評価:5
どうも、ハイエンドイヤホンに目がないマクリンです。
最高クラスの音質を求めるなら、各社のフラッグシップ機である3万円超えのフルワイヤレスは外せません。
ソニーからはWF-1000XM5、パナソニックからTechnics EAH-AZ80、BoseはQuietComfort Ultra EarBudsと傑作モデルを各社リリースし、しのぎを削っています。
そんななか、ドイツのオーディオメーカーSennheiserからもフラッグシップ機「MOMENTUM True Wireless 4」が登場しました。
本機はツヨツヨだった前作「MOMENTUM True Wireless 3」と比べても、音質・ANC・外音取り込み全てでさらにパワーアップしています。
とくに音質はフルワイヤレス界トップクラスで、その自然で繊細なつくりは右に出るものがないほど。
マルチポイント対応・IP54の防水/防塵仕様・aptX Lossless・LC3コーデック追加などスペック面も盤石。
そこで本記事ではMOMENTUM True Wireless 4をレビューします。
- 繊細で自然なサウンド
- マルチポイント対応
- 使いやすい専用アプリ
- 同社最高のANC性能
- 実用的な外音取り込み
- 防水・防塵仕様(IP54)
- 高音質コーデック対応
- 操作割り当てにクセあり
タップできるもくじ
Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4の概要
「Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4」は防水・防塵仕様(IP54)の完全ワイヤレスイヤホンです。
製品名 | Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4 |
---|---|
防水・防塵規格 | IP54 |
接続方式 | Bluetooth 5.4 |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive / aptX Lossless / LC3 |
重量 | イヤホン約13g / ケース込み約78g |
最大バッテリー (上)イヤホン単体 (下)ケース込み |
約7.5時間(ANCで7時間) 約30時間 |
ドライバー | 7mmダイナミックドライバー |
充電方式 | USB-C / ワイヤレス |
装着検出機能 | |
ANC | |
外音取り込み | |
専用アプリ | |
マルチポイント | |
Auracast | 対応予定 |
Snapdragon Sound | |
価格 | 49,940円 |
カラーはホワイトシルバー・ブラックグラファイト・ブラックコッパーの3種類で、どれも気品漂うシックなデザインです。
イヤホンはタッチ面に刻まれたロゴが目を引き、マットホワイトのボディに艶やかなシルバーがよく映えています。
ノイズリダクションを搭載したマイクを左右に3つずつそなえ、通話時のノイズをおさえて自分の声をより大きくクリアに届けてくれます。
耳からの脱着にともなって音楽再生・停止する装着センサーも搭載です。
ケース素材は丁寧に織り込まれたファブリック調で、イヤホンケースとは思えない外観と手なじみが、所有欲を存分に満たしてくれます。
開けるときの抵抗感もほどよく、細かいところにまでこだわりを感じる設計です。
ケースは高さがあるので、ポケットに入れるとややボリューム感があるかもしれません。
重量はイヤホン単体で約13g、ケースふくめ約78gと標準的な重さです。
付属品はイヤホン本体とイヤーチップ(XS/S/M/L)、イヤーフック(S/M/L)にUSB C to Aケーブルです。
MOMENTUM True Wireless 3とのスペック比較
前作「MOMENTUM True Wireless 3」との比較は以下のとおりです。
左スライドで全表示
製品名 | MOMENTUM True Wireless 4 |
MOMENTUM True Wireless 3 |
---|---|---|
防水規格 | IP54 | IPX4 |
接続方式 | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive / aptX Lossless / LC3 |
SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive |
重量(イヤホン / ケース込み) | 約13g / 約78g | 約11g / 約74g |
バッテリー (上)イヤホン本体 (下)ケース込み |
最大7.5時間(ANCオンで7時間) 最大30時間 |
最大7時間 最大28時間 |
ドライバー | 7mmダイナミックドライバー | 7mmダイナミックドライバー |
充電方式 | USB-C / ワイヤレス | USB-C / ワイヤレス |
装着検出機能 | ||
ANC | ||
外音取り込み | ||
専用アプリ | ||
マルチポイント | ||
Auracast | 対応予定 | |
Snapdragon Sound | ||
価格 | 49,940円 | 39,930円 |
外観はほぼ同じですが、中身は大幅に進化しています。
Bluetoothは最新規格のBluetooth 5.4に対応し、IP54で防塵性能も追加されました。
さらにはハイレゾ再生をサポートするSnapdragon Soundに対応し、Auracast・LE Audioに対応予定と、最新機能満載の垂涎モデルです。
空港や映画館など、公共施設の音声も自身のイヤホンから聞けるようにする次世代Blutoothの新機能です。
音質やノイキャンにももちろん抜かりはありません。
音質面は、すでに非の打ちどころがなかった前作からさらに磨きをかけ、より繊細で自然なサウンドに正統進化しています。
ANCは強度アップを実感でき、外音取り込みも自然さがグッと増しました。
これから買うならMOMENTUM True Wireless 4一択でしょう。
Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4のレビュー
