どうも、これまで100個近くのワイヤレスイヤホンを試してきたマクリン( @Maku_ring)です。
1万円台のモデルでも「あちらを立てればこちらが立たず」が多く、機能・音質・ANC・装着性・操作性すべての面で満足できるものはほぼなかったのが正直なところ。
そんな中、欲しい機能があますことなく詰め込まれた、まさに理想ともいうべきイヤホンが、Ankerの「Soundcore Liberty 4」です。
機能面では、装着センサー・ワイヤレス充電・マルチポイント・LDACにまでしっかり対応。
音質・ANCも同シリーズの高いレベルを継承し、アプリの完成度は同社史上ナンバーワンともいえる出来です。
Anker独自のCloudComfortイヤーチップにより装着性も申し分なく、操作性の面ではAirPods Pro 2と同じピンチ操作にまで対応しています。
そこで本記事では「Anker Soundcore Liberty 4をレビュー!マルチポイントにピンチ操作対応で機能性ダントツの完全ワイヤレスイヤホン」について書きます。
本記事はアンカー・ジャパン様から商品を提供いただき作成しています。
- ナチュラルで心地よいサウンド
- 高強度のANC
- フィット感抜群の装着性
- 使いやすいピンチ操作
- マルチポイント対応
- LDACコーデック対応
- ワイヤレス充電対応
- 装着センサー対応
- 機能盛りだくさんの専用アプリ
- 外音取り込みは並
- 3Dオーディオが不自然
タップできるもくじ
Soundcore Liberty 4の概要
「Soundcore Liberty 4」は生活防水仕様(IPX4)の完全ワイヤレスイヤホンです。
製品名 | Soundcore Liberty 4 |
---|---|
防水・防塵規格 | IPX4 |
接続方式 | Bluetooth 5.3 |
対応コーデック | SBC / AAC / LDAC |
重量 | イヤホン約12g / ケース込み約55g |
バッテリー(最大) | イヤホン単体:約9時間(ANCで7時間) ケース込み:約28時間(ANCで24時間) |
ドライバー | 9.2mmダイナミックドライバー 6mmダイナミックドライバー |
充電方式 | USB-C / ワイヤレス |
装着検出機能 | |
ANC | |
外音取り込み | |
専用アプリ | |
マルチポイント | |
価格 | 14,990円 |
イヤホンは黒一色でシンプルながら、クールなロゴや光沢感あるスティック部分にこだわりを感じるデザインです。
軸部分はAirPods Pro 2に比べて少し太い印象があるものの、長さは同程度で飛び出しも気になりません。
耳からの脱着にともない、自動で音楽再生・停止する装着センサーに対応し、アプリからON/OFFの切り替えも可能です。
ノイズリダクションを搭載したマイクを左右に3つずつそなえ、通話時のノイズをおさえて自分の声をより大きくクリアに届けてくれます。
ケースはつい触りたくなるサラリとした質感で、前後にスライドして開閉できる機構もスマートで扱いやすいです。
重量はイヤホン単体で約12g、ケースふくめ約55gと標準的な重さです。
ケースの大きさは約57 x 60 x 31mmとコンパクトで、AirPods Pro 2と同程度のサイズ感です。
カラーは、ミッドナイトブラックとクラウドホワイトの2色展開となっています。
付属品はイヤホン本体とイヤーチップ(S/M1/M2/L)、USB C to Aケーブルです。
Space A40・Liberty 3 Pro・Liberty Air 2 Proとのスペック比較
同社の過去モデル「Space A40」「Liberty Air 2 Pro」「Liberty 3 Pro」との比較は以下のとおりです。
左スライドで全表示
製品名 | Soundcore Liberty 4 |
Soundcore Space A40 |
Soundcore Liberty Air 2 Pro |
Soundcore Liberty 3 Pro |
---|---|---|---|---|
防水規格 | IPX4 | IPX4 | IPX4 | IPX4 |
