どうも、ワイヤレスイヤホン大好きマクリン( @Maku_ring)です。
Bluetoothイヤホンを選ぶときに重要なスペックが「コーデック」ですが、よく分からない人も多いのではないでしょうか?
しかし、コーデックをしっかり理解しておかないと「高いイヤホンをせっかく買ったけど、コレじゃなくてもよかった……」なんてことになりかねません。
そこで本記事ではイヤホン選びで失敗しないよう、コーデックの種類や違いを分かりやすく解説していきます。
コーデックは10種類以上あるのですが、実は知っておけばいいのは4つだけ。
その理由や、イヤホンを選ぶ際の注意点も紹介していきます。
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コーデックの基礎知識
それではまず「そもそもコーデックとは何なのか?」について簡単に説明していきます。
コーデックはデータ圧縮方式のこと
コーデックとは「Bluetoothで音声データを送るときのデータ圧縮方式」の総称です。
たとえば東京から大阪に移動する場合、移動手段によって「快適さ・速さ・値段」が異なり、それぞれにメリットデメリットがあります。
- バスだと時間がかかるけど、ゆっくり寝られて安い。
- 新幹線だと値段が高いけど、速くて快適。
- 車だと高くて時間もかかるけど、プライベート空間で周りを気にしなくて済む。
この「人の移動」を音に置き換えるイメージです。
スマホやパソコンから音楽データを送る際、効率化のためにデータを圧縮して送らなければなりません。
その圧縮方式の違い(音声をどうやって運ぶか)によって「音質・音の遅延・対応端末」が異なり、それぞれに一長一短があるということです。
- SBCは音質はそこそこだけど、全ての機器に対応している。
- aptXは対応端末が限られているけど、高音質で低遅延。
- LDACは超高音質だけど、遅延が大きい。
つまり、違いを理解したうえで目的に合ったコーデックを選ぶ必要があります。
コーデックで重要な3つの要素
コーデックの違いで変わってくるのが、以下の3つの要素です。
音楽を楽しむのに重要な「音質」
まずは多くの人が一番気になる「音質」についてです。
当然ながら音楽を楽しむ際に重要な要素で「低音がしっかり響くか」「高音がよく聞こえるか」「音がクリアに聞こえるか」などの違いが表れます。
なお、音質はスマホやイヤホンの性能によっても大きく変わり、コーデックだけが音質を決めるわけではない点に注意しましょう。
ゲームや映像を楽しむのに重要な「音の遅延」
コーデックの違いで「音の遅延」も大きく変わってきます。
遅延は、スマホからワイヤレスイヤホンへ音声データを送るときに「どれだけタイムラグがなくデータをやり取りできるか」ということ。
音楽を聴くだけなら全く問題ありませんが、ゲームをしたり映像を観る場合、遅れが大きいと音声と映像のズレが気になってしまうので注意が必要です。
もっとも気をつけなければならない「対応端末」
そしてもっとも重要なのが「対応端末」。
というのも、出力側と受信側の双方が同じコーデックに対応していないと、その方式で音声を送ることができないからです。
そのため、イヤホン側はもちろん、スマホやPCなど出力側のコーデックも確認する必要があります。
コーデックは11種類もある
コーデックには各社独自の規格もあり、次のように10種類以上もあります。
コーデック | 機能 | 対応機器 |
---|---|---|
SBC | 標準的なコーデック | ほぼ全てのBluetooth対応機器 |
AAC | SBCより高音質 | 主にiPhone |
aptX | AACより高音質・低遅延 | 主にAndroid |
aptX LL | aptXより低遅延 | 主にAndroid |
aptX HD | aptXより高音質 | 主にAndroid |
aptX Adaptive | aptXより低遅延、高音質 | 主にAndroid |
aptX Voice | 音声通話用で、クリアな通話が可能 | 2021年6月時点で対応イヤホンなし |
LDAC | UATに次ぐ超高音質 | 主にソニー製スマホ(Xperia)、Android8.0以降のAndroid |
Samsung Scalable Codec | LDACと同等の超高音質 | 主にサムスン製スマホ(Galaxy) |
HWA | LDACに次ぐ超高音質 | 主にファーウェイ製スマホ |
UAT | 最も高音質 | Hiby Music独自のコーデック |
たとえばAirPods Proでも、実はSBCとAACの2種類にしか対応していません。
このように対応コーデックはかなり限られ、基本的には4つだけ把握していれば問題ありません。
代表的な4つのコーデック(SBC / AAC / aptX / LDAC)の特徴
それでは一般的に良く使われている、次の4つのコーデックの違いをくわしく見ていきます。
標準コーデックのSBC
SBCは、ほぼ全てのBluetooth対応機器に採用されている標準コーデックです。
一方で遅延が大きく、音質はそこそこというデメリットもあります。
