ワイヤレスイヤホンの音質にはこだわりたいマクリン( @Maku_ring)です。
最近では1万円台でも買えるようになってきたANC搭載イヤホンですが、安いモデルだと音質面は妥協せざるをえないのが難点。
「少し高くてもいい、でも音質には妥協したくない」という人への候補にあげたいのが、JBLの「TOUR PRO+ TWS」です。
同社で人気を博す「CLUB PRO+ TWS」の後継機種にあたります。
迫力のある低音からボーカルの解像度まで高いバランスを保ちつつ、音の厚みと粒の細かさまで感じる音質設計。
アプリ機能も満載で、使い倒しがいのある全部入りモデルに仕上がっています。
そんなわけで本記事では「JBL TOUR PRO+ TWSをレビュー!粒が細かくクリアな上質サウンドを堪能できるANC搭載完全ワイヤレスイヤホン」について書きます。
- 安定した装着感
- 外音取り込みが優秀
- 装着検知センサー搭載
- 機能が豊富な専用アプリ
- クリアで上品なサウンド
- 少し重ため
- ANCが控えめ
- ボタン割り当てにクセがある
- apt-X非対応
タップできるもくじ
JBL TOUR PRO+ TWSの概要
「JBL TOUR PRO+ TWS」は生活防水仕様(IPX5)の完全ワイヤレスイヤホンです。
製品名 | JBL TOUR PRO+ TWS |
---|---|
重量 (イヤホン / ケース合計) |
約15g / 約73g |
音楽再生時間 (イヤホン / ケース合計) |
最大8時間(ANCで6時間) / 最大32時間(ANCで24時間) |
ドライバー | 6.8mmドライバー |
防水 | IPX5 |
対応コーデック | SBC / AAC |
充電ポート | USB-C / ワイヤレス |
Bluetooth | 5.0 |
イヤホン本体は少し大柄ながら、シンプルなロゴと丸っこい外観からスマートさを感じさせるデザイン。
装着センサーを搭載し、耳からの脱着にともない、自動で音楽再生・停止します。
重量はイヤホン単体で約15g、ケース込みで約73gとやや重め。
ケースは上品な仕上がりで、ついつい触りたくなる手なじみの良い質感と重厚感が所有欲を満たしてくれます。
ケースの大きさは約53 x 53 x 35mmと、少し大きめながらも手のひらに収まるサイズ。
付属品はイヤホン本体とUSB-C to Aケーブルにくわえ、薄いイヤーチップ(S/M/L)に厚いイヤーチップ(M/L)、イヤホンのウィング部分に装着するエンハンサー(S/M)と盛りだくさん。
CLUB PRO+・LIVE PRO+とのスペック比較
JBLのANC搭載モデルは、TOUR PRO+ TWS以外に「LIVE PRO+ TWS」と「CLUB PRO+ TWS」があります。
これら過去モデルとの違いを簡単に見ていきます。
イヤホン本体とケースを並べると、こんな感じ(左からCLUB PRO+、TOUR PRO+、LIVE PRO+)。
スペック比較は以下のとおりです。
左スライドで全表示
製品名 | JBL TOUR PRO+ TWS | JBL CLUB PRO+ TWS | JBL LIVE PRO+ TWS |
---|---|---|---|
重量 | イヤホン約15g / ケース約73g | イヤホン約13g / ケース約69g | イヤホン約10g / ケース約60g |
バッテリー | イヤホン単体:約8時間(ANCで6時間) ケース込み:約32時間(ANCで約24時間) |
イヤホン単体:約8時間(ANCで6時間) ケース込み:約24時間(ANCで約18時間) |
イヤホン単体:約7時間(ANCで6時間) ケース込み:約21時間(ANCで約18時間) |
充電方式 | USB-C / ワイヤレス充電 | USB-C / ワイヤレス充電 | USB-C / ワイヤレス充電 |
防水規格 | IPX5 | IPX4 | IPX4 |
イヤーチップ | 3種類 | 3種類 | 5種類 |
ANC | モード切り替えなし | 3つのモード搭載 | 3つのモード搭載 |
外音取り込み | 2つのモード搭載 | 2つのモード搭載 | 2つのモード搭載 |
