音質・ANC重視ならやはり高級ワイヤレスのマクリン(
数あるフルワイヤレスイヤホンの中でも最高クラスの音質やノイキャンを追い求めるなら、3万円超えのフルワイヤレスが選択肢に入ってきます。
2022年にはMOMENTUM TW3、2023年に入ってからはJBL TOUR PRO 2にTechnics EAH-AZ80と傑作モデルがリリースされ、僕のお気に入りもドンドン増えています。
本記事でレビューする「Sony WF-1000XM5」も、間違いなくそこに割り込んでくるモデルです。
前作「WF-1000XM4」から正当進化をとげつつ25%小さく20%軽くなり、装着性もかなり良くなっています。
音質は前作を踏襲しながらさらにオールマイティな仕上がりで、ANCもパワーアップ。
弱点は外周がツルッとしているのと4万円を超えるくらいしかありません。
そこで本記事ではSony WF-1000XM5をレビューしていきます。
- クリアで緻密なサウンド
- ハイレベルなANC
- 軽量・小型化
- 大きく改善された装着性
- マルチポイント対応
- LDACコーデック対応
- 4万円超えの価格
- 外周がツルッとしていて若干すべりやすい
- タッチ操作のカスタマイズが限定的
本記事はソニーマーケティング株式会社から商品を貸与いただき作成しています。
タップできるもくじ
Sony WF-1000XM5の概要
「Sony WF-1000XM5」は生活防水仕様(IPX4)の完全ワイヤレスイヤホンです。
製品名 | Sony WF-1000XM5 |
---|---|
防水・防塵規格 | IPX4 |
接続方式 | Bluetooth 5.3 |
対応コーデック | SBC / AAC / LDAC / LC3 |
重量(イヤホン / ケース込み) | 約11g / 約48g |
バッテリー駆動時間 (上)イヤホン (下)ケース込み |
最大12時間(ANCで8時間) 最大36時間(ANCで24時間) |
ドライバー | 8.4mmドライバー |
充電方式 | USB-C / ワイヤレス |
装着検出機能 | |
ANC | |
外音取り込み | |
専用アプリ | |
マルチポイント | |
価格 | 41,800円 |
ラインナップは前作同様、ブラックとプラチナシルバーの2色です。
イヤホンは、ロゴ/マイク部に採用された金色とタッチ面のマット加工が相まって、全体として上質感を演出しています。
ただ、外周部がピアノブラックでツルッとした表面加工になったので、個人的には前作のような全面マット加工が好きでした。
片耳3つずつ、計6つのノイズキャンセリングマイクを搭載し、前作よりもさらにノイズを低減。
耳からの脱着にともなって自動で音楽再生・停止する、装着検出センサーもそなえています。
ケースは、黒一色に鎮座するSONYのロゴが美しく、マットな触感にも同社のこだわりを感じます。
重量はイヤホン単体で約11g、ケースふくめ約48gであり、前作からかなりの軽量化に成功しています。
付属品はイヤホン本体とUSB Type-C to Cケーブル、イヤーピースは4種類(SS / S / M / L)用意されています。
本機では独自開発のノイズアイソレーションイヤーピースを採用することで圧迫感を軽減し、快適な装着性を実現。
サイズごとに色を変え、細部にもこだわりを見せています。
Sony WF-1000XM4とのスペック比較
WF-1000XM5と前作「WF-1000XM4」との違いを見ていきます。
製品名 | WF-1000XM5 |
WF-1000XM4 |
---|---|---|
防水規格 | IPX4 | IPX4 |
接続方式 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC / AAC / LDAC / LC3 | SBC / AAC / LDAC |
重量(イヤホン / ケース込み) | 約11g / 約48g | 約14g / 約54g |
バッテリー駆動時間 (上)イヤホン (下)ケース込み |
最大12時間(ANCで8時間) 最大36時間(ANCで24時間) |
最大12時間(ANCで8時間) 最大36時間(ANCで24時間) |
ドライバー | 8.4mmドライバー | 6mmドライバー |
充電方式 | USB-C / ワイヤレス | USB-C / ワイヤレス |
装着検出機能 | ||
ANC | ||
外音取り込み | ||
専用アプリ | ||
マルチポイント | ||
価格 | 41,800円 | 36,300円 |
大ぶりだったWF-1000XM4に対してWF-1000XM5はかなり小ぶり(25%小型化)になり、それにともない、装着性も大きく改善しました(ただ、全面マットでなくなったのは残念…)。
小型化・軽量化を図りつつバッテリー駆動時間は同等なので、ソニーの技術力には驚くばかり。