とはいえ、近年のイヤホンでSBCにしか対応していないモデルはほぼ無く、次に紹介するAACやaptXにも対応しているのが一般的です。
Apple製品のAAC
AACは、iPhoneやMacなどのApple製品で必ず採用されているのが大きな特徴。
SBCに比べて音質が良く、遅延も小さくなっています。
そのため、Apple製品を使っている方は、AACに対応したワイヤレスイヤホンを用意するのがおすすめです。
AndroidのaptX
aptXは主に、Androidで採用されているコーデックです。
AACよりもさらに音質が良く、低遅延。
音の遅延は0.06秒とSBCの3分の1にもなり、体感では遅延をほとんど感じないほどです。
そのため、aptXに対応したAndroid端末を持っているなら、aptXに対応したワイヤレスイヤホンを使うことで、その機能を最大限生かすことができます。
SONY独自開発のLDAC
LDACは、SONYが独自開発した高音質特化のコーデックです。
SONYのXperiaだけでなく、最新のAndroid端末にも採用されています。
全てのコーデックの中でもトップレベルに音質が高いのが大きな特徴。
ただし、遅延は標準コーデックのSBCよりも大きいという難点も。
そのため、音楽を堪能するのに特化し、「ゲームや映像を楽しみたい」という方にはおすすめできません。
LDACを採用しているワイヤレスイヤホンはまだ少ないものの、ソニーの「WF-1000XM4」が対応したことで話題になっています。
コーデックの確認方法
各コーデックの違いが分かったところで、次に対応コーデックの確認方法を紹介します。
それでは各端末ごとに確認方法を見ていきます。
iPhoneの場合
iPhoneでは実のところ、対応コーデックを端末から調べることはできません。
iPhoneはSBCとAACに対応しているため、下記で考えるのがもっとも早くて簡単です。
- AAC対応のワイヤレスイヤホンならAAC
- AAC非対応のイヤホンならSBC
Androidの場合
Android端末では、対応コーデックを確認することができます。
少し複雑ですが、確認方法は以下のとおりです。
- 「設定」アプリを開き「システム」 「端末情報」と進む。
- 「ビルド番号」を7回タップして、開発者モードにする。
- 一つ画面を戻り、下の方に現れた「開発者向けオプション」を選択。
- 一番上にある「開発者向けオプション」を有効にする。
- 下の方にある「Bluetoothオーディオコーデック」をタップする。
パソコン(Mac)の場合
MacもiPhoneと同様、SBCとAACに対応しています。
一方Macでは、実際に接続されているコーデックを調べることもできます。
確認方法は以下のとおりです。
- optionキーを押しながら、上の方にあるBluetoothタブをクリック。
- 接続されているBluetoothデバイス一覧が表示されるので、調べたいイヤホンにカーソルを合わせる。
- すると、そのイヤホンと「どのコーデックで接続されているか」が分かる。
Apple製品は基本的に、SBCとAACしか対応していないと考えてOKです。
パソコン(Windows)の場合
Windows PCでも、対応コーデックを確認可能です。
ただし、確認方法が非常に複雑なため、以下のように考えるのがいいでしょう。
- Windows 8.1まで 主にSBCに対応
- Windows 10 OS標準でSBC / aptXに対応
コーデックの注意点
コーデックについて分かったところで、注意点を2つ紹介します。
出力側と受信側のコーデックを確認する
音楽を再生するときのコーデックは、スマホとイヤホンの双方が同じコーデックに対応していなければ機能しません。
例えばスマホがSBCとAACにしか対応していないと、高音質のLDACに対応したイヤホンを買ってもLDACが機能しないのです。
高音質のコーデックに自動接続される
複数のコーデックに対応している場合、もっとも高音質のものに自動接続される点にも注意が必要です。
例えばLDAC対応のスマホとイヤホンをBluetooth接続する場合、LDACに自動で接続されます。
LDACは高音質ですが遅延が大きいため、ゲームプレイや動画視聴の際に音声と映像のズレが大きくなってしまいます。
ゲームをする際には別のコーデック(SBCなど)に変更するなどのテクニックを活用すると、より快適にイヤホンを使うことができます。
コーデックの違いまとめ
本記事は「Bluetoothイヤホンの『コーデック』とはなに?『SBC / AAC / aptX / LDAC』の違いを解説!」について書きました。
- コーデックとは音声データの圧縮方式のこと
- コーデックは「SBC / AAC / aptX / LDAC」だけ把握すれば基本的には大丈夫
- コーデックは端末から確認できるものもある
- スマホとイヤホンの両方のコーデックを確認することが重要
コーデックを理解したうえで、それぞれの目的に合わせたイヤホンを選ぶようにしましょう。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。