接続方式 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.1 | Bluetooth 5.0 |
対応コーデック | SBC / AAC | SBC / AAC | SBC / AAC |
ドライバー | 6.8mm | 6.8mm | 11mm |
価格 | 25,300円 | 22,800円 | 17,800円 |
ドライバー径はLIVE PRO+のほうが大きくCLUB PRO+とは同じ、防水性能はアップしているなど若干の違いはあるものの、全体的には大きく変わりません。
ただ、TOUR PRO+ TWSだけANCのモード切替がなく、ノイキャン性能自体もほどほどです。
本機はサイズ感が大きく最重量ですが、装着感は非常に安定し、装着性はナンバーワンだと感じました。
音質面も厚みや粒の細かさがすばらしく、いろいろな角度から音を楽しめる仕上がり。
以上をふまえると、ANC・低音重視の方はLIVE PRO+ TWS、音質にとことんこだわりたい方はTOUR PRO+ TWS、両者のバランスをとる方はCLUB PRO+ TWSといった選び分けがおすすめです。
音質面ではもちろんCLUB PRO+も良い出来ですが、よりクリアで聴こえ方が気持ちいいTOUR PRO+のほうが僕は好みでした。
JBL TOUR PRO+ TWSのレビュー
JBL TOUR PRO+ TWSの特徴を紹介していきます。
充分なバッテリー性能かつワイヤレス充電に対応
JBL TOUR PRO+ TWSは、日常使いには充分なバッテリー性能です。
イヤホン単体では約8時間(ANCで6時間)、ケースふくめ約32時間(ANCで24時間)となっています。
ケース底面には汎用性の高いUSB Type-Cの充電ポートをそなえ、10分の充電で1時間駆動できるクイック充電にも対応。
置くだけで充電が可能なワイヤレス充電にも対応し、充電まわりは抜かりなしです。
機能満載の専用アプリ
専用アプリ「My JBL Headphones」は以下の機能がそろい、かなり充実しています。
- さまざまなモード切り替え
- イヤホンを見つける機能
- イコライザー設定
- タッチ操作カスタマイズ
- マイアラームとサイレントナウ
ダッシュボード画面では、イヤホンとケースのバッテリー残量確認や各種モードの切り替えが可能です。
外音取り込みは、音量キープで周囲音を拾う「アンビエントサウンド」と、音量を下げて拾う「トークスルー」の2種類を搭載しています。
オーディオ設定は接続重視の「ノーマル」、音質重視の「オーディオモード」、低遅延重視の「ビデオモード」と3種類が用意されています。
また、イヤホンを見当たらないときに重宝する「イヤホン本体を見つける」機能もあります。
左右それぞれのイヤホンイラストをタップすると、対応するイヤホンから軽いブザー音が鳴り、音の所在で場所を探ることができます。
EQ設定ではプリセットにくわえ、自分好みのイコライザーにも調整可能です。
マイEQでは、14バンドでなめらかに無段階調整でき、かなり細かく合わせることができます。
ボーカルの声をクリアにして美声に浸ったり、低音強めのベース音にノッたりと、あらゆる角度から音楽を楽しめます。
タッチ操作画面では、左右イヤホンの操作を「再生コントロール」「アンビエントサウンドの操作」「音量コントロール」「ボイスアシスタント」の4つから設定できます。
デフォルトでは左耳「アンビエントサウンド操作」、右耳「再生コントロール」であり、音量調整ができないものの、操作アクションの選択肢として選べます。
ただ、4つのうち「音声コントロール」「再生コントロール」「アンビエントサウンド操作」は欠かせないにも関わらず、音声コントロールを選ぶと残り1つしか選べないので、ここはなんとかして欲しかった点です。
また少し変わった機能として、快適な睡眠を促してくれる「マイアラーム」と「サイレントナウ」も搭載。
平たく書くと「音楽の停止時間も決められるアラーム」です。
音楽を聴きながら眠り、途中からは音楽が停止してANCだけが効いた状態になり、起床時間にはイヤホンからアラームが鳴ります。
