どうも、ANC搭載イヤホンの音質とANC性能が気になりマクリン( @Maku_ring)です。
2万円以上の高価格帯ワイヤレスにはSONY WF-1000XM4やLIBRATONE AIR(2nd)・JBL TOUR PRO+など、音質・ANCともに1級品のモデルが名を連ねています。
その中でも僕の使用頻度が高いのはJabra Elite 85tでして、その理由がマルチポイント対応(Bluetooth同時接続)であること。
ノートPCとスマホなど、複数のBluetooth対応機器に同時接続できる機能で、Bluetoothの接続先をいちいち切り替えることなく、音声再生側のデバイスに自動で切り替わるすぐれもの。
便利な機能であるにもかかわらず、技術的に音質との両立が難しいようで、対応しているモデルはほとんどありません。
Technics EAH-AZ70Wで市場を盛り上げたテクニクスが「Technics EAH-AZ60」を引っさげ、マルチポイント対応になって登場しました。
気づけば音楽の世界にどっぷり浸ってしまうほどクリアで臨場感あふれるサウンドと、SONY WF-1000XM4に匹敵するANC性能をあわせもつ完成度の高さ。
しかも、僕がEAH-AZ70Wを手放した理由であるケースの自然放電問題も、本機では解消されています(僕が見たかぎり)。
マルチポイント搭載・LDACコーデック対応・Just My Voiceによる高い通話性能など、パナソニックのこだわりを感じるワイヤレスイヤホンです。
そこで本記事では「Technics EAH-AZ60をレビュー!高いANC性能と臨場感あふれるクリアサウンドを堪能できるANC搭載完全ワイヤレスイヤホン」について書きます。
- マルチポイント搭載
- LDACコーデック対応
- Just My Voiceによる高い通話性能
- 高いANC性能
- クリアで臨場感あふれるサウンド
- ワイヤレス充電非対応
- 装着センサー非搭載
タップできるもくじ
Technics EAH-AZ60の概要
「Technics EAH-AZ60」は生活防水仕様(IPX4)の完全ワイヤレスイヤホンです。
製品名 | Technics EAH-AZ60 |
---|---|
防水・防塵規格 | IPX4 |
接続方式 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC / AAC / LDAC |
重量 | イヤホン約12g / ケース込み約51g |
バッテリー | 最大7.5時間(ANCで7時間) / 最大25時間(ANCで24時間) |
ドライバー | 8mm径ドライバー |
充電方式 | USB-C |
ANC | |
外音取り込み | |
マルチポイント | |
価格 | 27,720円 |
金属の光沢感を放つタッチセンサー面と、スッと添えられたTechnicsのロゴが目を引く、黒基調のスタイリッシュなデザイン。
装着センサーを搭載していないため、耳から取り外しても音楽が停止しない点は注意が必要です。
いちおう高価格帯のイヤホンなので、ここは頑張って欲しかったところ……。
重量はイヤホン単体で約12g、ケースふくめ約51gと、標準的な重さです。
ケースはグレーがかった落ち着きのある色合いで、天面のTechnicsのロゴは職人が手加工したかのような美しさをたたえています。
ラインナップはブラックとシルバーの2色で、どちらも高級感あふれる質感とカラーリングです。
ケースの大きさは約71 x 26 x 33mmと横長なものの、持ち運びには不自由しないサイズ感。
付属品はイヤホン本体とUSB Type-C to Aケーブルにくわえ、イヤーチップは7種類(XS1 / XS2 / S1 / S2 / M / L / XL)もあるというこだわりっぷり。
XSとSは形状の違うイヤーチップが用意されているので、自分の耳によりフィットするものを選ぶことが可能です。
EAH-AZ70W・EAH-AZ40とのスペック比較
同社のANC搭載モデル「EAH-AZ70W」ならびに同時発売の「EAH-AZ40」との比較は以下のとおりです。
