どうも、VPN好きのマクリン( @Maku_ring)です。
VPN(Virtual Private Network)は、インターネットの安全性を高めるうえ海外限定のサービスを安く利用できるなど、さまざまなメリットがあります。
しかし、本来のIPアドレスを隠して別のIPアドレスでサービスを利用するというVPNの特性が「違法にあたるのではないか」と心配する人もいるのではないでしょうか。
「中国やロシアのようなインターネット規制の厳しい国で利用すれば、罰せられることもあるのでは?」と懸念することもあるでしょう。
そこで本記事では、VPNの利用は合法か違法かを解説したうえで、違法性を問われない正しい利用方法や規制の厳しい国でも利用可能なVPNを解説します。
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VPNが違法か合法かは国による
VPNは、利用者のPCやスマホなどの端末とVPNサーバーとの間に仮想的な専用ネットワークを形成し、仮想ネットワーク上のデータは常に暗号化されます。
インターネットにアクセスする際はVPNサーバーを必ず経由する仕組みなので、第三者に居住地を特定されたり、重要なデータを盗み取られたりする心配はありません。
そのため、情報漏えいやサイバー攻撃を防ぐ目的で利用する場合は違法性を問われないものの、インターネットの利用を厳しく制限している国ではVPNの利用も規制しているケースが多いので注意が必要です。
ここでは、VPNの利用が違法になる国と違法にならない国について解説していきます。
日本や欧米諸国の多くでは合法
インターネットを自由に利用できる日本や多くの欧米諸国では、VPNを規制するような法律はないため、VPNの利用は合法です。
個人情報保護や情報漏えいの観点からインターネット利用時の安全性を重視する傾向にあり、VPNはセキュリティ向上手段のひとつとして注目されています。
もちろん、犯罪目的で利用すればその犯罪で違法になりますが、正当な目的で利用しているかぎり罰せられることはありません。
中国やロシアでは規制が厳しく違法になることも
中国やロシアのようにインターネット利用を政府が厳しく規制している国では、VPNの利用を違法と判断される可能性があります。
このような国では、政府の移行にそぐわない情報の公開や反政府的な運動の広がりを抑止するため、GoogleやSNSであっても法律で規制したり、インフラ自体に制限をかけるなどしてアクセスできないようにしています。
グレートファイアーウォールは、中国サイバースペース管理局(CAC)が中心となって運営しているインターネット上のコンテンツを検閲するシステムで、ブラックリストに登録されているサイトはアクセスできないように制御しています。
また、ロシアは中国よりもVPN規制が厳しく、2017年時点では政府が認可したVPNであれば合法でしたが、2019年にはロシアにあるサーバーへのアクセス禁止を大手プロバイダーに命令しています。
ロシアも中国同様にアクセス禁止対象のサイトをブラックリストで管理していますが、VPNなど政府の監視を回避する行為は違法にあたるので注意が必要です。
国外からのサービス流入が国内の経済圏にマイナスとなる可能性も考慮しての規制なので、政府の方針が変わらないかぎり、インターネット規制は続くでしょう。
- 中国
- イラン
- オマーン
- ロシア
- 北朝鮮
- ベラルーシ
- トルクメニスタン
- イラク
トルコやエジプトなどは制限付きで合法
トルコ・エジプト・アラブ首長国連邦(UAE)の場合、VPNの利用は禁止されていませんが、制限付きで合法となっています。
不道徳な行為や犯罪目的での利用は厳しく罰せられるうえ、VPNでアクセスできるサイトを政府が厳しく制限しています。
トルコはとくに、政府がVPNサービスを積極的にブロックする方針で、トルコ経由で過去にアクセスできていたサイトでも利用できなくなるなど、規制の強化を強める傾向にあります。
キャンブル・ポルノなどを閲覧禁止コンテンツと定めているUAEの場合も、VPNを利用した閲覧は違法になるので、現地でVPNを利用する際は、アクセス可能なサービスがそもそもなにかを押さえておく必要がある点に留意しましょう。
VPNの利用で違法性を問われないために注意すべきこと
VPNを利用するうえで、違法性を問われないために注意すべき4つのポイントを解説します。
