どうも、VPNユーザーのマクリンです。
ビジネスにおけるセキュリティ確保や動画配信サービスの視聴、その他さまざまな理由でVPNの利用を検討している人も多いはず。
一般公開されているVPNサービスを利用する場合、有料VPNを使うのが一般的です。
しかし、なかには無料でサービスを提供しているVPNも存在します。
そこで本記事では、無料VPNに危険性があるのか述べたうえで、おすすめの無料VPNと選ぶときのチェックポイントを紹介します。
総合的におすすめのVPNは、こちらの記事でも紹介しているのであわせて参考ください。
タップできるもくじ
無料VPNの抱える危険性
無料VPNは、まったく使えないサービスというわけではありません。
とはいえ有料VPNと比較し「セキュリティリスクが大きい」「快適に利用できないケースが多い」という2つの大きなデメリットがあります。
セキュリティリスクが大きい
無料VPNのセキュリティリスクが高い理由は以下の3つです。
信頼できない運営元が提供しているケースがある
無料VPNのなかには、Thunder VPNやVPNネコ(VPN cat master)のように信頼できない運営元が提供しているサービスがあります。
VPNネコ-無制限のトラフィックを備えた高速で簡単なVPN
Secure Connection PTY. LTD.無料posted withアプリーチ
公式サイトをチェックしても、運営元の情報やVPN仕様、セキュリティポリシーなどの情報が一切公開されていません。
VPNは、セキュリティ確保を目的として利用するケースが多いため、情報を公開していない提供元のサービスは利用しないほうがよいでしょう。
利用する前には公式サイトをチェックし、下記ポイントの確認をおすすめします。
- セキュリティポリシー
- 運営者情報
基本的なセキュリティ機能が存在しないケースがある
有料で提供するVPNは基本的に、セキュリティを強化する機能をそなえています。
- キルスイッチ: VPNサーバーとの接続が切れたときにインターネットアクセスを遮断する
- DNSリーク対策: DNSサーバーから接続先の情報が漏れる欠陥への対策
- ノーログ: VPNサーバーにアクセスログを保持しないための仕組み
しかし、これらの機能がついていない無料VPNがある点に注意してください。
基本的なセキュリティ機能をそなえていないと、利用時の危険性が高まります。
無料VPNとして有名で利用者の多いVPN Gateも、これらの機能をそなえていません。
不特定多数がサーバーを提供しているVPNがある
VPNサーバーは通常、サービス提供元が用意します。
しかし、なかにはVPN Gateのように、不特定多数がVPNサーバーを提供しているサービスが存在することを意識しておきましょう。
この場合、悪意を持ってVPNサーバを設置しているユーザーが紛れている可能性があり、情報を盗まれるリスクが考えられます。
動画の視聴をはじめ、セキュリティがそこまで重視されないサービスであれば、大きな問題にはなりません。
しかし、ビジネスなどセキュリティが求められる用途では致命的なデメリットになることを覚えておきましょう。
快適に利用できないケースが多い
無料VPNが有料VPNよりも快適さに欠ける点に、以下の4つが挙げられます。
専用アプリの無いケースがある
多くの有料VPNでは、スムーズな利用に役立つ専用アプリを用意しています。
以下のOSをインストールしたデバイスであれば、アプリで簡単に接続できるでしょう。
しかし、多くの無料VPNでは専用アプリが用意されていません。
専用アプリが存在しない場合、デバイスに応じて手動で設定しなければならないケースがあります。
利便性を求めるのであれば、専用アプリの有無をチェックしておいたほうがよいでしょう。
接続できる国やサーバー数が少ない
有料VPNは、サーバー設置国が60〜100ヶ国、台数は1,000〜6,000台であるケースが多いです。
なかにはCyberGhostのように、サーバー設置数が10,000を超えるサービスも存在します。
しかし、無料VPNは設置国が3〜50ヶ国、台数も非公開である場合が多いです。
サーバー数が少ないと「コンテンツが配信している国にサーバー自体が設置されていない」「通信が不安定になったときに代替サーバーを利用できない」などの難点があります。
海外コンテンツはブロックされる可能性が高い
コンテンツの運営元が無料VPNをブロックしているケースもあります。
これは、複数のユーザーが同じIPアドレスを使用することから、不正アクセスを防止するためです。
有料VPNもコンテンツからブロックされることがありますが、無料VPNのほうがセキュリティの脆弱性によりブロックされるケースが多いです。
また、無料・有料に関わらず、コンテンツによってはVPN接続自体が規約違反になったり、国自体が無料VPNをブロックしている場合もあります。
マクリン
通信速度が不安定になりがち
無料VPNは、利用者の環境や状況にもよりますが、通信速度が安定せず、スピードテストで計測できないほどの速度になるケースもあります。
通信速度が遅いとデータの送受信に時間がかかったり、動画再生中に読み込みが入ったりします。
通信が不安定になると、VPN接続が急に切断されてユーザーの情報が漏れる可能性もあるため、安全とは言えません。
無料のVPNでも問題ない用途はある?