接続方式 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / LDAC |
重量(イヤホン / ケース込み) | 約12g / 約55g | 約10g / 約58g | 約10g / 約61g | 約14g / 約57g |
バッテリー駆動時間 (上)イヤホン (下)ケース込み |
最大9時間(ANCで7時間) 最大28時間(ANCで24時間) |
最大10時間(ANCで8時間) 最大50時間(ANCで40時間) |
最大7時間(ANCで6時間) 最大26時間(ANCで21時間) |
最大8時間(ANCで6時間) 最大32時間(ANCで24時間) |
ドライバー | 9.2mmダイナミックドライバー 6mmダイナミックドライバー |
10mmダイナミックドライバー | 11mmドライバー | 10.6mmドライバー |
充電方式 | USB-C / ワイヤレス | USB-C / ワイヤレス | USB-C / ワイヤレス | USB-C / ワイヤレス |
装着検出機能 | ||||
ANC | ウルトラノイズキャンセリング2.0 | ウルトラノイズキャンセリング2.0 | ウルトラノイズキャンセリング | ウルトラノイズキャンセリング2.0 |
外音取り込み | ||||
専用アプリ | ||||
マルチポイント | 〇 | |||
価格 | 14,990円 | 12,990円 | 12,980円 | 17,800円 |
本機はあらゆる機能が詰め込まれ、スペック・機能面で劣る部分は見当たりません。
バッテリー駆動時間はSpace A40、音質はLiberty 3 Proに軍配が上がるものの、本機も充分以上のレベルであり、不満を感じることはないでしょう。
装着性の良さ・ピンチ操作の使いやすさにANC強度も考慮すると、総合力は間違いなくNo.1です。
Space A40はシリーズ最小のコンパクトながら、バッテリーはケース込みで50時間というスタミナモデル。
本機と異なるのは、装着センサー非搭載、タップ操作、スティック形状でないこと、音に広がりや立体感がある、といったところ。
バッテリー重視・音場の広さを楽しみたい人におすすめですが、本機の登場により存在感がやや薄くなったのもまた事実。
またLiberty Air 2 Proも優秀なモデルですが、Liberty 4は後継モデルだけあり、スペックを全て上回りつつ、マルチポイントや心拍計測など、独自機能までそなえる正統進化版です。
音質ファーストなら、素晴らしい音場と解像感を持つLiberty 3 Proがやや優勢ですが、価格差や装着感をふまえると、本機を選んでもぜんぜん問題なし。
Soundcore Liberty 4のレビュー
Soundcore Liberty 4の特徴を紹介していきます。
バッテリーは単体9時間・ケース込み28時間
本機はイヤホン単体で最大9時間(ANCオンで7時間)、ケースふくめ最大28時間(ANCオンで24時間)と、標準的なバッテリー性能です。
磁石でイヤホンがケースにシュポッと吸いついたり、充電中はイヤーチップが光ることで知らせてくれたり、なかなか小技が効いています。
ケース背面にはUSB-Cポートを搭載し、ワイヤレス充電にもしっかり対応しています。
急速充電にも対応し、対応する充電器とケーブルを用いることで15分の充電で3時間使用できます。
切り替えが便利なマルチポイント対応
Soundcore Liberty 4は、2台のBluetoothデバイスに同時接続できるマルチポイントに対応しています。
機器を切り替えるには通常、Bluetooth設定から接続を切り替える必要がありますが、マルチポイント対応であれば2台の機器が常に同時接続された状態となります。
タブレットでYouTube鑑賞しながらスマホの着信に応答したり、スマホで音楽を聴きつつ会議のタイミングでPCに切り替えたりと、音楽再生や着信をトリガーに機器を切り替え可能です。
2台の機器に同時接続したい場合は、このあと紹介する専用アプリ「Soundcore」から接続するのが簡単です。
アプリの「マルチポイント接続」から「新しい機器と接続する」をタップしましょう。
