ワイヤレスイヤホンの音質にこだわるマクリン(
沈み込む低音・伸びのある高音・粒の細かさなど、音質の指標はいろいろあり、高音質といえるモデルは1万円台にも見られるようになりました。
しかし、音がさまざまな方向から鳴っているのを感じられるイヤホンは、高級ワイヤレスを除くとなかなか多くありません。
そんななか、1万円ちょっとで音の広がりを感じられるモデルが「Edifier W320TN」です。
若干粗さが残るものの、低音シフトで爽快なサウンドは価格からは考えられない完成度。
IP54の防水防塵やマルチポイントにまで対応し、機能面も抜かりありません。
ANCオン時に単体3.5時間のバッテリーやワイヤレス充電が非対応さえ目をつむれば、かなり使い勝手の良いイヤホンです。
そこで本記事ではEdifier W320TNをレビューしていきます。
- 広がりと立体感あるサウンド
- 快適な装着感
- IP54の防水防塵
- LDACコーデック対応
- マルチポイント対応
- 中強度のANC
- 自然な外音取り込み
- バッテリーが短め
- 少し粗めのサウンド
- 反応速度が遅め
- AACコーデック非対応
- ワイヤレス充電非対応
本記事はEDIFIER様から商品を提供いただき作成しています。
タップできるもくじ
EDIFIER W320TNの概要
「Edifier W320TN」は防水・防塵仕様(IP54)の完全ワイヤレスイヤホンです。
製品名 | Edifier W320TN |
---|---|
防水・防塵規格 | IP54 |
接続方式 | Bluetooth 5.3 |
対応コーデック | SBC / LDAC |
重量(イヤホン / ケース込み) | 約8g / 約50g |
バッテリー駆動時間 (上)イヤホン (下)ケース込み |
最大5.5時間(ANCで3.5時間) 最大27.5時間(ANCで17.5時間) |
ドライバー | 13mmドライバー |
充電方式 | USB-C |
装着検出機能 | |
ANC | |
外音取り込み | |
専用アプリ | |
マルチポイント | |
価格 | 13,990円 |
ラインナップはグレーとアイボリー(白)の2色で、どちらも光沢感がありポップさを感じるカラーリングです。
イヤホンは灰一色の筐体にブランドロゴが映える、シンプルなスティック形状です。
軸部分はAirPods Pro 2より少し長めで、若干の「耳からうどん感」があります。
左右計6つのマイクを搭載し、AIアルゴリズムにより外部環境に応じてノイズを低減してくれます。
耳からの脱着にともなって自動で音楽再生・停止する装着検出センサーをそなえ、アプリからON/OFFも可能です。
ケースはツルッとしてプラスチック感が強い一方、裏面のワンポイントの銀色とロゴがそれを補う上質さを感じさせます。
重量はイヤホン単体で約8gとかなりの軽量モデルで、ケースをふくめても約50gです。
手のひらに乗せると一見大きく感じるものの、厚みはないので見た目ほどのボリューム感はありません。
付属品は、イヤホン本体とUSB Type-C to Cケーブルです。
EDIFIER W220T・NeoBuds Proとのスペック比較
Edifier W320TNと前モデル「EDIFIER W220T」「EDIFIER NeoBuds Pro」との比較は以下のとおりです。
左スライドで全表示
製品名 | Edifier W320TN |
Edifier W220T |
EDIFIER NeoBuds Pro |
---|---|---|---|
防水規格 | IP54 | IP54 | IP54 |
接続方式 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.0 |
対応コーデック | SBC / LDAC | SBC / aptX / aptX Adaptive | SBC / AAC / LHDC / LDAC |
重量(イヤホン / ケース込み) | 約8g / 約50g | 約9g / 約41g | 約10g / 約37g |
バッテリー駆動時間 (上)イヤホン (下)ケース込み |
最大5.5時間(ANCで3.5時間) 最大27.5時間(ANCで17.5時間) |
最大6時間 最大24時間 |
最大6時間(ANCで5時間) 最大24時間(ANCで20時間) |
ドライバー | 13mmドライバー | 13mmドライバー | 10mmドライバー Knowles製バランスド・アーマチュアドライバー |
充電方式 | USB-C | USB-C | USB-C |
装着検出機能 | |||
ANC | |||
外音取り込み | |||
専用アプリ | |||
マルチポイント | |||
価格 | 13,990円 | 13,990円 | 7,990円 |
NeoBuds Proはハイエンド機で、音質・ANCともに同社No.1の性能をほこります。
それはデザイン面にも表れ、近未来感あふれる独特の外観を有しています。
しかし、装着検出センサー・マルチポイントは非搭載のため、それらを求めるなら音質・ANCも準ずるレベルのEdifier W320TNがおすすめです。
W220TはさらにANC・外音取り込みにも非対応で、エントリーモデルが欲しい人向け。
一方Snapdragon Sound対応であるため、XiaomiなどのAndroidスマホを持つ人も選択肢に入れていいでしょう。
aptX Adaptiveの96kHz/24bit(ハイレゾ)再生や低遅延などをサポートする、米クアルコム開発のオーディオソリューション。
EDIFIER W320TNのレビュー
Edifier W320TNの特徴を紹介します。
バッテリー性能は控えめでワイヤレス充電非対応
バッテリーはイヤホン単体で最大5.5時間、ケースふくめ最大27.5時間です。
