どうも、ワイヤレスイヤホンの音質とANCにうるさいマクリン(
WF-1000XM5やTechnics EAH-AZ80まで手を伸ばせば最高レベルの音質とANCを堪能できるものの、3万円を超えてくるのでなかなか手を出せません。
そんな中、高級イヤホンに引けを取らない上質な音質と最大-50dBのANCまでそなえるモデルが1万円台で登場しました。
それが「Edifier Neobuds Pro2」です。
ただし、ワイヤレス充電・マルチポイント非対応かつバッテリーも短いなど、機能面を見ると片手落ち感があることは否めません。
その分音質・ANCに全振りし、この尖り具合は一部の人にぶっ刺さること間違いなし。
そこで本記事ではEdifier Neobuds Pro2をレビューします。
- 繊細さと豪快さと両立したサウンド
- 最大-50dBのANC
- モードが豊富な外音取り込み
- 高音質コーデック対応
- 機能満載の専用アプリ
- 安定した装着性
- IP54の防水防塵
- ワイヤレス充電非対応
- マルチポイント非対応
- aptXコーデック非対応
- バッテリーが短め
- 装着センサーの反応が遅め
タップできるもくじ
EDIFIER Neobuds Pro2の概要
「Edifier Neobuds Pro2」は防水・防塵仕様(IP54)の完全ワイヤレスイヤホンです。
製品名 | Edifier Neobuds Pro2 |
---|---|
防水・防塵規格 | IP54 |
接続方式 | Bluetooth 5.3 |
対応コーデック | SBC / AAC / LHDC / LDAC |
重量 | イヤホン約10g / ケース込み約57g |
バッテリー(最大) | イヤホン単体:約5.5時間(ANCで4時間) ケース込み:約22時間(ANCで16時間) |
ドライバー | 10mmドライバー Knowles製バランスド・アーマチュアドライバー |
充電方式 | USB-C |
装着検出機能 | |
ANC | |
外音取り込み | |
専用アプリ | |
マルチポイント | |
価格 | 19,990円 |
スティック型には前作「W320TN」のように軸部分が丸っこいものが多いなか、本機はめずらしく角ばったフォルム。
メッシュ部や先端の造形など細部にこだわりが見られ、パッと見の高級感が一般的なスティック型とは段違いです。
一般的なモデルのマイクは左右各2~3基のところ、本機は各4基ずつも搭載。
耳からの脱着にともなって音楽再生・停止を可能にする装着検出センサーに対応しています。
ケースは独特の台形フォルムで、イヤホン同様、手ざわりとワンポイントのロゴに上質さを感じるデザインです。
大きさは約67 x 55 x 30 mmとややボリューミーで、手のひらからあふれそうなサイズ感。
イヤホン単体の重量は約10gと標準的ですが、ケースをふくめると約57gと少しズッシリしています。
付属品はイヤホン本体にUSB C to Aケーブル、イヤーチップに専用ポーチです。
イヤーチップは装着済みふくめ、7種類(XXS / XS / S / M / L / XL / XXL)も用意されています。
イヤホンケースをカバンに裸で入れると傷ついてしまうので、専用ポーチもありがたいです。
EDIFIER Neobuds Pro・W320TN・W220Tとのスペック比較
Edifier Neobuds Pro2と同社の過去モデル「Neobuds Pro」「W320TN」「W220T」との比較は以下のとおりです。
左スライドで全表示
製品名 | EDIFIER Neobuds Pro2 |
EDIFIER Neobuds Pro |
EDIFIER W320TN |
EDIFIER W220T |
---|---|---|---|---|
防水規格 | IP54 | IP54 | IP54 | IP54 |
接続方式 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.3 |
対応コーデック | SBC / AAC / LHDC / LDAC | SBC / AAC / LHDC / LDAC | SBC / LDAC | SBC / aptX / aptX Adaptive |
重量(イヤホン / ケース込み) | 約10g / 約57g | 約10g / 約60g | 約8g / 約50g | 約9g / 約41g |
最大バッテリー (上)イヤホン (下)ケース込み |
5.5時間(ANCで4時間) 22時間(ANCで16時間) |
6時間(ANCで5時間) 24時間(ANCで20時間) |