左スライドで全表示
製品名 | Technics EAH-AZ60 |
Technics EAH-AZ70W |
Technics EAH-AZ40 |
---|---|---|---|
防水規格 | IPX4 | IPX4 | IPX4 |
接続方式 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
対応コーデック | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC | SBC / AAC |
ドライバー | 8mm径ドライバー | 10mm径ドライバー | 6mm径ドライバー |
重量 | イヤホン約12g / ケース込み約51g | イヤホン約14g / ケース込み約79g | イヤホン約10g / ケース込み約30g |
ANC | |||
外音取り込み | |||
マルチポイント | |||
バッテリー | イヤホン単体:最大7.5時間(ANCで7時間) ケース込み:最大25時間(ANCで24時間) |
イヤホン単体:最大7.5時間(ANCで6.5時間) ケース込み:最大22.5時間(ANCで19.5時間) |
イヤホン単体:最大7.5時間 ケース込み:最大25時間 |
充電方式 | USB-C | USB-C | USB-C |
価格 | 27,720円 | 25,000円 | 15,000円 |
特筆すべきはLDACコーデックとマルチポイントへの対応で、もともと完成度の高かったEAH-AZ70Wからさらなるアップデートを遂げています。
音質面やANCもさらに磨きをかけ、アプリ機能や使い勝手も向上。
いうなれば完全なる上位互換のため、これから購入するならEAH-AZ60で良さそうです。
一方、ANC・外音取り込みはいらないけど、マルチポイントだけ欲しいという人はEAH-AZ40も選択肢に入るでしょう。
Technics EAH-AZ60のレビュー
Technics EAH-AZ60の特徴を紹介していきます。
ANCオンでも長時間使用可能なバッテリー性能
ANCオフでのバッテリー性能はイヤホン単体で最大7.5時間、ケースふくめ最大25時間と標準的。
ただし、ANCオンでもその性能はほとんど変わらず、イヤホン単体で最大7時間、ケースふくめ最大24時間と、実用的なロングバッテリーに仕上がっています。
EAH-AZ70Wで若干問題になっていたケース放電問題( 何もせずに置いてるだけで充電がなくなってた)も、僕が一週間弱使っているかぎりでは解消されていると感じました。
ケース背面にはUSB Type-Cの充電ポートを搭載。
また、15分の充電で70分(ANCオン時)再生可能な急速充電にも対応しています。
ワイヤレス充電にも対応していたら文句なしだったのですが、残念ながら非対応です。
マルチポイント対応
EAH-AZ60の特筆すべき点がマルチポイントに対応していること。
Bluetoothの接続設定を切り替えることなく、2台のデバイス側で通話や音楽再生がスムーズに切り替わるのは嬉しいポイントです。
2台目以降のBluetooth接続は、イヤホンのLEDが青点灯している状態で左右のいずれかを7秒間長押しし、ペアリングモード(青赤点滅)に入ることで追加できます。
ワイヤレスイヤホンは数あれど、マルチポイント対応モデルはほとんどなく、期待していたJabra Elite 7 Proも未対応なだけに、EAH-AZ60が搭載してきたことはかなり評価できます。
性能と使い勝手が抜群の専用アプリ
専用アプリ「Technics Audio Connect」では以下のことが可能で、なかでも通話性能を格段にアップする「Just My Voice」が目玉機能となっています。
- 外音コントロール
- イコライザー設定
- タッチ操作のカスタマイズ
- イヤホンを探す
- Just My Voice
ダッシュボード画面では、各イヤホンのバッテリー残量(中央)や接続コーデック(左上)を確認できます。
ケースのバッテリー残量は確認できないようなので注意ください。