ANCオンだと単体3.5時間・ケース込み17.5時間と短く、連続使用には心もとないかもしれません。
充電方法はUSB Type-Cのみでワイヤレス充電には非対応ですのでご注意ください。
2台に同時接続できるマルチポイント
本機は同社のフルワイヤレス初のマルチポイント対応モデルです。
ノートPCとスマホなど、複数のBluetooth対応機器に同時接続できる機能。接続先をいちいち切り替えることなく、音声再生側のデバイスに自動で切り替わります。
2台同時接続するには、イヤホンをケースに収め、開けた状態で背面のボタンを3秒長押ししましょう。
するとペアリングモードに入るので、接続したいデバイスのBluetooth設定画面から追加すればOKです。
シンプルで使いやすい専用アプリ
専用アプリ「Edifier Connect」では以下の操作が主に可能です。
- ANC・外音取り込み設定
- イコライザー設定
- ピンチ操作のカスタマイズ
- ゲームモード
- 装着検出設定
- プロンプトボリューム
- findEarPhone
ダッシュボード画面では、イヤホン・ケースのバッテリー残量を確認できます。
イコライザーは4種のプリセットが用意され、カスタマイズ不可のシンプル設計です。
制御設定では「2ピンチ」「3ピンチ」「長押し」のピンチ操作を変更できます。
動画に対する音声の遅延を約80ms(0.08秒)に抑える「ゲームモード」のON/OFFも可能です。
自然音や動物の鳴き声などのリラックス音を再生できる「Soothing sounds」も用意されています。
「装着検出」はON/OFFだけでなく、外すとき・つけるときの操作もそれぞれ変更可能です。
ほかにも反応音の大きさを調整できる「プロンプトボリューム」や、イヤホンから音を発して探すことができる「findEarPhone」にも対応しています。
中強度のANCと自然な外音取り込み
ANCは低音への効きがとくに強く、効果を充分に感じられる性能です。
車通りの激しい道路では、元のロードノイズの大きさを10とすると、ANCオンで3〜4まで抑えられるイメージでした。
一方で中高音への効きは甘く、人の話し声や鈴虫の鳴き声などは「少し小さくなったかな?」くらいの印象。
とはいえ中高音は抑えづらい音域帯ですし、価格を考慮すると充分な性能かと。
外音取り込みは、-3から3の7段階で強度を調整できます(ただ違いはあまり感じられず…)。
変なノイズもなく自然な聞こえ方のため、コンビニ会計時などピンポイントで使用するには申し分ありません。
広がりを感じられる爽快なサウンド
本機は片耳4gとマスク1枚程度の軽さで、着けているのを忘れてしまうほど。
イヤーピースのないインナーイヤー型であるため、蒸れることもなく、耳穴の圧迫感もありません。
操作は、スティック側面の凹み部分をグッと押し込む(ピンチする)ことで行います。
iPhoneのホームボタンのように押し込みをセンサーが感知して「ピッ」と音が鳴る仕様で、デフォルトの操作は以下のとおりです。
操作 | L | R |
---|---|---|
再生/停止 | 1ピンチ | 1ピンチ |
曲送り | 2ピンチ | 2ピンチ |
曲戻し | 3ピンチ | 3ピンチ |
ANC / 外音取り込み / OFF | 長押し(2秒) | ― |
音声アシスタント | ― | 長押し(2秒) |
受話 | 着信中に1ピンチ | 着信中に1ピンチ |
通話拒否 | 着信中に長押し(2秒) | 着信中に長押し(2秒) |
通話終了 | 通話中に1ピンチ | 通話中に1ピンチ |
操作性・カスタマイズ性は悪くないものの、反応の遅さはかなり気になるレベルでした。
ANCをオンにすると「Adaptive Noise Cancellation」とアナウンスが流れた後に「ポンポンッ」と反応音が流れ、その後ようやくANCがオンになります。
音質は、1万円台とは思えない広がりと立体感のあるサウンドです。
POPS & ROCKに適したイヤホンは数多くあれど、音の広がりまで感じられるモデルはそう多くはありません。
そんななか本機は、1万円台前半ながら上下左右に広がるサウンドを再現し、上質な立体感を演出。
ポンポンと飛び出す音が非常に爽快で、とにかく聴いてて楽しい設計です。
バランスは低音寄りで、ベースがゴリゴリの曲だと味があってめちゃくちゃクールです。
気になるのはそれぞれの音が粗く、少しノイズ感があることくらいで、透き通るような中高音を堪能するには適していません。
EDIFIER W320TNはこんな人におすすめ
Edifier W320TNは「広がりのある音を手軽に楽しみたい人」におすすめです。
この価格で音の広がりや立体感をここまで再現しているモデルはほとんどありません。
マスク1枚ほどの軽さから装着感もよく、防水防塵性能(IP54)のおかげで使用シーンを問いません。
マルチポイントにも対応し、機能面は盤石です。
バッテリーの短さ・ワイヤレス充電非対応を許容できるなら、充分に選択肢に入るモデルです。
これらをすべて求めるなら、同価格帯だとSoundcore Liberty 4 NCやJBL LIVE PRO 2あたりが良いでしょう。
EDIFIER W320TNレビューまとめ
本記事ではEdifier W320TNをレビューしました。
音質・ANC・外音取り込みはいずれも高い完成度で、装着感や防水防塵性能にも抜かりがありません。
一部デメリットはあるものの、それを補う尖ったメリットにあふれた日常使い向けのイヤホンです。
どうも、マクリン(
- 広がりと立体感あるサウンド
- 快適な装着感
- IP54の防水防塵
- LDACコーデック対応
- マルチポイント対応
- 中強度のANC
- 自然な外音取り込み
- バッテリーが短め
- 少し粗めのサウンド
- 反応速度が遅め
- AACコーデック非対応
- ワイヤレス充電非対応