どうも、ANC搭載イヤホンの音質は妥協できないマクリン( @Maku_ring)です。
このフルワイヤレス戦国時代を牽引しているAirPods Proですが、最近は新作が次々と登場し、選択肢は増えてきています。
そんな中、AirPodsに引けをとらない完成度のモデルが、Apple傘下のBeats「Beats Fit Pro」です。
物理ボタンの快適な操作性、つけ心地のよい装着感、音の再現が丁寧で粒の細かい音質と、完成度はかなりのもの。
ANC性能はAirPods Proにやや劣るものの、充電方式以外のスペックは上回っている部分もあります。
下位モデルのBeats Studio Budsと比べても、全方面にわたってアップデートされたモデルに仕上がっています。
そんなわけで本記事は「Beats Fit Proをレビュー!ROCK & POPSに適したサウンドと抜群の装着性・操作性をもつANC搭載完全ワイヤレスイヤホン」について書きます。
- 高い次元でバランスしたサウンド
- 高強度のANC
- 自然な外音取り込み
- つけ心地の良い装着感
- 使い勝手の良い物理ボタン
- ワイヤレス充電非対応
- ボタン操作カスタマイズが限定的
- ケース外観が少し安っぽい
- マルチポイント非対応
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Beats Fit Proの概要
「Beats Fit Pro」は生活防水仕様(IPX4)の完全ワイヤレスイヤホンです。
製品名 | Beats Fit Pro |
---|---|
防水・防塵規格 | IPX4 |
接続方式 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC / AAC |
重量 | イヤホン約11g / ケース込み約66g |
バッテリー(イヤホン / ケース込み) | 最大6時間 / 最大24時間(ANCオン時) |
充電方式 | USB-C |
装着検出機能 | |
ANC | |
外音取り込み | |
専用アプリ | (Androidアプリのみ) |
マルチポイント | (Appleデバイス間のみ対応) |
価格 | 24,800円 |
イヤホン本体は、ぴょんと伸びたウィングチップがスポーティーさを感じさせ、漆黒の筐体とくすみのある赤いロゴが大人っぽさを演出しています。
装着センサーを搭載し、耳からの脱着にともなって、自動で音楽再生・停止します。
ケースは角に丸みのあるスクエア形状なので、高さ控えめで重心が安定し、自立可能なのもうれしいポイントです。
ただし、プラスチック感の強いツルツルした質感で、値段なりの高級感はありません。
ラインナップはブラック以外に、ホワイト・ストーンパープル・セージグレイと、いずれも色の組み合わせが絶妙で、垢抜けたカラーリングとなっています。
重量はイヤホン単体で約11g、ケースふくめ約66gと標準的。
ケースの大きさは約62 x 62 x 29mmと、手のひらから少しあふれそうなサイズ感です。
AirPods Proと比べると、高さは同程度なものの、縦横はひと回り大きいといったところ。
付属品はイヤホン本体とイヤーチップ(S/M/L)、USB C to Aケーブルです。
Beats Studio BudsとAirPods Proとのスペック比較
同社の下位モデル「Beats Studio Buds」と「AirPods Pro」との比較は以下のとおりです。
左スライドで全表示
製品名 | Beats Fit Pro |
Beats Studio Buds |
AirPods Pro |
---|---|---|---|
防水規格 | IPX4 | IPX4 | IPX4 |
接続方式 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.0 |
対応コーデック | SBC / AAC | SBC / AAC | SBC / AAC |
重量 | イヤホン約11g / ケース込み約66g | イヤホン約10g / ケース込み約58g | イヤホン約11g / ケース込み約45.6g |
バッテリー(最大) | イヤホン単体:ANCで6時間 ケース込み:ANCで24時間 |
イヤホン単体:ANCで5時間 ケース込み:ANCで15時間 |
イヤホン単体:ANCで4.5時間 ケース込み:ANCで24時間 |
充電方式 | USB-C | USB-C | Lightning / ワイヤレス |