政府の定めるインターネット規制など法律を理解する
VPNを利用する際、現地でどのようなインターネット規制があるのかを把握しておきましょう。
前述のように、VPNの利用が合法でも使い方によっては違法と判断されてしまうケースがあります。
中国のように数年ごとにインターネット規制の法律を強化する国もあるので、現地に住んでいる人のSNS・口コミや、その国の最新事情を発信しているサイトなどから最新情報を入手するのがおすすめです。
- サイバーセキュリティ法(2017年6月施行)
- インターネット安全法(2017年6月施行)
- データセキュリティー法(2021年9月施行)
- 個人情報保護法(2021年11月施行)
一般的に不道徳とされる行為で利用しない
一般的に不道徳とされる行為でVPNを利用した場合、VPN規制のない日本や欧米諸国でも法律で罰せられる可能性があります。
たとえば、海賊版コンテンツのダウンロードやサイバー攻撃目的での利用など、その行為自体が犯罪に該当するものであれば罪を当然問われます。
IPアドレスが隠せることを逆手にとり、法の網を潜り抜けるための手段として利用することは絶対にやめましょう。
VPNネコなど安全性の低い無料VPNを利用しない
VPNネコなど無料で利用できるVPNは、利用目的と照らしあわせて慎重に検討してください。
暗号のセキュリティレベルが低く、ログなしを保証しているところも少ないので、情報漏えいのリスクが高いです。
有料VPNには標準でそなわっている「キルスイッチ」などのセキュリティ機能がない場合も多いうえ、中国やトルコのように無料VPNを国やサービスがブロックしているケースもあります。
運営元が不明な場合や安全性に不安を感じる無料VPNの利用は避け、安全性と信頼性で定評ある有料VPNを利用するのがおすすめです。
無料VPNをどうしても利用する必要がある場合は、セキュリティを重視しないコンテンツの利用に限定するのが無難でしょう。
利用規約で明確に禁じているサービスでは利用を避ける
サービスの利用規約で、VPNの利用を明確に禁じていないかどうかを事前に確認しておくことも重要です。
たとえば世界中で人気を博した「ゲーム・オブ・スローンズ」を視聴できるHBO Maxは、利用規約に以下のような記述があります。
プラットフォームは、サービス エリア内でのみ閲覧することを目的としています。テクノロジーを使用して現在地を隠したり、HBO Max が現在地を特定する能力を妨げたりすることは禁止されています。HBO Max は、技術を使用してお客様の地理的位置を確認する場合があります。
引用元:HBO Max利用規約の日本語翻訳
VPNを利用して本来の居住地を隠すような行為、すなわちVPNなどのサービスを利用したアクセスは利用規約違反になる可能性があります。
過去に罰せられた事例はありませんが、利用規約でVPNを想起させるようなツールの利用禁止が明言されているケースでは慎重に対応しましょう。
違法性を問われないVPNの利用シーン
VPNの利用が違法性を問われないケースもしっかり押さえておきましょう。
自宅のWi-FiやフリーWi-Fiの安全性を高める
自宅のWi-Fiや、公共施設で利用可能なフリーWi-Fiの安全性を高めるために利用する分には違法性を問われません。
誰でも自由に参加できるフリーWi-Fiはとくに、悪意ある第三者からサイバー攻撃を仕掛けられる可能性もあるので、むしろ積極的にVPNを利用するのがおすすめです。
通信速度の安定性を高める
通信速度の安定性を高めるために利用する場合、違法性を問われることはありません。
利用したいサービスの場所に近いVPNサーバーを選ぶと、通常アクセスする場合と違う経路でアクセスすることになり、通信速度が安定して遅延も発生しにくくなるケースがあります。
インターネットのアクセスが不安定に感じるときはVPNサーバーをいくつか試し、安定性の高いサーバー経由でアクセスしてみるといいでしょう。
個人情報や機密情報の漏えいを防ぐ
個人情報やビジネスの機密情報の漏えいを防ぐ目的で利用する場合も、違法性は問われません。
PCやスマホなどの端末からVPNサーバーへの接続は常に暗号化されるので、第三者がデータを盗聴するリスクを軽減します。
有料のVPNであれば、米国政府標準の暗号化技術が採用されているケースがあるなど、セキュリティレベルが高く安心です。