もしくはイヤホンをケースに収めた状態で、ケース内面のボタンを3秒間長押しします。
するとペアリングモードに入るので、接続したい機器のBluetooth設定画面から追加すればOKです。
どちらの方法でも元機器との接続を維持したまま、新しい機器を追加することができます。
機能盛りだくさんの専用アプリ
Soundcore Liberty 4は専用アプリ「Soundcore」に対応し、以下の機能がそろっています。
- サウンドモード設定
- イコライザー設定
- HearID
- 3Dオーディオ
- タッチ操作カスタマイズ
- 装着センサー切り替え
- マルチポイント接続
- ヘルスモニタリング
ダッシュボードではバッテリー残量の確認やサウンドモードの切り替えが可能かつ、各機能へのアクセスの起点にもなっています。
ノイズキャンセリングは、強・中・弱から選択できる「手動モード」と周囲のノイズレベルに合わせて自動調整する「自動モード」が用意されています。
自動モードは「HearID ANC」により最適化されるので、騒音環境でテストを行い、設定しておきましょう。
イコライザー設定では22種類ものプリセットが用意され、8つの音域を調整するカスタムEQにも対応しています。
設定がわずらわしい人は、イコライザーを最適化してくれる「HearID サウンド」の利用がおすすめです。
聴覚テストにより左右の耳の聴きとりやすさを測定することで、自分用にカスタマイズされたイコライザーに自動調整してくれます。
さまざまな音が再生されるので「聞こえる」「聞こえない」で回答し、各音域の聴こえやすさを確認していきます。
その後は同じ曲が2種類のサウンドで再生されるので、好きなほうを選んで細かくチューニングしていけば、自分にぴったりのイコライザーの完成です。
サウンド周りは機能が豊富で「3Dオーディオ」にも対応しています。
ジャイロセンサーにより、頭の動きに合わせて音が変化する機能。映画館やライブ会場にいるかのようなサラウンドな音響を体験できます。
ただし、3Dオーディオをオンにすると加工がかかった不自然な音になり、まだ改善の余地がある印象を受けました。
タッチ操作カスタマイズでは「1クリック」「2クリック」「3クリック」の3つのアクションの操作を変更可能です。
あらゆる操作を割り当てられ、「モード設定」ではノイキャン・OFF・外音取り込みから必要なモードだけを切り替え操作内に組み込むことができます。
さらにはタッチ操作の感度も変更できるという、至れり尽くせりの便利さです。
ダッシュボード右上の歯車マークを押すと詳細設定に移り「装着テスト」や「マルチポイント接続」なども利用できます。
好みが分かれる装着センサーのON/OFF切り替えも可能で、その精度まで調整してくれます。
さらには新機能として、心拍モニタリングやストレスチェック、ワークアウト機能などが詰め込まれた「ヘルスモニタリング」も搭載しています。
イヤホン装着中のみの測定なので、他のヘルスケアアプリを使う人にはメリットが小さいものの、アプリの進化には驚くばかり。
便利機能から変わり種の機能まで幅広くおさえ、見やすさ・機能の豊富さ・使いやすさの全てがそろう、文句なしのアプリです。
フィット感抜群の装着性と快適なピンチ操作
Soundcore Liberty 4は耳にかけるスティック型で、落ちる心配がないことはもちろん、付け心地も軽くとても快適です。
2〜3時間使っても耳の痛みは全くありませんでした。
安定感・フィット感・装着感ともに高いレベルでそなえ、スティック型の中でもトップクラスです。
これは本機で初採用された、独自開発のCloudComfortイヤーチップの効果もあるでしょう。
雲に触れるような自然な装着感を目指し、2層構造のやわらかな素材を使用して快適なつけ心地を実現した、Anker独自開発のイヤーチップ。
イヤホン側面は感圧センサーで、グッとつまむ(ピンチする)ことで以下の操作ができるようになっています。
操作 | L | R |
---|---|---|
再生/停止 | 1クリック | 1クリック |
曲送り | ― | 3クリック |
曲戻し | 3クリック | ― |
ANC / 外音取り込み / OFF | 2クリック | 2クリック |
