一日中ANC搭載イヤホンを付けて生活してるマクリン( @Maku_ring)です。
一般的に、ワイヤレスイヤホンの音質はヘッドホンに劣るといわれています。
というのも、小さな筐体で上質なサウンドを再現するのは難しいから。
音質に妥協できない方にとって、ワイヤレスイヤホンの選択肢は限られており、本格派も満足できるのはSONY WF-1000XM4やMOMENTUM True Wireless 2くらいでしょうか。
その状況に殴り込みをかけてきたのが、デンマーク発のオーディオブランド、Bang & Olufsenの「Beoplay EQ」です。
「Beoplay E8シリーズ」に通ずる音質の素晴らしさを損なうことなく、ついにアクティブノイズキャンセリング(ANC)が追加されました。
ただ3万円を超えるため、購入にはどうしても慎重になるところ。
そこで多くのイヤホンを所有してきた僕が、ちょっとした操作性からアプリの使用感まで、購入前に知っておくべき点を細かくレビューしていきます。
そんなわけで本記事では「【Bang & Olufsen Beoplay EQレビュー】透き通るほどのクリアサウンドを堪能できるノイキャン付き完全ワイヤレスイヤホン」について書きます。
- 同社初のANC搭載
- 唯一無二のクリアサウンド
- ワイヤレス充電対応
- aptX Adaptive対応
- 曲送り・曲戻しのボタン操作不可
- ボタン割り当て変更不可
- 装着センサーの利便性は低い
タップできるもくじ
B&O Beoplay EQの概要
Bang & Olufsenの「Beoplay EQ」は、防水・防塵仕様(IP54)の完全ワイヤレスイヤホンです。
製品名 | Beoplay EQ |
---|---|
重量 (イヤホン / ケース合計) |
約15g / 約66g |
音楽再生時間 (イヤホン / ケース合計) |
最大7.5時間(aptX with ANCで5.5時間 / other with ANCで6.5時間) / 最大20時間 |
ドライバー | 6.8mmドライバー |
防水防塵 | IP54 |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX Adaptive |
充電ポート | USB-C / ワイヤレス |
Bluetooth | 5.2 |
IP54とは「5等級の防塵性能と4等級の防水性能(生活防水仕様)をもつ」という規格で、多くのワイヤレスが防水しかないところ、防塵まで付いているので防御力高め。
ラインナップはブラックとゴールドの2色で、どちらも落ち着いた高級感があり、所有欲をくすぐるカラーリングです。
イヤホンはマットなボディとメタリックなボタン部を組み合わせ、ロゴ部分にもアルミニウムをあしらうこだわりようで、上品さを感じるデザイン。
前作はボタン部分がプラスチックだったので、ひんやりしたメタルボディというだけで、テンション上がりマクリン。
側面の面取りがスマートな外観を演出し、サイズ感が大きいのに野暮ったさを感じさせません。
重量はイヤホン単体で約15g、ケースふくめ約66gとやや重ためです。
ケースのサイズは約40 x 77 x 26mmと、高さをおさえた横長フォルム。
前作の革ケースもすごかったですが、本機のケースはアルマイト加工を施したアルミニウム製。
ケースの質感が素晴らしく、ついつい触りたくなる手触りで、抜群の美しさを放っています。
イヤホンは斜めにおさまり、ケースに収納されたときの様子もカッコいいです。
付属品はイヤホン本体とイヤーチップ(XS/S/M/L/コンプライ)、USB-C to Aケーブルです。
イヤーチップは通常のシリコン製にくわえ、遮音性の高いコンプライイヤホンチップも同梱しています。
コンプライイヤホンチップは、シリコンの約30倍柔らかいポリウレタンフォームを用い、耳穴にぴったりフィットする上、長時間つけても耳が痛くなりにくいです。
B&O Beoplay EQのレビュー
ここからはBeoplay EQの特徴を紹介していきます。
必要十分なバッテリー性能かつワイヤレス充電対応
Beoplay EQは、普段使いには必要十分なバッテリー性能ではあるものの、ロングバッテリーとはいえません。
イヤホン単体で最大7.5時間(ANCで6.5時間)、ケースをふくめ最大20時間使用可能です。
背面には互換性の高いUSB Type-Cの充電ポートをそなえ、20分の充電で2時間駆動できるクイック充電にも対応しています。
さらにワイヤレス充電にも対応し、充電面の使いやすさはばっちりです。
とにかくシンプルな専用アプリ
Beoplay EQの専用アプリは、最低限の機能だけをそなえたシンプルな内容となっています。
ダッシュボード画面上側では、バッテリー残量の確認や音量調整、曲送り・曲戻しの操作が可能。
イコライザー設定では、プリセットされた5つのモードから好きな音の仕様を選ぶことができます。
- 最適 全ての音を最適化した標準仕様
- Sport 運動仕様(ボーカル抑えめ)
- Commute 通勤・通学仕様(高音強め)
- Clear ボーカルのクリア感を強調
- Podcast 音声・動画(低音強め)
プリセットから選ぶだけでなく、円形マップ内でポインターを操作し、自分好みの音に調整することもできます。
また、周囲の環境に合わせてノイキャン強度がオート調整されるアダプティブANCが採用され、アプリ上でオンオフの操作が可能です。
アプリの機能は以上で、良くいえばゴチャゴチャしていない、かなり割り切った内容となっています。
ただ、残念だったのが、操作ボタンのカスタマイズができないこととアプリ上でANC・外音取り込みの設定・確認ができないこと。
左イヤホンを2回タップすることで「ノイキャン オフ 外音取り込み」と変更できますが、今どの状態なのかが確認できません。