5.5時間(ANCで3.5時間) 27.5時間(ANCで17.5時間) |
6時間 24時間 |
ドライバー | 10mmドライバー Knowles製バランスド・アーマチュアドライバー |
10mmドライバー Knowles製バランスド・アーマチュアドライバー |
13mmドライバー | 13mmドライバー |
充電方式 | USB-C | USB-C | USB-C | USB-C |
装着検出機能 | ||||
ANC | ||||
外音取り込み | ||||
専用アプリ | ||||
マルチポイント | ||||
価格 | 19,990円 | 16,980円 | 11,990円 | 7,950円 |
前作のNeoBuds Proが音質・ANCともに同社No.1の性能だった一方、装着検出センサー・マルチポイントなしがネックでした。
それに対して後継機のNeobuds Pro2は、マルチポイントこそ非対応なものの、装着検出センサーをしっかり搭載。
ANCは最大-50dBの特許技術「ワイドバンドマルチチャンネルANC」の採用で強度が増し、外音取り込みも豊富なモード選択により使いやすくなりました。
音質の傾向は同じながらダイナミックさが増して満足感も上がっているため、この価格差なら僕はNeobuds Pro2推しです。
マルチポイントを求めるなら、音質・ANCも準ずるレベルのW320TNがおすすめです。
W220TはANC・外音取り込みにも非対応で、エントリーモデルが欲しい人向け。
一方Snapdragon Sound対応であるため、対応のAndroidスマホを持つ人も選択肢に入れていいでしょう。
aptX Adaptiveの96kHz/24bit(ハイレゾ)再生や低遅延などをサポートする、米クアルコム開発のオーディオソリューション。
これらのモデルは全て防水防塵仕様(IP54)である一方、ワイヤレス充電非対応なのでその点は注意ください。
EDIFIER Neobuds Pro2のレビュー
Neobuds Pro2の特徴を紹介していきます。
バッテリー性能は控えめでワイヤレス充電非対応
バッテリー性能はイヤホン単体で最大5.5時間、ケースふくめ最大22時間となっています。
ANCオンだと単体4時間、ケース込み16時間と少し心もとない性能です。
ケース背面にはUSB-Cポートをそなえ、15分の充電で2時間使用できる急速充電にも対応しています。
ただしワイヤレス充電には非対応ですので注意ください。
機能盛りだくさんの専用アプリ
専用アプリ「Edifier Connect」は以下の機能がそろっています。
- ANC・外音取り込み変更
- シーンモード変更
- イコライザー設定
- タッチ操作カスタマイズ
- ボックスライト変更
- 装着センサーON/OFF
- タップ感度調整
- イヤホンを探す
ダッシュボード画面ではバッテリー残量の確認やANC/外音取り込みの変更が可能です。
ANCは低・中・高の3段階で強度調整でき、外音取り込みは「ボーカルエンハンスメント」「バランス」「バックグラウンドサウンド」からモードを選択可能です。
シーンモードでは、音質や空間の広がりを重視した「音楽モード」と、動画と音声の遅延を抑える「ゲームモード」を切り替えられます。
自分の頭の動きに合わせて音の聞こえる方向が変わる「空間オーディオ」にも切り替え可能です。
空間オーディオ選択時は少し音がこもるので、気になる人はイコライザーで調整しましょう。
サウンドエフェクトでは、2つのプリセット(クラシックとダイナミック)からイコライザーを選択できます。
カスタマイズでは、4つの各音域に対して-6dB~6dBの強度調整が可能です。
調整対象である各音域の周波数も変更でき、その音域の周辺の周波数へのゲインの影響度も変えられます。
制御設定では「2タップ」と「3タップ」の操作を変更でき、とくに「モード選択」はどの外音コントロールを割り当てるかまで設定できます。
驚くべきことに、ケースのライトの色まで変更できます(あまり必要性を感じませんが…)。
自然音や動物の鳴き声などのリラックス音を再生できる「睡眠音楽」も用意されています。
ダッシュボード画面右上の六角形ボタンをタップすると、設定画面に移行します。
「耳入検査」は装着検出センサーのことで、機能自体を無効にしたり、外すときだけセンサーを有効にしたりできます。
ほかにもタップ感度の調整やイヤホンを探す機能まで用意されています。
前作以上のANCにモードが豊富な外音取り込み
本機は特許技術「ワイドバンドマルチチャンネルANC」を採用し、ANC強度の高い従来機Neobuds Proを上回る性能を実現しています。