ナチュラルにハイレベルな音質は健在で、低音に量感のあった前作に対し、WF-1000XM5は低音~高音まで全音域にわたってバランスがよく、どの音域も緻密に再現されています。
クラシックが得意だったWF-1000XM4より、本機はいろいろなジャンルを横断して聴いても違和感なく表現でき、オールジャンルに対応しているイヤホンだと感じました。
LDAC(超高音質コーデック)非対応のスマホでも、DSEE Extremeにより高音質を堪能できます。
AI(人工知能)により、リアルタイムに楽曲の情景を分析し、ハイレゾ級の高音質にアップスケーリングする、ソニーの独自技術。
ANC性能も着実にアップし、装着性の良さにくわえて圧迫感も感じず、ANCオン時の没入感や使用感は本機のほうが断然上です。
+5,500円分の価値は間違いなくあるので、どちらかで迷っているなら本機を推します。
Sony WF-1000XM5のレビュー
WF-1000XM5の各特徴をレビューしていきます。
ロングバッテリーかつワイヤレス充電対応
バッテリー持続時間はイヤホン単体で最大12時間、ケースふくめ最大36時間です。
ANCオンでも単体8時間・ケース込み24時間とロングバッテリーで、日常使いで不便を感じることはないでしょう。
ケース背面にはUSB Type-Cの充電ポートをそなえ、3分の充電で1時間再生できる急速充電にも対応しています。
急速充電には急速充電器が、ワイヤレス充電にはワイヤレス充電器が必要ですので、ぜひそろえてみてください。
ひとつ注意点として、本機は充電パッドの狭いワイヤレス充電器だとワイヤレス充電できません。
Anker 318 Wireless Chargerなどのように、なるべく面の広いワイヤレス充電器で充電するようにしてください。
2台に同時接続できるマルチポイント
本機は前作同様マルチポイントに対応しています。
ノートPCとスマホなど、複数のBluetooth対応機器に同時接続できる機能。接続先をいちいち切り替えることなく、音声再生側のデバイスに自動で切り替わります。
同時接続は、このあと紹介するアプリ「Headphones Connect」からの操作が簡単です。
設定の「接続機器の管理」から「新しい機器と接続」をタップしましょう。
もしくはイヤホンをケースに収めた状態で、ケース背面のボタンを3秒長押ししましょう。
いずれかの操作によりペアリングモードに入るので、接続したいデバイスのBluetooth設定画面から追加すればOKです。
機能が多彩で見やすい専用アプリ
アプリ「Headphones Connect」では主に以下の操作が可能です。
- 外音コントロール
- アダプティブサウンドコントロール
- スピーク・トゥ・チャット
- イコライザー設定
- ファインド・ユア・イコライザー
- タッチ操作のカスタマイズ
- 360 Reality Audioの設定
- 各種機能のON/OFF
ダッシュボード画面では、イヤホン・ケースのバッテリー残量や接続コーデックを確認できます。
外音コントロールでは「ノイズキャンセリング」「外音取り込み」「オフ」を切り替えることが可能です。
「アダプティブサウンドコントロール」をオンにすると「歩いているとき」「乗り物に乗っているとき」など、行動や場所に応じて自動で外音コントロールを切り替えてくれます。
こちらが話し始めると音楽を自動停止する「スピーク・トゥ・チャット」も搭載しています。
誰かに話しかけられたときに、声を発するだけで音楽停止と外音取り込みが始まる便利な機能です。
ただし音楽を口ずさんだり、くしゃみしても反応するので、使い勝手はちょっと微妙でした。
イコライザーは10種のプリセットにくわえ、自分好みに5つの音域を調整できるカスタム枠が2つ用意されています。
設定がわずらわしい人は、好みのサウンドを選ぶと自動でイコライザー調整してくれる「ファインド・ユア・イコライザー」がおすすめです。
タッチ操作のカスタマイズでは、左右イヤホンに「外音コントロール/Quick Access」「再生コントロール」のいずれかを割り当てられます。 「1〜3タップ」「リピートタップ」「長押し」の全てをまとめて変更することになり、個別の変更はできないため、カスタマイズ性は低めです。
外音コントロールの操作は「オフ」をカットし、「ノイズキャンセリング 外音取り込み」のみで切り替え可能にも設定できます。
また「Quick Access」枠として、Spotifyなどの音楽サービスを割り当て可能です。
例えば「Spotify Tap」をダブルタップに割り当てると、操作によりSpotifyが即座に起動し、音楽をすぐに再生してくれます。
首振りやうなずきなどで操作できるユニークな機能「ヘッドジェスチャー」の有効化も可能です。
そのほか「360 Reality Audio」や「DSEE Extreme」、音質優先か接続優先を選べる「Bluetooth接続品質」も設定できます。
ボーカルやコーラス、楽器などの音源ひとつひとつに位置情報がつけられ、全方位から降りそそぐ音場を体感できる機能。