以下の用途であれば、無料VPNを利用しても大きな問題にはなりません。
- 一部の動画配信サービスの利用
- 重要性の低いデータの送受信
無料VPNを使ってもよいか悩んだときは「外部に流出してはいけないデータを送受信するか」を考えるとよいでしょう。
機密情報や個人情報など、流出してはいけないデータを取り扱う場合、セキュリティがきちんと確保されている有料VPNを使うのがおすすめです。
無料VPNのおすすめ5選
使い方によっては、無料VPNでも問題ないこともあるでしょう。
そこで本項目ではおすすめの無料VPNを5つ紹介します。
VPN名 | VPN Gate |
Proton VPN |
TunnelBear |
Windscribe |
HIDE.me |
---|---|---|---|---|---|
月額料金 | 無料 | Free:無料 ※Plus:3.59~9.99USD |
Free:無料 ※Unlimited:3.33~9.99USD |
Free:無料 ※Unlimited:5.75~9.00USD |
Free:無料 ※Unlimited:2.59~9.95USD |
プライバシーポリシー | ログあり | ノーログポリシー | ノーログポリシー | ノーログポリシー | ノーログポリシー |
サーバ設置国 | 20ヶ国 | 3ヶ国 | 47ヶ国 | 11ヶ国 | 8ヶ国 |
サーバー台数 | 約7,000台 | 約100台 | 非公開 | 非公開 | 非公開 |
最大同時接続デバイス数 | 8 | 1 | 無制限 | 無制限 | 1 |
VPN Gate(筑波大学)
VPN Gateは、筑波大学が学術研究の目的で運用しているVPNサービスです。
すべてを無料で使える数少ないサービスであるため、無料VPNを探している人は必見です。
現時点で約7,000台のサーバが稼働し、接続経路が豊富なのもメリットといえるでしょう。
ただし、VPN Gateでサーバを提供しているのは不特定多数のユーザーです。
学術研究への協力を目的としているユーザーだけではなく、情報を盗もうとしてサーバーを設置しているユーザーが存在する可能性もあります。
各サーバーが接続ログを保持し、セキュリティ面でも不安があります。
そのため、重要な情報の送受信には利用しないほうがよいでしょう。
一方で通信速度や利用者数を公開し、安定したサーバーを探しやすいのはメリットです。
動画配信サービスの利用のように、セキュリティを重視しない用途にはおすすめといえるでしょう。
Proton VPN
Proton VPNは有料プランだけではなく、無料プランも用意されています。
無料版では接続先のサーバが限られ、現時点ではアメリカ・オランダ・日本の3ヶ国に設置されている約100台のみ利用可能です。
通信速度も安定しないことが多いため、一時的に利用するVPNに向いているといえるでしょう。
セキュリティポリシーは、有料版と同じくノーログポリシーなので、機密情報や個人情報を送受信する目的でも安心して利用できます。
Proton VPNは、以下の記事でもくわしく解説しているため、あわせて参考ください。
TunnelBear
TunnelBearもノーログポリシーを採用し、有料版にくわえ無料版も提供しています。
無料版でも有料版と同様、47ヶ国に接続できるので、さまざまな地域限定サービスを利用できますが、各国内のサーバーを自由に選べない点に注意が必要です。
居住地から近いサーバーでは70Mbps前後出ることもある一方、アメリカやブラジルなどに接続すると、スピードテストで計測できないほど速度が遅くなるケースもあります。
さらに、無料版だと1ヶ月の通信使用料が2GBまでに限定されています。
動画配信サービスや居住国のサービスを一時的に利用する分には問題ありませんが、大容量データの送受信や離れた地域の限定サービス利用には向いていません。
さまざまな地域のサービスを十分に楽しむなら有料版にアップグレードするか、NordVPNやExpressVPNがおすすめです。
Windscribe
Windscribeも、無料版でノーログポリシーを採用している点でおすすめのVPNです。
無料版で接続できる国は以下の11ヶ国だけで、有料版にアップグレードしなければ接続できないサーバーもあるので注意が必要です。
- アメリカ
- カナダ
- イギリス
- 香港
- フランス
- ドイツ
- オランダ
- スイス
- ノルウェー
- ルーマニア
- トルコ
実際に日本から使ってみると、無料版の接続先が離れていることもあり、接続が不安定なケースが多いです。
専用アプリも日本語未対応で使い勝手が悪く、設定変更にVPNやネットワークの知識も多少必要なので、初心者には向いていません。
またTunnelBear同様に、30日間の通信データ容量が2GBまでに制限されている点も注意が必要です。
欧米在住者には向いているかもしれませんが、日本から利用するなら有料版にアップグレードするか、NordVPNかExpressVPNを契約したほうがいいでしょう。
HIDE.me
HIDE.meは、無料プランでも有料プランと同じセキュリティが提供され、ノーログでもあるVPNです。