最大50dBのノイズ低減の触れ込みは伊達ではなく、ANCをオンにすると周囲のノイズが一気にかき消され、その強さを実感できます。
人の話し声など中高音は残るものの、低音域への効きは圧倒的。
ロードノイズや掃除機の音などの騒音は、10の音がイヤホン装着で6、ANCオンで2程度にまで抑えられるイメージです。
Technics EAH-AZ80やWF-1000XM5など3万円を超えるイヤホンには劣るものの、同価格帯では敵なしの性能でしょう。
低・中・高と3段階の強度調整が可能ですが、あまり違いを感じなかったので基本的には「高」で良いと思います。
外音取り込みは違和感ゼロとまでは言えないものの、かなり自然な聞こえ方で普段使いには申し分ありません。
通常モードの「バランス」だけでなく、人の声をより拾う「ボーカルエンハンスメント」も用意されていて、個人的にはこれがイチオシ。
外音取り込みで困るのが、取り込み強度が弱いために結局イヤホンを外さなければならないというケース。
しかし「ボーカルエンハンスメント」では人の声をクリアに捉え、会話する際に安心して使うことができます。
繊細さと豪快さを両立したサウンド
本機は耳に引っかけるスティック型のため、安定性は文句なしです。
耳に収まる丸い筐体が大きく、装着時に圧迫感を感じるものの、使い始めるとそこまで気にならなくなりました。
この筐体部分が耳穴全体と当たるため、長時間使っていても耳への負担は大きくありません。
イヤホン表面はタッチセンサーであり、デフォルトで以下の操作が可能です
操作 | L | R |
---|---|---|
再生/停止 | ー | 2タップ |
曲送り | ー | 3タップ |
ANC / 外音取り込み | 2タップ | ー |
シーンモード切り替え | 3タップ | ー |
受話 | 着信中に2タップ | 着信中に2タップ |
通話終了 | 通話中に2タップ | 通話中に2タップ |
アプリから自在に変更できてカスタマイズ性は良いものの、割り当てられるのは「2タップ」と「3タップ」のみ。
タップ感度や反応速度は悪くありませんし、装着検出センサーによりイヤホンを外したときに音楽が止まるまでの速度もそこそこです。
一方イヤホンを付けたときには「ポンポンッ」と反応音が鳴ってから音楽再生されるため、合計5秒ほどかかるのが気になりました。
音質は低音強めのダイナミックさがありながら、音場の広さや粒の細かさも感じられる上質なサウンドです。
中高音域をしっかり響かせつつ、深く沈み込むような低音がとくに特徴的です。
ドンシャリ感強めですが、伸びやかなボーカルも非常にキレイで、ポップスふくめ幅広いジャンルを堪能可能。
どの音域もただ鳴らすだけでなく、機微を捉えた繊細さを持ち合わせ、それでいて嫌なシャープさはありません。
音場の広さも感じられ、少し離れたボーカルとすぐ近くから聞こえるドラムのコントラストが楽しいという非の打ち所がない設計。
これは迫力ある低音を得意とするダイナミックドライバーと、中高音の繊細で滑らかな表現を得意とするバランスド・アーマチュアドライバーのハイブリッド構成が成す技でしょう。
人によっては低音が強すぎると感じるかもしれませんが、その際はアプリで調整すればOKです。
EDIFIER Neobuds Pro2はこんな人におすすめ
EDIFIER Neobuds Pro2は「ANC・外音取り込み・音質の全てに妥協したくない人」におすすめです。
本機は圧倒的なANC性能をほこり、その強さは同価格帯で並ぶものはないほど。
外音取り込みも人の声を拾いやすいモードに対応し、かなり使いやすいです。
音場の広さと粒の細かさを味わえるサウンドも、同価格帯ではなかなかありません。
ワイヤレス充電・マルチポイントなしやバッテリーの短さが気にならない人であれば、選んで間違いのないモデルでしょう。
1万円台でこれらの機能をすべて求めるならAnker Soundcore Liberty 4 NCやJBL LIVE PRO 2も完成度が高くておすすめです。
EDIFIER Neobuds Pro2レビューまとめ
本記事はEDIFIER Neobuds Pro2をレビューしました。
本機の繊細さと豪快さを両立したサウンドは、ついうっとりしてしまうほど。
機能面で一部デメリットがあるので、メリットと天秤にかけて検討してみてください。
どうも、マクリン(
- 繊細さと豪快さと両立したサウンド
- 最大-50dBのANC
- モードが豊富な外音取り込み
- 高音質コーデック対応
- 機能満載の専用アプリ
- 安定した装着性
- IP54の防水防塵
- ワイヤレス充電非対応
- マルチポイント非対応
- aptXコーデック非対応
- バッテリーが短め
- 装着センサーの反応が遅め