外音コントロールでは「ノイズキャンセリング」「オフ」「外音取り込み」を切り替えることが可能です。
ANCと外音取り込みは、100段階もの強度調整ができるようになっています。サウンド設定ではプリセットされたイコライザー4種からの選択と、5つの音域の手動カスタマイズが可能となっています。
タッチ操作のカスタマイズにも対応し、左右のイヤホンに対して「1タップ」「2タップ」「3タップ」「長押し」と、計8種類の操作アクションに各操作を割り当てることができます。
再生/停止や曲送り・戻しはもちろん、音量調整やさまざまな外音コントロール操作など、多くの選択肢が用意されています。一方、長押し操作には「音声アシスタント」「外音コントロール切り替え」「電源オフ」しか割り当てられない仕様になっています。
イヤホンを探す機能は「音を鳴らして探す」と「位置情報を使って探す」の2種類が用意されています。
この2種類が用意されているのはかなり評価が高く、というのも「位置情報を使って探す」で大まかな場所を明らかにし、そこから「音を鳴らして探す」ことでイヤホンの発見が可能になるからです。
この合わせ技で「友達の家にイヤホンを忘れたかも」といったときも、イヤホンを簡単に見つけやすくなります。
ちなみに、アプリ機能で衝撃をもっとも受けたのが、こちらの「Just My Voice」。
この機能をオンにすることで、周りが騒がしくても通話相手に自分の声だけを届きやすくするというもの。
そしてアプリには、実際に相手が聞く音声を自分も聞き、その音の波形が確認できる機能もそなわっています。
こちらの波形は、すぐ横で掃除機をかけている状態で、相手に聞こえる音声を記録したものです。
波形が上下に大きく動いていますが、これがまさに掃除機の音で、実際にイヤホンからも騒音が聞こえてくるのが分かりました。
そしてこちらが、同じ状況で「Just My Voice」をオンにした場合。
ピーンと高く波が立っている部分は、僕自身が声を発した部分になるのですが、それ以外の部分はほとんど波が立っていません。
実際の音声も自分の声だけがハッキリ聞こえ、掃除機のすぐ横で喋っているとは思えないクリアさでした。
いろいろ試してみたところ、同じような音が継続的に続く場合にはその音をほぼシャットダウンしてくれる一方、異なる音が混ざってくると、それを若干拾ってしまっていました。
具体的には、定常的に続く「掃除機の音」は完全に消し去ってくれたけど、時おり入る「カーテンの開け閉めの音」や「ドアの開け閉めの音」などは拾ってしまったという感じ。
例えば駅のホームで通話する場合「電車のガタンゴトン音」には強いけど、「駅のアナウンス」は消し去れないといった感じかなと。
とはいえ充分すぎる性能で活用できるシーンは間違いなく多いです。
周りの騒音が気にならない高強度のANC性能
ANC性能はかなり高く、圧倒的な強度をほこるSONY WF-1000XM4に準ずるレベルです。
ロードノイズを完全に消し去ることはさすがにできないものの、すぐ横を車が通過しても気にならないほど、音を遠くに追いやってくれます。
同じ部屋で掃除機をかけていても、雑音に気を取られず音楽に浸れるレベル。
空調音だけでなく、人の話し声もかなり抑えてくれるので、オフィスでの使用も問題ありません。
ANC強度はSONY WF-1000XM4を10とすると9といったところで、トータルの音楽への没入感はほとんど変わりませんでした。
外音取り込みは周囲の音をそのまま取り込む「トランスペアレント」と、会話やアナウンスの声を強調する「アテンション」の2種類を用意。
トランスペアレントはなかなか優秀で、周囲の音をしっかり取り込んでくれるうえ、音が変に強調されている感じやノイズはなし。
一方アテンションは声を強調するモードのため、それに応じて「サーッ」というホワイトノイズが若干ありました。
とはいえ、外音取り込みは要所要所で一時的に使うモードなので、個人的には気にならないレベルです。
アプリ上のカスタマイズで「ANC」と「外音取り込み」を簡単に切り替えられるようにしておけば、電車のアナウンス時やコンビニでの会計時など、周囲の音を聞きたい時にかなり重宝します。