公式サイトやチャットサポートが日本語に対応しているので、英語に不慣れな人でも安心して利用可能です。
ただし、メールサポートは日本語に対応していないため、注意ください。
HIDE.meの無料版で接続可能な国は以下の8ヶ国です。
- アメリカ
- カナダ
- イギリス
- フランス
- ドイツ
- オランダ
- シンガポール
- スペイン
無料版でもNetflixやYouTubeなどで動画視聴したい人は十分に楽しめます。
また、スピード制限にかかる場合がありますが、データ通信量が無制限なので、問題なく利用できるでしょう。
無料VPNを選ぶときのチェックポイント
無料VPNをこれから利用する人は、以下5つのポイントに気をつけて選ぶと失敗しづらいです。
完全無料か
無料と謳うVPNサービスのなかには「完全無料」で利用できるサービスと「実質無料」のサービスの2種類があります。
完全無料は通信やサーバー数に制限があるものの、永久に無料で利用できるサービスです。
実質無料とは、支払いを行ってから返金保証期間を活用しつつVPNサービスを利用することで、有料VPNのことをいいます。
無料VPNを絶対に使いたいと考えている場合は、完全無料かどうかを確認しましょう。
ノーログ
セキュリティやプライバシー保護の観点で少しでも安全にVPNを利用したい人は、ノーログポリシーのVPNを選びましょう。
ノーログはユーザーの情報が保存されないため「悪質なユーザーから情報が抜き取られる」「データが改ざんされる」などのトラブルを防止できます。
マクリン
運営元が信頼できるか、第三者機関の監査でノーログが立証されているかをしっかりと確認してください。
安全性を強化したい場合は、本記事で紹介したProtonVPNがおすすめです。
VPNサーバーの設置数
VPNサーバーの設置数も忘れずにチェックしておきたいポイントです。
サーバー数が多いほど通信経路の選択肢が増えるため、障害やVPN規制の強化があったときに対応しやすくなります。
無料VPNはサーバー数が非公開のケースが多いですが、VPN Gateは約7,000台、ProtonVPNは100台以上設置しているため、通信が不安定になっても代替サーバーにすぐ接続可能です。
ただし、自分が接続したい国にサーバーがなければ意味がありません。
サーバーが設置されている国もあわせて確認しましょう。
通信速度・通信量
大容量データの送受信や動画視聴を目的とする場合、通信速度や安定性も忘れずにチェックしてください。
通信速度が遅いとデータの送受信に時間がかかったり、動画再生中に読み込みが入ったりします。
上下ともに100Mbps以上の速度が出ていれば、多くの用途でストレスを感じることはないでしょう。
使いたいサービスを利用できるか
無料VPNは、多くの人が同じIPアドレスを利用し、セキュリティも有料VPNと比較して脆いことから、サービスからブロックされているケースがあります。
利用可能なサービスを確認してからダウンロードすると良いでしょう。
無料VPN・有料VPNそれぞれのメリット・デメリット
無料VPNと有料VPNにはそれぞれメリット・デメリットがあります。
無料VPN
- 無料で利用できる
- 用途を限れば問題なく利用できる
- セキュリティに不安がある
無料VPNは、ランニングコストがかからないのは魅力なものの、安全性を担保するVPNにも関わらず、セキュリティに難があるのは考えもの。
しかし、個人情報を取り扱わない動画配信サービスやゲーム用途に限れば問題なく利用できます。
また、有料版が提供されているケースが多く、無料版を気に入った場合はすぐにアップグレードできるのもメリットの一つです。
有料VPN
- セキュリティ性能が高い
- 専用アプリが充実している
- 選べるサービスの幅が広がる
- コストが継続的にかかる
有料VPNは、コストを除けばさまざまなメリットがあるので、VPNを快適・便利に使いたいなら、最初から有料VPNを選んだほうがベターです。
有料VPNは通信が高速で安定しているケースが多く、ネットサービスをストレスフリーで楽しめます。
さまざまな用途で活用するなら有料VPNがおすすめ
以下の用途で使用するなら有料VPN一択です。
- 動画配信サービスの利用
- 機密情報・個人情報の送受信
- 政府機関の検閲回避
- アクセスログの秘匿
- 金融サービスの利用
国外配信されている動画を観たり、月額を安くおさえる目的で、NetflixやYouTubeを海外のVPNサーバー経由で視聴するニーズが高まっています。
無料VPNでも一部の動画配信サービスは視聴可能ですが、サーバー設置国が限られるため、観たい国の動画が観れなかったり、安く契約するのが難しいケースも多々あります。
一方、NordVPNのような有料VPNであれば、そういった不自由さとは無縁で、世界中のサーバーから選べます。
また、重要度の高い情報を扱うなら、政府機関や悪意をもったユーザーに狙われるリスクもあるため、無料VPNは避けたいところ。
情報漏洩のリスクを可能なかぎり減らすためにも、セキュリティに定評のある有料VPNを選ぶのがベターです。
無料VPNに関するよくある質問
ここでは、無料VPNに関するよくある質問をまとめました。
無料VPNでもNetflixは見れる?
