どうも、高級なANC搭載ワイヤレスイヤホンに目がないマクリン( @Maku_ring)です。
最近ではコスパの高い1万円未満のワイヤレスイヤホンも数多く出てきてますが、満足度を重視するならハイエンドモデルは外せません。
というのも、2〜3万円台のイヤホンには各メーカーの技術と叡智が詰め込まれ、その完成度が頭ひとつ抜けているからです。
WF-1000XM4やTechnics EAH-AZ60・JBL LIVE PRO 2など、各社傑作モデルをリリースし、しのぎを削っています。
そんな中、ドイツのオーディオメーカーであるSennheiserからも、本格派をも唸らせる音質を実現したフラッグシップ機「MOMENTUM True Wireless 3」がリリースされました。
惜しむらくは、3万円を超える高級モデルでありながらマルチポイント非対応なこと。
ただし、それを除けば立体感あるサウンド、快適な操作感、機能満載な専用アプリなど、弱点らしい弱点は見当たりません。
本機の音質はとくに目を見張るものがあり、ゼンハイザーの本気度が伺えるモデルに仕上がっています。
そこで本記事ではMOMENTUM True Wireless 3をレビューします。
後継モデル「MOMENTUM True Wireless 4」もレビューしました。
- 広がりが心地よいサウンド
- aptX Adaptive対応
- 機能満載の専用アプリ
- 同社最高のANC性能
- 実用的な外音取り込み
- ワイヤレス充電対応
- マルチポイント非対応
- 操作ボタン変更にクセあり
タップできるもくじ
Sennheiser MOMENTUM True Wireless 3の概要
「MOMENTUM True Wireless 3」は生活防水仕様(IPX4)の完全ワイヤレスイヤホンです。
製品名 | MOMENTUM True Wireless 3 |
---|---|
防水・防塵規格 | IPX4 |
接続方式 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive |
重量 | イヤホン約11g / ケース込み約74g |
バッテリー(最大) | イヤホン単体:約7時間 ケース込み:約28時間 |
ドライバー | 7mmダイナミックドライバー |
充電方式 | USB-C |
装着検出機能 | |
ANC | |
外音取り込み | |
専用アプリ | |
マルチポイント | |
価格 | 39,930円 |
イヤホンは黒一色のカラーリングに控えめなロゴが添えられ、落ち着いた雰囲気のデザインです。
ただし、前モデルのMOMENTUM True Wireless 2(MTW 2)にあったヘアライン加工が、ロゴ部分に限定されてシンプルになり、高級感が控えめになった感は否めません。
4基のビームフォーミングマイクで声を集音、2基のイヤーチャンネルマイクで集音性能を高め、雑音の中でもクリアな音声を届け、すぐれた通話性能を発揮します。
ケース素材はMTW 2と同様、丁寧に織り込まれたファブリック調で、手なじみがよくて滑りにくいので実用性は高いです。
イヤホン単体は約11gと標準的な重さですが、ケースをふくめると約74gと、少しずっしり感じます。
ケースの大きさは約45 x 70 x 35mmと、AirPods Proよりひと回り以上大きいサイズ感。
とはいえ、MTW 2より小さくなっており、手に持った印象もコンパクトになりました。
付属品はイヤホン本体とイヤーチップ(XS/S/M/L)、イヤーフィン(S/M/L)、USB C to Aケーブルです。
MOMENTUM True Wireless 2・CX Plus True Wirelessとのスペック比較
同社の「MOMENTUM True Wireless 2(MTW 2)」「CX Plus True Wireless」との比較は以下のとおりです。
左スライドで全表示
製品名 | MOMENTUM True Wireless 3 |
MOMENTUM True Wireless 2 |
CX Plus True Wireless |
---|---|---|---|
防水規格 | IPX4 | IPX4 | IPX4 |
通話性能 | マイク6基 | マイク4基 | マイク4基 |
接続方式 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.1 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive | SBC / AAC / aptX | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive |
ハイレゾ相当音源 | (96kHz/24bit) | (48kHz/24bit) | |
重量(イヤホン / ケース込み) | 約11g / 約74g | 約12g / 約70g | 約12g / 約47g |