オンラインショッピングやビジネスシーンでは、VPNを積極的に利用するのがおすすめです。
海外サービスの地域制限を回避する
海外サービスの地域制限(ジオブロック)を回避する手段として利用する場合、中国やロシアのような法規制がないかぎり、違法性を問われることはありません。
前述のとおり、サービス側の利用規約でVPNを禁止していないことを確認したうえで利用するのがおすすめです。
信頼性の高い有料VPNであれば、利用可能なサービスを明記しているケースもあるので、目的のサービスが対象になっているかどうかを利用前に確認するのもいいでしょう。
政府認可のVPNを利用する
中国・イラン・オマーンの場合、政府認可のVPNであれば違法になりませんが、中国政府のように認可中のサービスを公表していないケースもある点に注意してください、
VPNサービスの公式サイトで利用可能なことを明言しているか、現地での利用実績をSNSや口コミなどから確認できるものを利用するのがいいでしょう。
また、現地に到着してからではインターネット規制によってVPNを契約できない可能性が高いので、渡航前に契約しておくことが重要です。
VPNの規制が厳しい国でもおすすめのVPN
VPNの規制が厳しい国でもおすすめの有料VPNサービスを5つ紹介します。
VPN名 | NordVPN |
ExpressVPN |
Surfshark |
CyberGhost |
MillenVPN |
---|---|---|---|---|---|
月額料金 | 480円〜2,070円 | 6.67 USD~12.95 USD (約1,001円~約1,943円) |
288円~2,238円 | 290円〜1,790円 | 396円~1,738円 |
プライバシー ポリシー |
ノーログポリシー | ||||
サーバー設置国 | 111ヶ国 | 105ヶ国 | 100ヶ国 | 100ヶ国 | 72ヶ国 |
サーバー台数 | 6,445台 | 3,000台以上 | 3,200台以上 | 11,605台以上 | 1,300台以上 |
最大同時接続 デバイス数 |
6 | 8 | 無制限 | 7 | 10 |
返金保証 | 30日間 | 14〜45日間 | 30日間 |
総合的におすすめのVPNは、こちらの記事でも紹介しているのであわせて参考にしてください。
NordVPN
NordVPNは、インターネット規制のある中国やイランでも利用できるうえ、低価格と高速通信の両方を兼ね備えたVPNです。
プランはスタンダード・プラス・コンプリートの3つがあり、利用目的に応じて選択できます。
スタンダードプランは月額換算480円から契約でき、どのプランでも通信が高速で安定していることから人気の高いVPNです。
サーバーも111ヶ国に6,400台以上設置され、日本以外にも多くの国のコンテンツを楽しめます。
NordVPNは、以下の記事でくわしく取り上げています。
30日間返金保証
2年プランなら最大69%OFF + 3ヶ月無料
ExpressVPN
ビジネスで積極的に活用したい人におすすめなのがExpressVPNです。
中国はもちろん、VPNの利用制限があるイランなどの中東諸国でも利用できます。
通信品質とセキュリティレベルは業界最高水準で、機密情報などの送受信時に情報漏えいのリスクを最低限に抑えることができるため、ビジネスに最適なVPNといえます。
遅延が発生する心配がないため、動画配信サービスを利用するときも安心です。
月額換算1,001円からと他社よりも料金は高めですが、その分クオリティは高く、対応デバイスの種類も多いので多種多様な用途で活躍してくれます。
ExpressVPNをよりくわしく知りたい人は、以下の記事もあわせて確認してみてください。
30日間返金保証
1年プランなら当サイト限定で3ヶ月無料
Surfshark
コスパの良さを重要視している人には、Surfsharkをおすすめします。
24ヶ月プランなら月額換算288円で契約でき、デバイスの同時接続台数が無制限のVPNです。
1つのアカウントで複数人が同時に利用できるのでコスパ最強といえるでしょう。
安いからといって通信品質が悪いということもなく、比較的安定しているのでビジネスの用途でもおすすめです。
サーバー設置国も100ヶ国と豊富で、中国やイランでの利用実績もあります。
Surfsharkの詳細は、以下の記事でも解説しています。
30日間返金保証
2年プランなら最大86%OFF + 3ヶ月無料