例えばProton VPNの場合、公式サイト上に以下の記述があります。
Proton VPN allows you to watch all Netflix content, no matter where you are in the world, so you can still see content that your Netflix subscription gives you, no matter where you are.
Additionally, Proton VPN enables you to stream all HBO Max, Disney+, and Amazon Prime Video content. To use this feature you must connect to one of our Plus servers.
If you do not use a Plus server, Netflix may detect that you are using a VPN, which will alter the shows you can watch.
引用:How to safely watch Netflix with ProtonVPN
上記を意訳すると「Proton VPN Plus(有料プラン)を使えば、Netflix・HBO Max・Disney+・Amazon Prime Videoふくむ全てのコンテンツを視聴できる」「Proton VPN Plusを使っていない場合、NetflixはVPNを使用していることを検出する可能性がある」と書かれています。
つまり、Proton VPN Free(無料プラン)だとNetflixの視聴ができないということになります。
またVPN Gateの場合も、同じIPアドレスからのNetflix視聴が多いとVPN利用であることを検知されやすく、ブロックされる傾向にあります。
以上をふまえると、無料VPNはNetflix視聴に向かないといえるでしょう。
無料VPNの注意点は?
無料VPNの注意点は以下のとおりです。
- 信頼できない運営元が提供しているケースがある
- 基本的なセキュリティ機能が存在しないケースがある
- 不特定多数がサーバーを提供しているVPNがある
- 専用アプリが無いケースが多い
まったく使えないわけではないですが、有料VPNとくらべ、セキュリティリスクが大きいのが弱点。
機密情報や個人情報など、重要データを取り扱う場合、安全性がきちんと確保されている有料VPNを使うのがおすすめです。
無料VPNは違法?
日本や欧米諸国では、セキュリティの観点からVPNの利用を禁じることなく、利用をむしろ推奨しているので違法ではありません。
ただし中国のように、インターネットの規制が政府によって制限されている国では、認可していないVPNサービスの利用を違法としているケースもあるので注意しましょう。
中国で使うのにおすすめのVPNを知りたい人は、以下の記事を参考ください。
ノーログの無料VPNでもセキュリティリスクはある?
ノーログポリシーを謳っていても、信頼性の低い無料VPNだとセキュリティリスクは高いです。
ノーログといいつつ複数の情報を収集していたり、違法業者にその情報を販売されたりする可能性があります。
例えば「Thunder VPN」や「VPNネコ」では、運営元やセキュリティポリシーなどの情報がなく、セキュリティやプライバシー保護も不透明です。
ノーログの無料VPNを利用する際は、本記事でも紹介している以下のVPNがおすすめです。
また、重要な情報を頻繁に扱う場合は、NordVPNのようにセキュリティに定評のある有料VPNを選ぶのがおすすめです。
30日間返金保証
2年プランなら最大69%OFF + 4ヶ月無料
まとめ:無料VPNと有料VPNは安全性に大きな差があることを意識しよう
一般ユーザーが利用できるVPNには無料VPNと有料VPNがありますが、セキュリティ面で大きな差があります。
無料VPNはコストがかからず気軽に利用できる分、一部のサービスはセキュリティが脆弱なケースがあり、自己責任の部分が多いです。
機密情報を取り扱う場合、利用を避けることをおすすめします。
本記事では、無料VPNのなかでも信頼性や利便性が高い5つのサービスを紹介しました。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。