バッテリー(最大) | イヤホン単体:約7時間 ケース込み:約28時間 |
イヤホン単体:約7時間 ケース込み:約28時間 |
イヤホン単体:約8時間 ケース込み:約24時間 |
ドライバー | 7mmダイナミックドライバー | 7mmダイナミックドライバー | 7mmダイナミックドライバー |
充電方式 | USB-C / ワイヤレス | USB-C | USB-C |
装着検出機能 | |||
ANC | (自動調整) | ||
外音取り込み | (アプリで調整可能) | ||
イヤーフィン | |||
専用アプリ | |||
マルチポイント | |||
価格 | 39,930円 | 26,980円 | 21,780円 |
見た目以上にその中身は大幅に進化しています。
まず、Bluetoothが5.1から5.2にアップしているのにくわえ、音やペアリングが途切れにくいLDSアンテナも採用し、つながりやすさに配慮されています。
本機はBluetoothチップ以外にDSPチップも搭載し、こちらでノイズキャンセリングとDAC機能を制御することで、同社最高のANCと音質を両立しています。
音質コーデックはCX Plus True Wirelessと同様、aptX Adaptiveに対応していますが、より高解像の音源である「96kHz/24bit」までサポートしています。
MTW 2と比べても、原音に忠実な音質設計はそのままに、より立体的で広がりを感じるサウンドへと進化し、音の解像度もアップしています。
装着性はイヤーフィンのおかげで高く、充電面もワイヤレス充電対応で便利になっています。
全方面でブラッシュアップしているので、本機が基本的におすすめですが、MTW 2と価格のバランスを見て判断するといいでしょう。
また、CX Plus True Wirelessとは音質の傾向がまったく異なります。
CX Plusは少しエコーがかったライブ音源のような臨場感を楽しめる一方、本機は広がりのある澄んだサウンドが心地よく「いろいろな曲を聞いてみたい」という欲求をかき立ててくれます。
音の再現性も高く、クリアさや厚みもそなえているので、音質は間違いなく本機に軍配があがるでしょう。
MOMENTUM True Wireless 3のレビュー
MOMENTUM True Wireless 3の特徴を紹介していきます。
標準的なバッテリー性能だがワイヤレス充電に対応
バッテリーはイヤホン単体で最大7時間、ケースふくめ最大28時間と、標準的な性能です。
カラの状態からでも1時間半でフル充電でき、10分の充電で1時間使用できる急速充電にも対応しています。
ケース背面にはUSB Type-Cポートを搭載しています。
さらには同社初のワイヤレス充電にも対応し、充電まわりは抜かりなし。
機能満載の専用アプリ
専用アプリ「Smart Control」は以下の機能がそろい、かなり充実しています。
- 接続端末管理
- イコライザー設定
- Sound Check設定
- 外音取り込みモード設定
- ノイズキャンセリング設定
- Sound Zones設定
- 操作ボタン設定
- 装着センサー設定
ダッシュボードではバッテリー容量を確認でき、各設定への起点となっています。
接続管理では、イヤホンに接続済みの端末を一覧で確認できます。
ただし、マルチポイントには非対応で、接続端末の変更しかできないので注意ください。
イコライザー設定ではプリセットから選択でき、好みの音質にカスタマイズも可能です。
カスタム内容にはサウンドモードもふくまれ、低音強化の「バスブースト」と話し言葉特化の「ポッドキャスト」という2つのモードをオンオフできます。
自分で音質を調整するのがわずらわしい人は、3つのパターンから好みの音質にしぼれる「Sound Check」なんかもあります。
めずらしい機能として、あるエリアを出入りする際にサウンドを自動変更する「Sound Zones」が用意されています。
地図上でポイントとそこからの半径エリアを指定すると、そこを出入りするときにノイキャンやイコライザーを自動で変更してくれます。
タッチコントロールでは、各イヤホンの「1タップ」「2タップ」「3タップ」「長押し」をカスタマイズできます。
ただし「音量調整は長押しにしか割り当てられない」のと「ノイキャンと外音取り込みがモード切り替えではなく、異なるボタンにしか操作できない」のはちょっともったいないと感じました。
その他にも装着センサーをオンオフできる「スマートポーズ」や、自動着信・自動電源オフ・接続コーデックの確認など、機能はなかなか充実しています。
安定感のある装着性と快適な操作性
イヤーフィンの恩恵で装着性は安定し、首を振っても落ちない安心感があります。
イヤホン表面はタッチセンサーになっており、以下の操作が可能です。
操作 | L | R |
---|---|---|
再生/停止 | ― | 1タップ |
曲送り | ― | 2タップ |
