どうも、ルーターマニアのマクリン( @Maku_ring)です。
最大10Gbps近くの最大通信速度をもつWi-Fi規格「Wi-Fi6」は、iPhone 12シリーズが対応したのを皮切りに注目を浴びています。
従来のWi-Fi(Wi-Fi 5)にくらべ、Wi-Fi 6はかなり進化しています。
- 最大速度(理論値):6.9Gbps
- 周波数帯:5.0GHz
- MU-MIMO:最大4ユーザー
- 最大速度(理論値):9.6Gbps
- 周波数帯:2.4GHz/5.0GHz
- MU-MIMO:最大8ユーザー
つまり、最大速度が1.4倍になり、速度低下にならない同時ユーザー数が2倍になりました。
さらにもうひとつ見逃せないのが、2.4GHz帯にも対応したという点です。
元来のWi-Fi電波のイメージはこうでした。
- 2.4GHz帯 速度は遅いが、障害物に強い
- 5.0GHz帯 速度は早いが、障害物に弱い
たとえるなら「打たれ強いけど鈍足」なのが2.4GHz、「繊細なスピードスター」が5.0GHz。
これらを特徴づけていたのは、5.0GHzがWi-Fi 5、2.4GHzはさらにそのひとつ前のWi-Fi 4(11n)をサポートしていたからです。
マクリン
ヨメ
そこで本記事では、Wi-Fi6対応ルーターの代表的な5製品をスペック比較し、どれを選ぶべきなのか検証していきます。
先におすすめのルーターを知りたい場合は「Wi-Fi6対応ルーター5製品のうち、どれがおすすめ?」からチェックしてみてください。
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Wi-Fi6対応ルーターの代表的な5製品を比較
スマホにさきがけ、続々と登場しているWi-Fi6対応ルーター。
まず、NETGEARの「Nighthawkシリーズ」がリリースされました。
つづいてシェアNo.1のTP-Linkも「Archer AX73」を引っさげて参入してきました。
それからバッファローの「WXR-6000AX12S」が登場しました。
ASUSからは「RT-AX82U」が殴り込んできました。
最後に日本メーカーの雄、IO DATAから「WN-DAX3600QR」で参入。
つまり、現時点でWi-Fi6対応ルーターの代表的なメーカーは、NETGEAR・TP-Link・バッファロー・IO DATA・ASUSの5社。
- NETGEAR「Nighthawk RAX120」
- TP-Link「Archer AX73」
- BUFFALO「WXR-6000AX12S」
- IO DATA「WN-DAX3600QR」
- ASUS「RT-AX82U」
ルーターを選択するときのポイントは大きく4つ。
- 最大通信速度(ストリーム数) スピードは死活問題
- LANポート数 有線LANオンリーの機器に必要
- CPU コア数が多いほど、多数のWi-Fiデバイスを同時処理
- v6プラス v6プラス対応だと回線速度の詰まりがなくなる
それではこの4つのポイントから5台を比較していきます。
1. 最大通信速度を比較
ネット環境の快適性に大きく関係する通信速度。
動画視聴はもちろん、シビアなオンラインゲームでは速度遅延が勝敗をも左右します。
ルーターの速度はストリーム数が大きく関係しています。
電波の通る道の数が多いほど、多数のデバイスをつないでも高速に通信することができます。
最大通信速度はあくまで理論値で、この速度が実際に出るわけではありません。
しかし、この数値が高いほど、実測値も高いものと捉えて大丈夫です。
Wi-Fi 6対応ルーターの最大通信速度とストリーム数は以下のとおり。
製品名 | 周波数 | 最大通信速度(理論値) | ストリーム数(受信 x 送信) | 推奨接続台数(メーカー公称) | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
ASUS「RT-AX82U」 |
2.4GHz + 5.0GHz | 【2.4GHz】574Mbps 【5.0GHz】4804Mbps |
【2.4GHz】2 x 2 【5.0GHz】4 x 4 |
〜72台 | 19,000円前後 |
NETGEAR「Nighthawk RAX120」 |
2.4GHz + 5.0GHz | 【2.4GHz】1200Mbps 【5.0GHz】4800Mbps |
【2.4GHz】4 x 4 【5.0GHz】8 x 8 |
〜56台 | 29,000円前後 |
BUFFALO「WXR-6000AX12S」 |
2.4GHz + 5.0GHz | 【2.4GHz】1147Mbps 【5.0GHz】4803Mbps |
【2.4GHz】4 x 4 【5.0GHz】8 x 8 |
〜64台 | 38,000円前後 |
IO DATA「WN-DAX3600QR」 |
2.4GHz + 5.0GHz | 【2.4GHz】1147Mbps 【5.0GHz】2402Mbps |
【2.4GHz】2 x 2 【5.0GHz】4 x 4 |
〜32台 | 14,000円前後 |
TP-Link「Archer AX73」 |
2.4GHz + 5.0GHz | 【2.4GHz】574Mbps 【5.0GHz】4804Mbps |
【2.4GHz】2 x 2 【5.0GHz】4 x 4 |
〜80台 | 14,000円前後 |
周波数帯はいずれも2.4GHzと5.0GHz、2種類の電波をもつデュアルバンドで、5.0GHz時の最大通信速度もほぼ同等。
ストリーム数はBUFFALOとNETGEARが12本で、他3製品は6本です。
したがって、BUFFALO WXR-6000AX12SとNETGEAR Nighthawk RAX120が速度面では優位といえますが、価格もその分上がり、いずれも3〜4万円。
一方、IO DATA WN-DAX3600QR・TP-Link Archer AX73・ASUS RT-AX82Uは1万円台です。