それにより、音楽を楽しみながら、朝まで静寂の中眠れるという、一見とても良さそうなアラーム機能。
とはいえ、耳からイヤホンが取れてしまう心配や、音楽が停止した瞬間に「サイレントナウ」のアナウンスがされる点が気になり、実用的ではないかなというのが正直な感想です。
ほどほどのANCと優秀な外音取り込み
JBL TOUR PRO+ TWSのANC性能は、少し控えめです。
ANCをオンにすると、人の話し声やタイピング音、車の走行音が若干遠くなるくらいで、ノイズ低減効果としてはまずまず。
ただ、オフィス内の空調音や外出時の風切り音はわりと打ち消してくれるので、ノイキャン効果はそこそこ感じます。
イヤホン自体の遮音性がそもそも高く、音楽を再生すれば周りの音が気にならないレベルなので、トータルの没入感は充分。
外音取り込みには、音量キープで周囲音を拾うアンビエントアウェアと、音量を下げて拾うトークスルーの2種類があります。
イヤホンをつけたままで自然な会話ができ、コンビニやスーパーでの買い物は全く問題なく、外音取り込みの性能はかなり優秀です。
粒の細かさと音の厚みを感じる上質サウンド
JBL TOUR PRO+ TWSは少し重ためのイヤホンながら、イヤーチップとエンハンサーの合わせ技で耳におさまり、非常に安定感があります。
イヤーチップだけで支えているわけではないので、長時間使用でも耳の負担が小さく快適です。
表面はタッチセンサー式で、操作認識で「ポンッ」と柔らかい音が鳴る設計。
操作 | L | R |
---|---|---|
再生 | ― | 1タップ |
停止 | ― | 1タップ |
曲送り | ― | 2タップ |
曲戻し | ― | 3タップ |
ANC / アンビエントアウェア / OFF | 1タップ | ― |
トークスルーON / OFF | 1タップ | ― |
音声アシスタント | 長押し | 長押し |
受話 | 着信中に2タップ | 着信中に2タップ |
通話終了 | 通話中に2タップ | 通話中に2タップ |
JBL TOUR PRO+ TWSで特筆すべきは、なんといっても音質の素晴らしさ。
エコーがあまりなく、クリアで洗練された音が次々と流れ込んできます。
音の粒が細かく、コーラス一人一人の声までしっかり聞こえるほど。
音にこもった感じがないため、通話やYouTube鑑賞も非常に快適です。
音の厚みもすごく、縦に分厚く迫力が伝わってくる感じ。
ボーカル音をクリアに捉えつつ、低音もしっかり響くため、高いレベルでバランスされた音質設計に仕上がっています。
さらにイコライザー設定で音を自分好みに調整可能なため、隅から隅まで音楽を堪能できます。
JBL TOUR PRO+ TWSはこんな人におすすめ
JBL TOUR PRO+ TWSは「ANCはそこそこで、音質と外音取り込みにこだわりたい人」におすすめです。
音にこだわりたい方にはぴったりの、重厚な低音から伸びやかな高音、ボーカルの解像度まで文句のない仕上がりになっています。
ただし、ANCはそこまで強くないため、車通りの多い場所や電車利用などのシーンでは性能を生かしきれないかもしれません。
同社の中でANC・低音重視の人はLIVE PRO+ TWS、予算を上げて音質面をさらに高めたい人はSONY WF-1000XM4がおすすめです。
JBL TOUR PRO+ TWSレビューまとめ
本記事は「【JBL TOUR PRO+ TWSレビュー】粒が細かくクリアで上品なサウンドを堪能できるANC搭載完全ワイヤレスイヤホン」について書きました。
JBL TOUR PRO+ TWSは安いとはいえない価格ながら、弱点らしい弱点もない、使い勝手のいいワイヤレスイヤホンです。
新しいモノ好きにはたまらない、アプリを使ったさまざまな機能も魅力の一つ。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。
- 安定した装着感
- 外音取り込みが優秀
- 装着検知センサー搭載
- 機能が豊富な専用アプリ
- クリアで上品なサウンド
- 少し重ため
- ANCが控えめ
- ボタン割り当てにクセがある
- apt-X非対応