受話 | 着信中に2クリック | 着信中に2クリック |
通話終了 | 通話中に2クリック | 通話中に2クリック |
タップ操作だと反応しないこともあるので、ピンチ操作はかなり使いやすくて好きです。
つまむと「カチッ」と小気味いい操作音が鳴り、反応も速く、操作性は申し分ありません。
AirPods Pro 2のように、上下スワイプで音量調節まではできないものの、それに次ぐレベルの快適さです。
自動調整に対応した高強度のANC
本機はウルトラノイズキャンセリング2.0に対応し、最適な強度に自動調整するANCを実現しています。
周囲音に合わせて最適なANC強度に自動で切り替わる、Ankerの独自技術。アプリで「自動モード」にすれば使用可能。
強度も申し分なく、ちょっとした話し声や空調音はかき消してくれ、オフィスでONにすれば一気に静寂に包まれるほどです。
AirPods Pro 2を10とすると、8くらいのイメージかと。
とはいえ、電車のガタンゴトン音やロードノイズは8割以上抑えてくれますし、同価格帯では充分高いレベルのANC性能です。
外音取り込みも悪くはないものの、ちと人工的な音の響き方という印象。
ただ音はしっかり拾ってくれますし、電車アナウンスやコンビニの会計時など、ピンポイントで使う分には問題ないでしょう。
アプリで「全ての外音」「音声フォーカス」の変更が可能ですが、「音声フォーカス」は音声以外がわずかにこもった感じになるくらいで、大きな差はありません。
ナチュラルで心地よいサウンド
Soundcore Liberty 4のサウンドはナチュラルかつフラットな質感で、ついつい聞き入ってしまう心地よさがあります。
その繊細で豊潤なサウンドは、Anker独自のA.C.C.A3.0搭載デュアルダイナミックドライバーにより実現されています。
音のバランスは低音域がクリアでシャープ、中音域はリッチで高音域は若干刺さる感じはあるものの、全体的にバランスは良く、音が積み重なったような立体感も感じられます。
これまでのAnkerイヤホンに通ずるボーカルのパワフルさや臨場感もあり、ROCK & POPSによく合うイヤホンといえるでしょう。
ソフトでなめらかな音の運びが心地よく、それでいてこもった感じは全くないので、僕はかなり好きな音質です。
基本的にクセがなく耳なじみのよい音質設計なので、万人に受け入れられるイヤホンだと思います。
Soundcore Liberty 4はこんな人におすすめ
Soundcore Liberty 4は「音質・機能・装着性・操作性すべてを欲ばりたい人」におすすめです。
イヤホン選びでは、装着検出・ワイヤレス充電・マルチポイントといった機能をカバーするだけでも大変で、どれかは妥協せざるを得ないのが現状。
そんななか本機は、必要な機能はすべて網羅し、ANC・音質も高レベル、装着性・操作性まで良しと、まさに優等生ともいえるモデルに仕上がっています。
とくにピンチ操作に対応する機種は限られているので、タップ操作が苦手な人には間違いなくおすすめです。
同価格帯では、同等の機能性を求めるならJBL LIVE PRO 2、装着センサーなしでも良いならSoundcore Space A40なので、比較して決めるといいでしょう。
Soundcore Liberty 4レビューまとめ
本記事は「Anker Soundcore Liberty 4をレビュー!マルチポイントにピンチ操作対応で機能性ダントツの完全ワイヤレスイヤホン」について書きました。
Soundcore Liberty 4は機能に穴がなく、ANC・音質も過去モデルの高いレベルを継承しています。
独自開発のイヤーチップやピンチ操作により、装着性や操作性にも磨きがかかっています。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。
- やわらかくて心地よいサウンド
- 高強度のANC
- フィット感抜群の装着性
- 使いやすいピンチ操作
- マルチポイント対応
- LDACコーデック対応
- ワイヤレス充電対応
- 装着センサー対応
- 機能盛りだくさんの専用アプリ
- 音場の広さや立体感は並
- 3Dオーディオが不自然
- 外音取り込みは並