装着検出機能 | |||
ANC | |||
外音取り込み | |||
専用アプリ | (Android用) | (Android用) | |
Apple「探す」機能 | |||
Android「端末を探す」機能 | |||
マルチポイント | (Appleデバイス間のみ) | (Appleデバイス間のみ) | |
価格 | 24,800円 | 17,800円 | 30,580円 |
本機はH1チップを搭載した恩恵でBeats Studio Budsから大きく進化し、装着センサーやAppleデバイス間のマルチポイントに対応しています。
Appleデバイスを近づけただけでシームレスにBluetooth接続できたり、ヘッドトラッキングによる空間オーディオ対応など、ほぼAirPods Proといえる高い機能性をもっています。
充電方式は、AirPods ProもカバーしていないUSB-C充電対応なのはありがたいですが、ワイヤレス充電に相変わらず非対応なのは少々残念。
ANC性能はかなりのアップデートを遂げ、おまけ程度だったBeats Studio Budsに対し、本機はANCオンオフの差がハッキリ感じられるほど。
AirPods Proにはほんの少し劣るものの、それでも日常使いには充分すぎるほどのANC性能にアップしました。
デザインは同一路線を踏襲しつつ、ウィングチップと赤いロゴが大人っぽさと高級感を演出しています。
快適な物理ボタン操作や耳にやさしい装着性は、前モデルから変わりません。
低音強めで少しクセのあったBeats Studio Budsに対し、Beats Fit ProはROCK & POPSに合うパキッとした音質に仕上がっています。
音質面でもAirPods Proと遜色なく、音のベクトルだけ異なる印象で、ソフトでクセのないサウンドならAirPodsといったところ。
Beats Fit Proのレビュー
Beats Fit Proの特徴を紹介していきます。
標準的なバッテリー性能だがワイヤレス充電非対応
Beats Fit Proは、ANCオン状態でイヤホン単体最大6時間、ケースふくめ最大24時間使用可能です。
充電ポートには、LightningではなくUSB Type-Cの充電ポートをそなえ、Androidユーザーにも照準を合わせているのが伺えます。
5分の充電で1時間再生できる急速充電に対応している一方、ワイヤレス充電には非対応です。
H1チップによりAppleデバイス間の自動切り替えに対応
Beats Fit ProはH1チップを内蔵し、Appleデバイス間の自動切り替えに対応しています。
つまり、Appleデバイスのみではあるものの、マルチポイントに対応しています。
iPadやMacBookでYouTubeを視聴しつつ、iPhoneへの着信に対応できたり、使い勝手は抜群です。
この機能をそなえたことで、Beats Fit Proは機能性はほぼAirPodsレベルになったといえるでしょう。
スムーズなペアリングと純正さながらの設定画面
Apple製品との親和性は抜群で、ペアリングや各種設定はかなりスムーズです。
ケースを開くだけでiPhone上に接続画面が表示され、簡単に接続できてしまいます。
さらに設定画面を開くことなく、コントロールセンターから「ノイズキャンセリング オフ ANC」の切り替えが可能です。
Bluetooth接続画面では、自動耳検出(装着センサー)や空間オーディオなどの設定ができます。
設定項目は多くないものの、イコライザー調整やボタン操作変更が不要であれば、シンプルで扱いやすいです。
さまざまな方向から立体的に音が聞こえるAppleの3D音響技術「空間オーディオ」も搭載しています。
ボタン操作は長押しのみ変更可能で、ノイズコントロールとSiriから選ぶことができます。
音量コントロールをオンにすると、長押しに音量調整を割り当て可能になりますが、その場合ノイズコントロールとSiriの割り当てができなくなります。
「ノイズコントロール + Siri」か「音量調整」のどちらかを選ばないといけないので、カスタマイズ性は正直低いです。
ここまでiPhone上での設定を説明してきましたが、Android向けには専用アプリ「Beats」が用意され、iPhone同様の設定が可能です。
つけ心地の良い装着感と快適な物理ボタン操作
Beats Fit Proは、抜群の耳当たりの良さと高い安定感を両立し、装着性はかなり快適です。
