙げられます。
多くのワイヤレスイヤホンは親機 子機へ飛ばすリレー伝送方式であり、途切れや音ずれが仕組み上どうしても発生してしまいます。
左右独立受信方式であれば、左右のイヤホンがBluetooth信号をそれぞれキャッチするため、接続が安定するだけでなく動画視聴時の音ずれもかなり軽減することができるのです。
音質コーデックはSBCとAACのみですが、Androidスマホで動画を観ても、遅延はほぼ感じませんでした。
ただし、AirPods ProやSONY WF-1000XM3が備える、イヤホンを外した際に音楽が一時停止する機能はありませんので、その点はちと残念です。
専用アプリは意外と優秀
驚きだったのがTechnics EAH-AZ70Wの専用アプリ「Technics Audio Connect」の使いやすさ。
正直SONY WF-1000XM3の専用アプリよりも、かなり良く作り込まれています。
画面も直感的で、初見でもすんなり操作できるようになっています。
- バッテリー確認
- 外音コントロール
- サウンドモード
右上の設定アイコンをタップすることで、接続モードやオートパワーオフ、音声ガイダンスなど、細かい項目を設定することが可能です。
他のイヤホンにはなかなかない機能として、ノイズキャンセリングとアンビエント(外音取り込み)の効きを調整できるというのがあります。
音質もイコライザーでイジったり、低音を効かせたり(バスエンハイサー)、クリアサウンドに寄せたりなど、自分好みに細かく合わせられます。
高級イヤホンは専用アプリ付きのものが多いですが、イマイチなのも散見される中、よくぞここまで仕上げたと感心する出来でした。
ペアリングもスムーズ
Technics EAH-AZ70Wは他のモデルと同様、ペアリングもサクッとできます。
初回接続時は、イヤホンをケースから取り出すだけでペアリングモードに入るので、Bluetooth設定から接続するのみです。
2台目以降は、イヤホンが青点灯している間にタッチセンサーを7秒間触れると、赤青交互点滅のペアリングモードに入ることで接続できます。
複数台個別接続のマルチペアリングには対応しているものの、同時接続(マルチポイント)には対応していません。
Technics EAH-AZ70Wの音質とノイズキャンセリング性能
Technics EAH-AZ70Wはゴロッとしたフォルムなので、装着しやすさは抜群です。
決してコンパクトデザインではありませんが、女性が付けても違和感のない絶妙サイズにおさまっています。
ヘアライン部分は全面タッチセンサーであり、軽くタッチするだけで操作可能です。
- 1回タッチ 再生 / 一時停止 / 受話
- 右2回タッチ 曲送り(次の曲)
- 左2回タッチ 音量下げ
- 右3回タッチ 曲戻し(前の曲)
- 左3回タッチ 音量上げ
- 右2秒タッチ 外音コントロール切り替え / 終話
- 左2秒タッチ 音声アシスタント(Siri / Googleアプリ)起動 / 終話
右イヤホンを長押しするたび「ノイズキャンセリング アンビエント オフ」というアナウンスとともに切り替わるので、外音コントロールの切り替えも使いやすいです。
アンビエントとは周囲音取り込みのことで、専用アプリで効果の大きさも調整できるため、音をシャットアウトしては困るシーン(電車アナウンスや会計時)でかなり使えます。
音質は日本人好みのクリアサウンド設計に仕上がっています。
ボーカル音もきめ細やかに表現でき、高音は突き抜けるような印象を受けました。
ドラムサウンドはやや軽い一方、ビートの音圧は強めで、クラブサウンドやEDMによく合うイヤホンといえるでしょう。
それからびっくりしたのが、ノイズキャンセリングの性能です。
Technics EAH-AZ70Wのノイキャンは、いわゆるアクティブノイズキャンセリング。
平たく書くと「マイクで周囲のノイズを拾って、それをかき消す音をイヤホンに流す」というものですが、本機は「デュアルハイブリッドノイズキャンセリング」を採用しています。
通常はデジタル制御のみをノイキャンに用いるのですが、EAH-AZ70Wはアナログ制御も組み合わせることで、さらに強力なノイキャンを実現するという代物です。
AirPods Proのノイキャン性能を10とすると、8くらいのレベルで、SONY WF-1000XM3のノイキャンをもやや上回っていると感じました。
低音部分でのノイキャンの効きが特に素晴らしいです。
Technics EAH-AZ70Wレビューまとめ
本記事は「【Technics EAH-AZ70Wレビュー】初の完全ワイヤレスイヤホンにして円熟した完成度…!」について書きました。
初めてのフルワイヤレスでここまでのレベルの製品を出すとは予想だにしていませんでした。
日本人好みのクリアサウンド設計や強力なノイキャン性能、それから専用アプリの使いやすさなど、Technics EAH-AZ70Wは先行メーカーをかなり研究して作り込まれた製品に仕上がっています。
音質面とノイキャン性能のバランスがとれている製品として、かなりおすすめできるイヤホンです。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。