ただし、8月中旬のアップデートでレベルを調整できるようになるとのことなので、そちらに期待です。
イヤホンの操作性に少し難あり
イヤホンは少し大ぶりながら、筐体が丸みを帯びているため、耳への当たりは良くできています。
装着感は少し浅く感じ、イヤーチップで支えているような感覚があります。
表面はタッチセンサー式で、操作を認識すると柔らかく「ポンッ」と音が鳴る親切設計。
ただし、タッチ操作は全て2タップのため、慣れが少し必要です。
操作 | L | R |
---|---|---|
再生 | – | 2タップ |
停止 | – | 2タップ |
曲送り | – | – |
曲戻し | – | – |
音量を上げる | – | 2タップ&2回目長押し |
音量を下げる | 2タップ&2回目長押し | – |
ANC OFF 外音取り込み |
2タップ(サイクル) | – |
受話 | – | 着信中に2タップ |
通話終了 | – | 通話中に2タップ |
音量調整をする場合は、2タップ目に押し続ける長さでその変化量が変わります。
この長押しの感覚が非常にシビアなので、少し難しく感じました。
僕はイヤホンで音量調整をしないのでそこまで気になりませんでしたが、利用する方は注意が必要です。
それから最大の難点が、前述のとおり、タッチ操作をアプリ上でカスタマイズできないこと。
再生や一時停止の際は2タップ必要ですし、曲送りや曲戻しはなんと、イヤホンから操作できません。
全ての操作をイヤホンでしたい人には少しクセの強い仕上がりになっています(こちらもアプリのアップデートに期待したいところ……)。
また、装着センサーの利便性がちと悪いのも少々残念なポイント。
イヤホンを耳から外しても音楽再生が止まらず、自分で一時停止する必要があります。
ANCの効き具合はそこそこ
Beoplay EQのANCは、めちゃくちゃ強いというわけではありません。
イヤーチップ自体の物理的な遮音性(パッシブノイズキャンセリング)のほうが高く、そこにアクティブが乗っかるという感じです。
とはいえ、おまけレベルではなく、車のロードノイズなど低音ノイズは比較的除去してくれます。
一方、「カンカン」といった高音ノイズは少し残り、「ゴォ〜」という空調音や「ガタンガタン」という電車のレール音もマイルドに抑えるイメージ。
SONY WF-1000XM4を10とするなら、6〜7といったところです。
外音取り込み機能は、マイクでいかにも拾ってます的な機械音な感じやホワイトノイズもなく、自然に音を取り込めており、音の聞こえる方向も分かりやすいです。
ただ、会話してみると、こちらに届く音量と実際の音量に差異があるため、「音を拾うだけならOKだけど会話はちょっと難しい」と感じました。
こちらもAirPods Proのナチュラルさには及ばないという評価です。
透き通るほどクリアな音質
Beoplay EQの音質面での最大の特徴は、中高音の圧倒的なきれいさと高い解像感です。
前作Beoplay E8シリーズも中高音のクリア感にすぐれるイヤホンでしたが、その反面、高音域がするどく、やや刺さる感じがありました。
そういった点が今作では少し改善され、高音はシャープ傾向ではありますが、力強さと美しさが増し、音が太くなりました。
平坦だった低音域もかなり良くなり、全体的にフラット志向ではあるものの、余韻があってズシリとした低音が出るようになりました。
中音域の分厚さや開放感も素晴らしく、ボーカル音や楽器音の明瞭度には驚くばかり。
一点のくもりも感じないレベルで音が鮮明なので、ボーカルの息づかいも聴こえたり、「あれ!? このボーカルってこんな声だったっけ?」という新鮮な発見があります。
分離感もしっかりあるので、各音にスポットをあてつつ、どこでどんな音が鳴っているかといった立体表現も優秀です。
ただ、ドンシャリ系が好きな方には、音の重圧感が物足りない印象を受けると思います。
また、音楽ジャンルを選ぶイヤホンではあります。
どちらかというとジャズ・クラシックに適したイヤホンであり、ROCK & POPSだと激しめの楽曲では高音がシャリシャリした印象を受けます。
オールジャンルで音楽を楽しむなら、やはりSONY WF-1000XM4かなといったところ。
とはいえ、低音から中高音、インストまで自然にバランスよく聴こえ、歌声も楽器も堪能できるイヤホンに仕上がっています。
B&O Beoplay EQはこんな人におすすめ
Beoplay EQは「音質に妥協せず、ジャズ・クラシック中心に聴きたい人」におすすめです。
ただし、イヤホンの操作性やアプリの使用感といった実用性は正直良いとはいえません。
とはいえ、1万円台までのイヤホンでは再現できない、上質なクリアサウンドを奏でてくれます。
ちなみに、ANCが強くて幅広い音楽ジャンルを楽しめるイヤホンとしては、SONY WF-1000XM4がおすすめです。
B&O Beoplay EQレビューまとめ
本記事では「【Bang & Olufsen Beoplay EQレビュー】透き通るほどのクリアサウンドを堪能できるノイキャン付き完全ワイヤレスイヤホン」について書きました。
Beoplay EQの使い勝手は少し辛口の評価となりましたが、B&Oの特徴はなんといっても上品な音質。
ドンシャリ系ではなく、くっきり感のある解像感高いサウンドを聴きたい人には、ぜひとも試していただきたいイヤホンです。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。
- 同社初のANC搭載
- 唯一無二のクリアサウンド
- ワイヤレス充電対応
- aptX Adaptive対応
- 曲送り・曲戻しのボタン操作不可
- ボタン割り当て変更不可
- 装着センサーの利便性は低い