評価:4.5
どうも、MacBook Pro愛用しマクリン( @Maku_ring)です。
MacBook Proと一緒に持ち運ぶのが61W USB-C電源アダプタとケーブルです。
これが結構かさばるので、小型の充電器を探しマクリンでしたが、この60Wという高出力がネックでなかなか見つからずにいました。
しかも一気に2製品で、1ポートタイプの「Anker PowerPort Atom III 60W」と2ポートタイプの「Anker PowerPort Atom III (Two Ports)」です。
いずれも次世代のパワー半導体素材「窒化ガリウム(GaN)」をスイッチ部分に採用し、超コンパクトサイズ&軽量性を実現しています。
Anker PowerPort Atom III 60WはMacBook AirのUSB充電器(30W)と変わらぬサイズ、Anker PowerPort Atom III (Two Ports)は2ポートにかかわらず、1ポートのMacBook Pro充電器(61W)より格段に小さいサイズに仕上がっています。
本記事は「【Anker PowerPort Atom IIIレビュー】最大60WながらGaN採用で超コンパクトなUSB-C充電器【窒化ガリウム】」について書いていきます。
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Anker PowerPort Atom IIIに搭載する新技術「Power IQ 3.0」と「GaN」
製品紹介に入る前に、Ankerのガジェット群を支える新技術について、簡単に説明します。
Ankerは充電デバイスの高出力化にともない、最大12W出力のPowerIQ、最大18W出力のPowerIQ 2.0と、独自技術で進化を遂げてきました。
大容量のUSB給電規格「Power Delivery(PD)」も登場し、ノートPCの充電まで視野に入れる時代になってきました。
そんな中、Ankerはついに、PD規格値上限の最大100WならびにQuick Charge 3.0に対応する最新規格「PowerIQ 3.0」を発表しました。
Anker PowerPort Atom III 60WはPowerIQ 3.0、Anker PowerPort Atom III (Two Ports)はPowerIQ 2.0とPowerIQ 3.0を搭載し、まさに新世代を担う製品に仕上がっています。
PowerIQ 2.0 | PowerIQ 3.0 |
---|---|
最大出力 | |
18W |
100W |
互換性 | |
Quick Charge 3.0 |
Quick Charge 3.0 |
Anker PowerPort Atom IIIにはもうひとつ、GaN(窒化ガリウム)という新しい素材が採用されています。
従来の充電器は、電源をオンオフするスイッチ部分にシリコン(Si)を使っています。
しかし前述のとおり、近年の充電器はノートPCも想定しているため、高出力であることが求められています。
しかし、Si素材のまま高出力に対応することは、熱と大型化という2つの問題を抱えていました。
Siデバイスで高出力の電源をオンオフすると時間を要するため、発熱をその分ともない、その発熱をおさえるために製品を大型化しなくてはいけませんでした。
この問題を解決するために、短い時間で電流・電圧をオンオフできる(=電力効率のすぐれた)素材を選ぶ必要がありました。
そしてSiの代替素材を検討した結果、Siよりも耐圧性と電力効率の高い窒化ガリウム(GaN)に行き着いたのです。
Siの代わりにGaNを素材に用いたUSB充電器を、Ankerは「Anker PowerPort Atomシリーズ」と名付けました。
シリーズの第一弾「Anker PowerPort Atom PD 1」は、指でもつまめる超コンパクトサイズでありながら、MacBookも充電できる30W出力に対応しています。
Anker PowerPort Atom III 60WとAnker PowerPort Atom III (Two Ports)は、同シリーズ第二弾にして、実用性と完成度を高めたモデルに仕上がっています。
そんなわけで両者の紹介をしていきます。
Anker PowerPort Atom IIIの外観とサイズ比較
「Anker PowerPort Atom III 60W」は1ポートタイプ、「Anker PowerPort Atom III (Two Ports)」は2ポートタイプの60W出力対応USB急速充電器です。
Anker PowerPort Atom III 60WのUSB-Cは最大60W、Anker PowerPort Atom III (Two Ports)のUSB-Cは最大45W、USB-Aは最大15Wとなっています。
いずれのUSB-Cも、ほとんどのノートPCふくめ、あらゆる機器の急速充電が可能な高出力です。
シリーズ第一弾の「Anker PowerPort Atom PD 1」はプラグが折りたためないという欠点がありました。
しかし、Anker PowerPort Atom III 60Wは折りたたみプラグ式でプラグ部分が格納でき、持ち運びに適しています。
サイズはAnker PowerPort Atom III 60Wが約61 x 58 x 28.5mm、Anker PowerPort Atom III (Two Ports)が約69 x 69 x 28mmで、いずれも手の平サイズにおさまっています。