つまり、価格とストリーム数はトレードオフであるため、ご自身の予算に照らし合わせて考えるといいでしょう。
2. 有線LANポート数を比較
モデムは当たり前として、ネットワークHDD(NAS)や古いプリンターなど、有線LANでつなげなければならない機器がいくつかあります。
そのためWi-Fiルーターには有線LANポートが備わっています。
また、Wi-Fiより有線でつなげたほうが速度が速いため、通信速度を確保したい機器はあえて有線LAN接続にすることもあります。
そんなわけで、Wi-Fi 6対応ルーターでも有線LANポート数は重要です。
5製品のLANポート数を比較しました。
製品名 | 1Gbps対応WAN | 2.5Gbps対応WAN | 10Gbps対応WAN | 1Gbps対応LAN | 2.5Gbps対応LAN | 10Gbps対応LAN | USBポート |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ASUS「RT-AX82U」 |
1 | 4 | USB 3.1 x 1 | ||||
NETGEAR「Nighthawk RAX120」 |
1 | 4 | 1 | USB 3.0 x 2 | |||
BUFFALO「WXR-6000AX12S」 |
1 | 3 | 1 | USB 3.1 x 1 | |||
IO DATA「WN-DAX3600QR」 |
1 | 4 | |||||
TP-Link「Archer AX73」 |
1 | 4 | USB 3.0 x 1 |
LANポート数は、NETGEAR Nighthawk RAX120のみ5つで、あとの4製品は4つ。
いずれも標準的なポート数なので、足りなければスイッチングハブで増設することになります。
特筆すべきポイントとして、BUFFALO WXR-6000AX12Sのみ、最大10Gbps対応のWANポート・LANポート(10GbEポート)を搭載していることです。
Wi-Fi6は元来、理論上の最大速度9.6Gbpsを実現できる規格。
ちなみに、その実力をしっかり発揮するためには、光回線ならびにLANケーブルも10Gbps対応でないといけないので、その点だけ気をつけましょう。
3. CPUコア数を比較
最後に「ルーターの脳」ともいえるCPUを比較します。
例えばシングルコアのCPUは、複数のWi-Fi電波を一気に使用した場合、ひとつの電波しか供給できず、他の処理を待たせてしまうことになります。
つまり「シングルコア = シングルタスク」です。
これがマルチコアになると、2.4GHz帯と5.0GHz帯を同時処理できるため、片方を待たせることがなくなります。
ストリーム数がいくらあっても、それを処理する脳みそが追いつかないと、性能は発揮しきれません。
5製品のCPUは以下のとおりです。
製品 | CPU |
---|---|
ASUS「RT-AX82U」 | 1.5GHz トリプルコア |
NETGEAR「Nighthawk RAX120」 | 2.2GHz クアッドコア |
BUFFALO「WXR-6000AX12S」 | 2.2GHz クアッドコア |
IO DATA「WN-DAX3600QR」 | 1.5GHz トリプルコア |
TP-Link「Archer AX73」 | 1.5GHz トリプルコア |
BUFFALO WXR-6000AX12SとNETGEAR Nighthawk RAX120が4つのコアを持つCPU、ASUS RT-AX82UとTP-Link Archer AX73、IO DATA WN-DAX3600QRは3つのコアを持ち、いずれも複数バンドを同時処理できます。
ですがCPUのGHz数、すなわち「クロック周波数」が異なります。
クロック周波数は「CPUの処理の速さ」を表し、この数字が大きいほどCPUの性能は基本的に良いです。
したがって、BUFFALO WXR-6000AX12SとNETGEAR Nighthawk RAX120は、CPUの性能もやや優れているといえるでしょう。
4. v6プラス対応かどうか
インターネットの接続方式には、メインの接続方式である「IPv4 PPPoE」と新方式の「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6(v6プラス)」の2通りがあります。
従来のPPPoE方式は、利用者が多い関係で混線が生じて遅くなりやすいのですが、v6プラスはIPアドレスが枯渇しない仕組みなので回線混雑とはほぼ無縁。
しかし、固定回線はもちろん、ルーターもv6プラス対応である必要があり、従来の海外製ルーターはv6プラス非対応のモデルがほとんどでした。
とはいえ、近年はv6プラス対応モデルが増えており、本記事であげているルーターはいずれもv6プラス対応なので安心ください。
Wi-Fi6対応ルーター5製品のうち、どれがおすすめ?
ヨメ
マクリン
トータルで見ると、12ストリームで最大10Gbps対応WAN/LANポートを採用する、バッファロー「WXR-6000AX12S」が優れています。
ただし、価格が4万円近くするため、お世辞にも安いとはいえません。
その点TP-Link Archer AX73やIO DATA WN-DAX3600QRなら、1万円台前半でありつつ、Wi-Fi6対応かつv6プラスを実現し、コスパの面で優秀なルーターに仕上がっています。
Wi-Fi6ルーター比較まとめ
本記事は「【10ギガ対応】Wi-Fi6ルーターのおすすめはどれ? ASUS・NETGEAR・TP-Link・バッファロー・IO DATAを徹底比較!」について書きました。
総合力ではBUFFALO WXR-6000AX12S、コスパではTP-Link Archer AX73・IO DATA WN-DAX3600QRが上回るものの、他2製品もそれぞれに特徴のある製品に仕上がっています。
Wi-Fi6対応デバイスを持っていれば、その性能をより発揮できる製品となっています。
どうも、マクリン( @Maku_ring)でした。