CyberGhost
価格の安さを最も重視している人におすすめなのが、CyberGhostです。
月額換算290円からと業界屈指の低価格で、サーバーも100ヶ国に9,000台以上と他社と比べても圧倒的です。
動画視聴・音楽配信・オンラインゲームなど、利用目的ごとに専用サーバーが設置されているので、通信が不安定になっても代替サーバーをすぐに見つけられます。
公式サイトでも中国向けとして紹介され、アクセス制限を回避する目的でもおすすめとしている点が心強いです。
ただし、プランによって返金保証期間が14〜45日間と異なるので、契約の際は注意しましょう。
CyberGhostは、以下の記事でくわしく取り上げています。
最大45日間返金保証
2年プランなら最大82%OFF + 2ヶ月無料
MillenVPN
海外から日本のサービスを利用したい人におすすめなのが、MillenVPNです。
日本の企業が日本の法律に準拠した運営をしている、完全日本製のVPNです。
海外製は日本語に対応していないケースも多く、英語が苦手な人は不安を感じてしまいますが、MillenVPNは日本語対応しているので安心して利用できます。
月額料金396円からとリーズナブルで、以下のような日本向けの動画配信サービスをほぼ全て利用できます。
同時接続台数も10台までと多く、固定IPを追加料金なしで利用できるのも人気の理由です。
また、他社でも類を見ないサービスが、インターネットに制限のある国向けの「MillenVPN Native OpenConnect」です。
MillenVPNの詳細は、こちらの記事にまとめています。
30日間返金保証
2年プランなら最大62%OFF
VPNの違法に関するよくある質問
VPNの違法に関してよくある質問に回答していきます。
韓国ではVPNの利用が違法になりますか?
韓国でVPNを利用することは合法です。
ただし、動画の違法ダウンロードやコンテンツの権利を侵害する行為での活用、性的コンテンツの閲覧は禁じられています。
韓国の法律に準じた範囲内での利用は違法性を問われないので安心してください。
規制の厳しい中国でおすすめのVPNは?
中国での利用実績があり、安定した高速通信とセキュリティ機能の充実さからNordVPNをおすすめします。
ただし、利用実績があっても突然利用できなくなったり、地域によっては接続が不安定になったりするリスクをふまえて複数のVPNを契約しておくと安心です。
VPNでYouTubeやNetflixに接続した場合、違法になりますか?
YouTubeやNetflixをVPN経由でアクセスしても違法にはなりません。
利用規約でも明確にVPNを禁じる項目はないため、規約違反を問われる可能性も低いでしょう。
無料で使える筑波大学のVPN Gateは中国でも使えますか?
VPN Gateは筑波大学の運営する学術研究を主体としたVPNで、無料VPNのなかでも利用者が比較的多いです。
ただし、サーバーに接続ログが残るうえ、不特定多数が運営しているため、情報漏えいの危険性があるなど安全性と信頼性には不安が残ります。
通信速度も安定しないケースが多いので、中国での利用はおすすめできません。
NordVPNやExpressVPNのような実績と信頼性の高い有料VPNを利用しましょう。
VPNサービスのオン・オフは自由に切り替えられますか?
VPNの接続は自由にオンオフできます。
ただし、オンにしたままだと通常利用できたサービスが地域制限でブロックされて使用できなくなることもあります。
状況に応じてオンオフを切り替えたり、利用するサービスに適切なサーバーに接続しなおすなど柔軟に対応しましょう。
VPNを正しく使えば違法は問われない
本記事では、VPNの利用が違法か合法かについてくわしく解説しました。
日本や欧米諸国ではVPN規制のない国が多いので、正しく利用していれば違法性を問われることはありません。
中国やイランなどのインターネット規制が厳しい国でも、政府が認可しているVPNの利用は合法です。
現地で施行されている法律を十分に把握し、一般的な道徳観念に則って正しくVPNを利用しましょう。
VPNのサービスは数多くあるので、どれを選ぶべきか迷う場合、本記事で紹介したおすすめのなかから利用目的に合うものを選んでみてください。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。