曲戻し | 2タップ | ― |
音量を上げる | ― | 長押し |
音量を下げる | 長押し | ― |
外音取り込み / OFF | 1タップ | ― |
ANC / OFF | 3タップ | ― |
音声アシスタント | ― | 3タップ |
受話 | 着信中に1タップ | 着信中に1タップ |
通話拒否 | 着信中に2タップ | 着信中に2タップ |
通話終了 | 通話中に1タップ | 通話中に1タップ |
タップしていくと「ピ・ポ・パ」と音が変わるので、何回タップしているかが分かりやすく、操作感も心地よいです。
タップしてからの反応も速く、基本的な操作性は申し分ありません。
ただ一つ不便なのが、前述のとおりノイキャンと外音取り込みの操作が別になっていること。
たとえば、外音取り込みをオンにしたい場合は1タップ、ノイキャンをオンにしたい場合は3タップなど、必要な操作が異なるので慣れが少し大変です。
同社最高のANCと実用的な外音取り込み
本機のANCは「風切音の防止」「オン」という2つのモードを搭載し、前者は風切り音を抑制し、後者は周りの環境音に合わせてANCレベルを自動調整できるようになっています。
「音質を損なうレベルのANCは望ましくない」という考えから、同社はもともとフィードフォワード式を採用していました。
しかし、MTW 3ではプロセッサを二基搭載することで、フィードフォワードとフィードバックを合わせたハイブリッド方式を採用し、音質を損なわずに高いレベルのノイキャンを実現。
その触れ込みどおり、その性能は着実にアップし、同社のなかではもっとも強力な遮音性能を発揮しています。
ただし、それでもANC性能は若干控えめで、イヤホン自体の物理的な遮音性でそれをカバーしている印象です。
SONY WF-1000XM4の強度を10とすると、8くらいのイメージかと。
外音取り込みは、音楽を止めない「With Music」と停止する「Pause Music」という2つのモードをそなえています。
自然で実用的なレベルに仕上がっています。
静かな場所で使うとホワイトノイズが気になるものの、音を変に強調している感じはなく、お店や街中で使用する分には気になりません。
AirPods Proのナチュラルさには一歩及ばないものの、充分なレベルの完成度をもっています。
立体的な広がりが心地よいサウンド
MOMENTUM True Wireless 3は立体的な広がりがとにかく心地よいサウンドに仕上がっています。
低音が若干強めでグイグイ響きながらも、量感は絶妙なラインで抑えられているため、全体的なバランスはちょうどいいです。
ボーカル音の解像度も高く、目を閉じて聴いていると、すぐそばで歌っていると錯覚するレベルの現実感があります。
エコーが少なく、本来の音が忠実に再現され、音の震えや発音もかなりリアルに感じられます。
分離感がよく再現性も高いので、低音~高音まで細やかな音を堪能できるのも大きな特徴。
音質面は非の打ちどころがなく、音の綺麗さ・ナチュラルさ・クリアさ・立体感と、どれをとっても一級品です。
MTW 2と比べてクリア感がさらに増し、繊細な音表現に長けているので、ジャンルを選ばず楽しめるイヤホンに進化しています。
SONY WF-1000XM4と比較すると「MTW 3のほうが若干低音寄り」「SONYのほうがややクリア」「MTW 3のほうが音場がやや広い」といった具合で、甲乙つけがたい印象です。
MOMENTUM True Wireless 3はこんな人におすすめ
MOMENTUM True Wireless 3は「立体感と広がりが心地よいサウンドを楽しみたい人」におすすめです。
音の再現性も高く、そのナチュラルさやクリアさなど、音質面はかなり高い仕上がりです。
ANC性能は超強力ではないですが、イヤホンの遮音性が高く、トータルの没入感は悪くないので、マルチポイント非対応以外は大きなデメリットは見当たりません。
高級感という点では少々物足りない部分はありますが、同社のなかでは間違いなくナンバーワンの完成度です。
MOMENTUM True Wireless 3レビューまとめ
本記事は「ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 3をレビュー!音の広がりが心地よい渾身の完全ワイヤレスイヤホン」について書きました。
MOMENTUM True Wireless 3は、価格に見合う機能の豊富さや音質の完成度を持つイヤホンです。
本機のサウンドはとくに目を見張るものがあり、ゼンハイザーの本気が伺えるモデルに仕上がっています。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。
- 広がりが心地よいサウンド
- aptX Adaptive対応
- 機能満載の専用アプリ
- 同社最高のANC性能
- 実用的な外音取り込み
- ワイヤレス充電対応
- マルチポイント非対応
- 操作ボタン変更にクセあり