Anker PowerPort Atom III 60Wは、MacBook Proの61W純正アダプター(約75 x 75 x 30mm)より格段に小さいサイズ(約35%の小型化)に仕上がっています。
重量は純正アダプターの約195gに対し、Anker PowerPort Atom III 60Wは約128gと、約65%の軽量化を実現しています。
しかし、同じくGaN採用の同出力充電器である「RAVPower RP-PC112」に比べるとやや大きいため、小型軽量にこだわる人はRAVPowerのほうがベターといえます。
とはいえ、半分の出力であるMacBook Airの30W純正アダプターと大きく変わらず、Anker PowerPort Atom III 60Wがコンパクトであるのは間違いありません。
Anker PowerPort Atom III (Two Ports)は2ポートであるにもかかわらず、MacBook Proの61W純正アダプターよりも小さく、約15%の小型化を実現しています。
Anker PowerPort Atom III (Two Ports)の重量は約141gであり、約30%の軽量化に成功しています。
ちなみに僕は、ノートPCも充電できる2ポートタイプのUSB充電器として、ほぼ同サイズの「Anker PowerPort ll PD」をメインで使っていました。
ですが、Anker PowerPort ll PDは2ポート合計48Wで、計60WのAnker PowerPort Atom III (Two Ports)よりも重く(151g)、GaN搭載モデルがいかに軽いかが分かるでしょう。
付属品は無く本体のみですので、USB-CにはPD対応USBケーブルが別途必要です。
USB-CからiPhoneなどLightning端子のデバイスを充電する際は「Anker PowerLine II USB-C & ライトニング ケーブル」がおすすめ。
USB-A用には、巻き取り式の2in1タイプUSBケーブル「cheero 2in1 Cable with Lightning & micro USB」が使いやすいです。
Anker PowerPort Atom IIIは最大60W出力でノートPC充電可能
Anker PowerPort Atom III 60WとAnker PowerPort Atom III (Two Ports)のUSB-Cは、それぞれ60Wと45Wで、ほとんどのノートPCが急速充電できる出力です。
このうちAnker PowerPort Atom III 60Wは、MacBook Pro(13インチ)など、パワーが必要なハイスペックのノートPCであっても急速充電することができます。
45WのAnker PowerPort Atom III (Two Ports)でも、問題なく充電することが可能です。
実際USB-C電圧電流チェッカーでMacBook Pro充電時のワット数(電流 x 電圧)を確認したところ、両者とも40Wを超える値であり、純正アダプターと同等でした。
USB-Cに先ほどのAnker PowerLine II USB-C & ライトニング ケーブルを組み合わせることで、最新のiPhoneでも約30分で50%に到達する高速充電に対応しています。
USB-C電圧電流チェッカーでiPhone XS充電時のワット数(電流 x 電圧)を確認したところ、17Wを超える値を示していました。
またAnker PowerPort Atom III (Two Ports)は、最大15W出力のUSB-Aを搭載しています。
しかもこちらのUSB-Aには、前述のAnker独自技術「PowerIQ 2.0」を搭載しています。
PowerIQ 2.0とは「QC 3.0(Quick Charge 3.0)対応品もふくめた全てのデバイスに合わせ、急速充電に必要な電流値を自動で調整してくれる賢い機能」のことです。
出力アンペア数を計測した結果、スマホ・タブレットのいずれも電流値が適切な値に調整できていました。
2ポート接続時の出力は最大60Wであるため、ワット数が制限されることなく、フルスピード充電ができます。
2台接続時の出力値を確認したところ、USB-A未使用時と値がほとんど変わらず、2台同時の急速充電が確認できました。
小型軽量にして、ノートPCふくめて全デバイスに充電可能。
Anker PowerPort Atom IIIは、1台でなんでもチャージできる万能の充電器です。
Anker PowerPort Atom IIIレビューまとめ
本記事は「【Anker PowerPort Atom IIIレビュー】最大60WながらGaN採用で超コンパクトなUSB-C充電器【窒化ガリウム】」について書きました。
Anker PowerPort Atom III 60Wは1ポート、Anker PowerPort Atom III (Two Ports)は2ポートタイプの60W出力対応USB急速充電器で、さまざまなデバイスに効率的な充電が可能です。
しかも、PowerIQ 3.0とGaNを採用し、軽量コンパクトにおさえながら、高出力を実現する最新技術の結集ともいえる製品に仕上がっています。
特にAnker PowerPort Atom III (Two Ports)は世界最軽量クラスですので、2ポートタイプの60Wクラス充電器で現状ベストといえるでしょう。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。