MOMENTUM True Wireless 4の特徴を紹介していきます。
バッテリー性能は標準的でワイヤレス充電対応
連続使用時間はイヤホン単体で最大7.5時間(ANCオンで7時間)、ケースふくめ最大30時間です。
ケース前面にUSB Type-Cの充電ポートをそなえ、8分の充電で1時間再生できる急速充電にも対応しています。
切り替えが便利なマルチポイント対応
本機は、2台のデバイスに同時Bluetooth接続できるマルチポイントに対応しています。
「スマホとタブレット」や「スマホとPC」など、複数の機器を利用する際にとても助かる機能です。
使いやすくて機能豊富な専用アプリ
専用アプリ「Sennheiser Smart Control」は主に以下の機能があります。
- 接続機器管理
- イコライザー設定
- タッチ操作カスタマイズ
- ノイキャン・外音取り込み設定
- サウンドゾーン設定
- 低遅延・高解像度設定
- 装着センサーON/OFF
ダッシュボードでは充電状態を確認でき、各機能への起点となっています。
イコライザー設定では自在なカスタマイズだけでなく、好みの音質に自動設定する「サウンドパーソナライゼーション」も用意されています。
タッチコントロールでは、各イヤホンの「1タップ」「2タップ」「3タップ」「長押し」をカスタマイズ可能です。
ノイキャンは「風切り音の防止」モードも用意され、トランスペアレントモード(外音取り込み)は強度まで自在に調整できます。
あるエリアを出入りする際にサウンドを自動変更する「サウンドゾーン」なんかもあります。
ハイレゾを楽しめる「高解像度」やゲームに適した「低遅延」への切り替えも可能です。
ほかにも接続コーデックの確認や装着センサーをオンオフできる「スマートポーズ」など、機能はかなり充実してます。
さらにはダッシュボードに表示する機能をカスタマイズできる機能まで用意されています。
大幅に進化したANCと外音取り込み
ANCは前作MTW3から大幅なアップデートを遂げ、かなりの強度となりました。
効きづらかった中高音域はとくに進化し、実用的なレベルとなっています。
周囲のノイズにあわせて自動調整してくれるため、細かい設定も不要です。
BOSE QuietComfort Ultra EarBudsやSONY WF-1000XM5などANC性能がひときわ光るモデルと比べると、ひと回り劣ります。
とはいえ同価格帯の平均レベルの強度ですし、音質重視でここまでの強度を実現したのは同社の技術あってのことでしょう。
ゼンハイザーは「音質を損なうレベルのANCは望ましくない」という考えのもと、音質を損なわずに高いレベルのノイキャンを目指しています。
外音取り込みはとても自然で、イヤホンを装着したまま会話をしても違和感がありません。
MTW3に比べてホワイトノイズも抑えられていますし、音が刺さることもなく、使用感はかなり良好です。
広がりと繊細さを堪能できる極上サウンド
筐体・イヤーフック・イヤーチップでがっしりと耳に固定され、装着時の安定感はかなり高いです。
人間工学に基づいたデザインと柔らかいシリコン製イヤーチップがこだわりポイントで、長く聴いても耳が疲れません。
マイナス面を強いて挙げるなら、耳穴の圧迫感が少し強めという程度。
イヤホン表面はタッチセンサーになっており、以下の操作が可能です。
操作 | L | R |
---|---|---|
再生/停止 | ― | 1タップ |
曲送り | ― | 2タップ |
曲戻し | 2タップ | ― |
音量を上げる | ― | 長押し |
音量を下げる | 長押し | ― |
ノイズキャンセリング | 3タップ | ― |
外音取り込み | 1タップ | ― |
音声アシスタント | ― | 3タップ |
受話 | 着信中に1タップ | 着信中に1タップ |
通話拒否 | 着信中に2タップ | 着信中に2タップ |
通話終了 | 通話中に1タップ | 通話中に1タップ |
タップしていくと「ピ・ポ・パ」と音が変わり、今何回タップしているかが分かりやすい仕様です。
反応感度もタップしてからの反応速度も良く、操作性は申し分ありません。
ただし前述のとおり、ノイキャンと外音取り込みの操作が別なのがちょっと不便です。
音質は流石はゼンハイザーという出来栄えで、広がりと繊細さを堪能できる極上サウンドに仕上がっています。
本来の音を忠実に再現しているため、息遣いや音の震えまでもがリアルに感じられ、ベースやコーラス、細かい楽器音など埋もれがちな音もしっかり聴こえます。
音場は単に広いだけでなく、かなり自然かつ縦横無尽に音が広がっていくのを感じられます。
ホワッと柔らかいながらも粒が細かく繊細で、音の広がりや強弱がとても気持ちいいイヤホンです。
マイナス面を強いて挙げるなら、バランスの良い自然な音設計ゆえに「もっとボーカル強めがいい」「ドンシャリ感が弱い」と感じるシーンもある点です。
ただしこの辺りは、イコライザー設定で簡単に調整できるので全く問題なし。
Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4はこんな人におすすめ
MOMENTUM True Wireless 4は「繊細で自然な音質を堪能したい人」におすすめです。
音の繊細さ・広がり・ナチュラルさ・クリアさいずれをとっても一級品で、音質面は非の打ちどころがありません。
ANC性能は同価格帯の平均レベルであるものの、密閉感の高さからイヤホン自体の遮音性も良く、トータルの没入感は充分です。
LDAC非対応以外機能性も十分で、音質重視の人であれば買って間違いのないイヤホンです。
Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4レビューまとめ
本記事はMOMENTUM True Wireless 4をレビューしました。
本機はもともと完成度の高かった前作からさらに進化した、ゼンハイザー渾身のモデルです。
弱点らしい弱点も見当たらず、最高の音質を堪能したい人はぜひ手に取ってみてください。
どうも、マクリン(
- 繊細で自然なサウンド
- マルチポイント対応
- 使いやすい専用アプリ
- 同社最高のANC性能
- 実用的な外音取り込み
- 防水・防塵仕様(IP54)
- 高音質コーデック対応
- 操作割り当てにクセあり