クリアさと臨場感を両立した高バランスサウンド
Technics EAH-AZ60の装着感は非常に安定し、軽いジョギングをしても落ちない安心感があります。
筐体部分が支えているというより、イヤーチップがすっぽりと耳穴に収まることで高い安定性を実現している感じです。
イヤホン表面はタッチセンサーとなっており、「ピッ」「ピピッ」「ピピピッ」とタップした回数に応じて反応音の変わる分かりやすい仕様です。
操作 | L | R |
---|---|---|
再生 / 停止 | 1タップ | 1タップ |
曲送り | ― | 2タップ |
曲戻し | ― | 3タップ |
音量を下げる | 2タップ | ― |
音量を上げる | 3タップ | ― |
ANC / 外音取り込み / OFF | ― | 長押し |
音声アシスタント | 長押し | ― |
受話 | 着信中に1タップ | 着信中に1タップ |
着信拒否 | 着信中に長押し | 着信中に長押し |
通話終了 | 通話中に長押し | 通話中に長押し |
モード切り替え時は反応音ではなく「アンビエント」「オフ」「ノイズキャンセリング」としっかりアナウンスしてくれるので、どのモードに切り替えたか分かりやすいのもありがたいところ。
タップしてからの反応も速く、操作性は申し分ありません。
音質はクリアさと臨場感を両立した、高いレベルでバランスされたサウンドとなっています。
こもった感じは全くなく、ボーカルの息遣いや細かいリズム・音程もしっかり捉えられ、音の躍動感を感じることができます。
クリアでありながらグサッと刺すような鋭さや嫌な感じはなく、音に柔らかさもそなえているのも大きな特徴です。
とくに推したいのが高音域のクリアさとボーカルの声の伸びやかさで、ふと気づけば美しい音色にどっぷり浸ってしまっているほど。
かと思えば、音が奥からどんどん迫ってくる臨場感や迫力もあり、いうなれば音に分厚い辞書のような厚みがあるイメージ。
音のクリアさ・柔らかさ・臨場感と、全てが高いレベルでバランスした音質設計に仕上がっています。
Technics EAH-AZ60はこんな人におすすめ
Technics EAH-AZ60は「音質・ANCのレベルが高い、マルチポイント搭載のワイヤレスイヤホンが欲しい人」におすすめです。
イヤホン購入時にもっとも重視したい「音質」と「ANC」は、これまでレビューしたイヤホンの中でもかなりの上位。
ワイヤレス充電・装着センサー非搭載といった惜しいポイントは若干あるものの、アプリ機能や使い勝手も申し分ありません。
SONY WF-1000XM4と比べて音質面では多少劣るものの、ANCは迫るレベル、使い勝手や装着の安定感はEAH-AZ60のほうが好きといえるほどです。
ワイヤレスとは思えない最高の音質を堪能したいならWF-1000XM4、マルチポイントをふくめたトータルの使いやすさを優先するならEAH-AZ60を選べば間違いないでしょう。
Technics EAH-AZ60レビューまとめ
本記事は「Technics EAH-AZ60をレビュー!高いANC性能と臨場感あふれるクリアサウンドを堪能できるANC搭載完全ワイヤレスイヤホン」について書きました。
Technics EAH-AZ60は2万円台後半と安くはないものの、音質・ANCは他を凌駕する完成度。
惜しいポイントも確かにあるものの、同時にそれが気にならなくなるほどの多くのメリットをそなえたモデルです。
パナソニックの本気度が伝わってくるイヤホンに仕上がっています。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。
- マルチポイント搭載
- LDACコーデック対応
- Just My Voiceによる高い通話性能
- 高いANC性能
- クリアで臨場感あふれるサウンド
- ワイヤレス充電非対応
- 装着センサー非搭載
こちらのイヤホンは片耳のみで使用していてもノイキャンのオンオフが可能でしょうか?
ご質問ありがとうございます。
片耳使用時もノイズキャンセリングのオンオフは可能です!
ご返答ありがとうございます。参考になりました。