アプリは機能豊富かつUIも分かりやすく、とても使いやすいです。
ただ、カスタマイズなしでも使いやすいので不満はありません。
前作以上のANCと自然な外音取り込み
ANCは、前作比で20%ノイズ低減という触れ込みどおり、たしかな性能アップを感じました。
車のロードノイズや掃除機の音、空調音にくわえ、話し声や打鍵音もしっかり抑え込んでくれ、周囲音を怖いくらいシャットアウトしてくれます。
また本機では、マイク部の金属に微細孔加工を施した凹凸のないデザインを採用し、風ノイズ低減効果も前作以上に感じました。
外音取り込みも前作よりアップデートされ、ホワイトノイズもなく、より自然で使いやすくなっています。
コンビニ会計時やオフィスでの会話など、どのシーンでも大きな違和感はありませんでした。
ただし、マイクで集音している若干の不自然感があるので、外音取り込みだけで見るとAirPods Pro 2やTechnics EAH-AZ80のほうが優秀です。
クリアで緻密な高解像サウンド
耳へのフィット感は抜群で、装着性はWF-1000XM4から大きく向上しました。
筐体部分がフィットして支えてくれ、筐体がシュッとして耳からの飛び出しも少ないため、軽くジョギングしてもしっかり安定したまま。
イヤホン表面はタッチセンサーとなっており「ポンッ」「ポンポンッ」とタップ回数に応じて反応音が鳴る仕様です。
操作 | L | R |
---|---|---|
再生/停止 | ― | 1タップ |
曲送り | ― | 2タップ |
曲戻し | ― | 3タップ |
音量を上げる | ― | 4タップ以上 |
音量を下げる | 4タップ以上 | ― |
ANC / 外音取り込み | 1タップ | ― |
Quick Access(Spotify Tapなど) | 2タップ・3タップ | ― |
音声アシスタント | ― | 長押し |
受話 | 着信中に2タップ | 着信中に2タップ |
通話拒否 | 着信中に長押し | 着信中に長押し |
通話終了 | 通話中に2タップ | 通話中に2タップ |
音量コントロールは少し特殊で、4回以上タップし続けると、その回数に応じて音量がだんだん上がったり下がったりします。
音質はさすがソニーと言わんばかりの完成度で、圧倒的なハイクオリティサウンドに仕上がっています。
ソニー独自開発の8.4mmダイナミックドライバーXにより、沈み込む低音域から伸びのある高音域までずば抜けた音質で表現できています。
前作では得意ジャンルでなかったROCK & POPSもしっかり鳴らせ、本機はオールジャンル対応イヤホンにパワーアップしています。
ボーカルの息遣いはもちろん、声の震えや微妙な声の出し方の違いなど、口の動きや表情までが目に見えるようです。
音が何重にも折り重なって聞こえ、上下左右のあちこちから音が沸いてくるし、これまでレビューしてきた中で、音質面でも間違いなく3本の指に入るイヤホンです。
Technics EAH-AZ80との比較でいうと、双方ともレベルが高く、正直好みの差ではあります。
Sony WF-1000XM5は原音に忠実でニュートラルでナチュラルな音設計なのに対し、EAH-AZ80は高音が鮮やかでクリアに味付けされた音設計となっています。
ただ、低音だけで比較するとソニーに軍配が上がります。
Sony WF-1000XM5はこんな人におすすめ
Sony WF-1000XM5は「最高の音質とANCを堪能したい人」におすすめです。
前作で気になった装着性とBluetoothの接続安定性をも克服し、万全なモデルとなりました。
ANCの着実な進化も感じつつ、音質面もオールマイティにパワーアップし、外観も小型化でスタイリッシュ。
価格こそ4万円超えですが「高くてもいいからとにかく最高のモデルをちょうだい」という人に間違いなくおすすめできるモデルです。
Sony WF-1000XM5レビューまとめ
本記事はSony WF-1000XM5をレビューしました。
最高クラスの音質とANC、マルチポイントに多彩なアプリ、軽量小型化に装着性の工場など、ソニーの技術力が結集している感あります。
4万円台と手を出しづらい価格帯ですが、音楽で生活に彩りを添えたい人はぜひ手に取ってみてください。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。
- クリアで緻密なサウンド
- ハイレベルなANC
- 軽量・小型化
- 大きく改善された装着性
- マルチポイント対応
- LDACコーデック対応
- 4万円超えの価格
- 外周がツルッとしていて若干すべりやすい
- タッチ操作のカスタマイズが限定的
M5は本体のバッテリーは交換できますか?
M3は2年で使用不可能になり5000円で内部のボタン電池を交換できましたが、Linkbuds-Sは1年で10分で切れるようになり、ボタン電池ではなく交換できず修理費2万円と言われました。バッテリー性能ひどすぎませんか?
すぐに使えなくなるバッテリーなら購入に値しません。