その秘密はウィングチップにある、と書きたいところですが、ウィング部が耳に当たらずともかなり安定しています。
筐体部分でうまく支えているのと、耳からの飛び出しが少なく、重心が安定しているのが大きな要因です。
イヤホン表面のロゴ周辺は物理ボタンとなっており、グッと押し込むことで各種操作ができます。
操作 | L | R |
---|---|---|
再生/停止 | 1クリック | 1クリック |
曲送り | 2クリック | 2クリック |
曲戻し | 3クリック | 3クリック |
音量を上げる | – | – |
音量を下げる | – | – |
ANC / OFF / 外音取り込み | 長押し | 長押し |
音声アシスタント | – | – |
受話 | 着信中に1クリック | 着信中に1クリック |
通話終了 | 通話中に1クリック | 通話中に1クリック |
ボタン操作は左右のイヤホンで全く同じなので、可能な操作が限られるのは残念なところ。
長押し操作も自由にカスタマイズできず、「ノイズコントロールとSiri」か「音量調整」のどちらかを選ぶ形なので、カスタマイズ性はかなり低いです。
物理ボタンは反応が速く、誤操作もしづらいので使い勝手は抜群。
ロゴ下側の角からボタン操作をすることで、耳奥がグッと押し込まれる感覚も抑えられます。
イヤホンでの音量調整さえあきらめれば、装着性・操作性は文句なしの仕上がりです。
高強度のANC性能と自然な外音取り込み
Beats Fit Proは強度の高いANC性能と自然な外音取り込みをそなえています。
イヤホン自体の遮音性が低い一方、ANC性能の高さが際立ち、トータルとして高いANC強度を実現しています。
車のロードノイズなどの騒音はかなり抑えてくれますし、ザワザワしたカフェやオフィスでは、ANCオンで音楽を再生すれば周りの雑音が全く気になりません。
ANCの効きはAirPods Proに比べ、ほんの少し劣るといったところです。
外音取り込みは自然で、変に強調しすぎることなく周囲の音を取り込んでくれます。
ノイズも感じなければ、耳に刺さるような音の鋭さもないので、常時オンでも問題ないレベルです。
強いていえば取り込みが若干弱く、イヤホンなしの状態より周囲の音が小さく聞こえるかな、という印象。
こちらもAirPods Proほどではないものの、それに次ぐ完成度です。
丁寧で細やかかつ高次元でバランスされた音設計
音質面は粒が細かく、音の再現が丁寧であり、低音から高音までバランスのとれた仕上がりとなっています。
エコーや音圧が少なく、ライトで素直な音質設計のため、聞いていてとにかく心地良いのが特徴です。
音場の広さはそこまで感じないものの、それぞれの音が強弱のグラデーションをつけながら響き渡るため、それが耳ざわりの良い臨場感を生み出しています。
ボーカルの声が綺麗に響きつつ、ピアノやドラム、シンバルといった楽器音の輪郭も捉えられ、さまざまな音を楽しめるのも特徴の一つ。
コンポで聴いているかのような安定感と迫力のある音もそなえ、とくにROCK & POPSにぴったりのイヤホンといえます。
Beats Fit Proはこんな人におすすめ
Beats Fit Proは「AirPodsと同レベルで、音質とトータルの使いやすさを重視したい人」におすすめです。
AirPods ProにはANCと外音取り込みで若干劣るものの、物理ボタンの操作性、つけ心地の良い装着感、高い次元でバランスした音質と、完成度は高め。
ワイヤレス充電非対応は残念ですが、音質はもちろん、実用性を重視する人にはぜひ試して欲しいイヤホンです。
Beats Fit Proレビューまとめ
本記事は「Beats Fit Proをレビュー!ROCK & POPSに適したサウンドと抜群の装着性・操作性をもつANC搭載完全ワイヤレスイヤホン」について書きました。
Beats Fit Proは、AppleユーザーにとってAirPods Pro以外のもう一つの強力な選択肢となるイヤホンです。
AirPodsとの完成度の差はほぼないので、デザインと音の好みで本機を選んでもまったく問題ないでしょう。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。
- 高次元でバランスされたサウンド
- 高強度のANC
- 自然な外音取り込み
- つけ心地の良い装着感
- 使い勝手の良い物理ボタン
- ワイヤレス充電非対応
- ボタン操作カスタマイズが限定的
- ケース外観が少し安っぽい
- マルチポイント非対応